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フィナステリドの副作用は? 発現率0.53%の内訳と効果の仕組み

2025/09/16
監修:辛島 史憲

AGA治療を検討するとき、多くの方が気にするのがフィナステリドの副作用です。承認時の国内臨床試験では、276例中11例(4.0%)に副作用が報告されています。一方、市販後の約3年間にわたる使用成績調査(943例)では、副作用があらわれたのは5例(0.53%)でした。

数字に幅があるのは調査方法の違いによります。臨床試験では軽い症状まで拾うため割合が高めに、市販後の調査では報告が限られるため低めに出やすいのが特徴です。実際には「数%程度〜1%未満」がおおよその目安と考えるとイメージしやすいでしょう。

この記事では、このようなデータを踏まえつつ、フィナステリドの効果や副作用、正しい服用方法を、20年以上の使用実績とガイドラインに基づいて分かりやすく解説します。

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フィナステリドとは?

 

フィナステリドは、世界初の「飲むAGA治療薬」として開発されました。米国では1997年にAGA治療薬として承認され、日本でも2005年から使用できるようになりました。処方するクリニックや先発品/ジェネリック医薬品によって違いはありますが、デュタステリドに比べて安価で、おおよそ月2,000円台〜8,000円台でAGA治療が可能です。

このパートでは、フィナステリドが開発されるに至った経緯や作用メカニズム、デュタステリドとの違いについて説明します。

フィナステリドの効果

フィナステリドは、もともと前立腺肥大症の治療薬として誕生した薬です。前立腺肥大症治療薬として安全性が確認された後、副作用として抜け毛や薄毛の改善がみられたことに着目し、AGA治療薬としての開発が進められました。

日本では、2005年にAGA治療薬「プロペシア」という商品名で発売されました。プロペシアに含まれる有効成分が「フィナステリド」で、これはWHOが定める国際的な一般名(INN)です。

一方、ジェネリック医薬品の名称は、厚生労働省のルールにより「有効成分名+剤形+含量+販売会社名(屋号)」の組み合わせで付けられます。そのため、フィナステリドを主成分とするジェネリック医薬品には、必ず「フィナステリド」という名称が含まれています。今では多くの製薬会社がジェネリック医薬品を発売し、リーズナブルにAGA治療ができるようになっています。

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フィナステリドの作用メカニズム

毛髪は定期的に生え替わります。この生え替わりの過程をヘアサイクルと呼び、以下の3つで成り立っています。

  1. 髪が伸びる成長期
  2. 髪の成長が止まり、抜ける準備に入る退行期
  3. 脱毛に至る休止期

AGAでは、男性ホルモンであるテストステロンが5α還元酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)に変換されて毛包に働き、成長期を短く、休止期を長くします。その結果、少しずつ毛包が小さくなり、毛髪が細く柔らかくなり、抜け落ちてしまいます。

フィナステリドは、テストステロンからDHTに変換する5α還元酵素の働きを抑えることにより、DHTの量を減らします。毛包に働くDHTが少なくなると、成長期が本来の長さとなってしっかりした毛包を維持することができ、抜け毛も少なくなります。

5α還元酵素には1型と2型があり、AGAの発症に関与するのは主に2型です。フィナステリドとデュタステリドは同じ5α還元酵素阻害薬ですが、フィナステリドは2型のみ、デュタステリドは1型と2型の両方の働きを抑えるといった違いがあります。次のパートで詳しく解説します。

効果実感までの目安

フィナステリドの効果は飲み始めてすぐにあらわれるわけではありません。早い人では1~3ヶ月くらいまでに抜け毛が減って産毛があらわれてきます。周囲の人にも変化が分かるレベルになるまでは、個人差はあるものの6ヶ月程度必要といわれています。フィナステリドを6ヶ月以上飲み続けても効果が実感できない場合は、医師に相談しましょう。

フィナステリドの副作用|臨床試験4.0%と市販後0.53%の実態

フィナステリドは、日本でも2005年から20年以上使用されている実績のあるAGA治療薬です。副作用についても十分なデータが存在します。このパートでは、フィナステリドの主な副作用と注意点について解説します。

副作用の発生頻度と対処法

フィナステリドの副作用は、臨床試験と市販後調査で発現率に差があります。承認時の国内臨床試験では、276例中11例(4.0%)に副作用が報告されています。主な症状はリビドー(性欲)減退が3人(1.1%)、勃起不全と肝機能検査値の異常変動がそれぞれ2人(0.7%)でした。

一方、2006年11月~2009年7月に行われた市販後調査(943例)では、副作用があらわれたのは5例(0.53%)にとどまっています。具体的な内訳は、リビドー減退が報告されたのは2人(0.21%)、肝機能異常、肝障害、勃起不全が報告されたのはそれぞれ1人(0.11%)です。

このように報告方法によって数値は異なりますが、どちらの調査でも副作用の頻度は高くなく、多くの方が安全に服用を継続しています。もし副作用があらわれた場合は、いったん服用を中止し、医師に相談するようにしてください。

性機能や精神面への影響

前述の通り頻度は少ないものの、性欲減退や勃起不全といった性機能に関する副作用が報告されています。

また、精神面では、うつ症状の悪化に加えて、海外の一部調査では気分が落ち込みやすくなるケースや、気持ちの安定に関わる報告もみられています。以前うつ病にかかったことのある方や現在治療中の方は、開始前に必ず医師に伝えておきましょう。

性機能や精神面の副作用は、頻度こそ多くありませんが不安を感じやすい領域です。一般的な副作用の整理に続けて、研究途上のテーマである「ポストフィナステリド症候群(PFS)」についても紹介します。

ポストフィナステリド症候群(PFS)とは?

ポストフィナステリド症候群とは、フィナステリド治療中または治療中止後に起こる副作用のことです。性機能や精神系の症状が多く、性欲減退、勃起不全(ED)、射精障害、うつ病などが一部で報告されています。頻度や原因、発症メカニズムについて研究が進められていますが、まだ明らかになっていません。

専門家の中にはポストフィナステリド症候群の存在自体に否定的な人もいます。必要以上に不安を抱く必要はありませんが、症状が気になる場合は早めに受診することが大切です。

個人輸入で海外製品を使うと、副作用が出ても自己責任

フィナステリドを入手する方法として、個人輸入があります。海外から個人輸入する医薬品は、日本の厚生労働省による品質、有効性、安全性の確認がされていない可能性があります。また、日本では許可されない添加物が使われていたり、不適切な衛生管理下で生産されていたり、というリスクもあります。さらに、偽造医薬品も多く流通しており、個人輸入の薬で健康被害が生じる危険性も考えられます。

もし個人輸入した医薬品によって健康被害が生じても、公的制度による救済の対象になりません。手軽で安いからといって、安易に個人輸入をすることは避けましょう。

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フィナステリドの注意点と服用方法

ここまで、フィナステリドの特徴について説明してきました。このパートでは、フィナステリドの注意点と服用方法について説明します。

使用に注意が必要な人・飲んではいけない人は?

多くの方が使用できますが、一部には注意や制限があります。代表的なケースを確認しておきましょう。

使用に注意が必要な人

【1】うつ病になったことがある

フィナステリドとの関連性はまだ明らかではありませんが、抑うつ症状などがあらわれることが報告されています。うつ病になったことがある方は医師に申し出るようにしましょう。

【2】肝臓の機能が低下している

フィナステリドの使用により、肝臓の数値が上昇する場合があります。肝臓の機能が低下している方も医師に申し出るようにしてください。

【3】前立腺がんの検査を受けている

フィナステリドを服用すると、前立腺がんの診断に用いられる血液検査(PSA:前立腺特異抗原)の値が低下することが知られています。添付文書では、24〜50歳の男性型脱毛症患者においてPSA濃度が約40%低下し、また海外の前立腺肥大症患者を対象とした臨床試験では約50%低下したと記載されています。

そのため、フィナステリドを服用中の方がPSA検査を受ける場合は、測定値が実際より低く出る可能性がある点に注意が必要です。検査を受ける際には、必ずフィナステリドを使用していることを医師に伝えてください。

【4】妊活中の男性

これまでの報告から、フィナステリドが精子に移行する量はごくわずかで、胎児に影響を及ぼすリスク(催奇形性)はきわめて低いとされています。したがって、妊活中の男性が服用しても基本的に大きな問題はありません。一方で、副作用として性欲の低下や精液量の減少が生じる場合があり、これらが妊活に影響する可能性は否定できません。

なお、1ヶ月ほど休薬すれば体内からの影響はほぼなくなると考えられているため、もし心配な場合は、医師と相談し休薬も視野に入れるとよいでしょう。

飲んではいけない人

女性はフィナステリドを使用できません。妊娠している女性が使用すると、お腹の赤ちゃんに薬の影響が出ることが分かっているためです。

同じく、子どももフィナステリドを使用できません。

また、カプセル中の薬や割れたり欠けたりしている錠剤を触ることで皮膚から体内に吸収される可能性があります。取り扱いには注意が必要です。

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服用方法

フィナステリドは1日1回飲むことで効果を発揮します。決まった時間に飲むようにし、もし飲み忘れた場合は気がついた時に1回分を飲みます。次の飲む時間が近い場合は1回飛ばして、次の決められた時間に1回分を飲んでください。

薬を飲む時間は、いつも自分が決まった時間にしていることに合わせると飲み忘れが少なくなります。同じ時間に朝食をとっている方は朝食の前後、歯磨きの前後や寝る前でもよいかもしれません。

他のAGA治療薬と一緒に使える?

一般的に、同じ作用メカニズムの薬を同時に使うことはありません。従って、フィナステリドとデュタステリドが同時に処方されることはありません。

一方、フィナステリドとミノキシジルの外用剤の組み合わせは多くの使用実績があり、欧州皮膚科学フォーラム(EDF)のガイドラインにおいて選択できる治療法の一つになっています。

フィナステリドとミノキシジルの内服薬を組み合わせることも可能です。フィナステリドとミノキシジルを同時に使いたい場合は医師にご相談ください。

※ミノキシジルは、国内において頭皮に塗布する一般用医薬品として承認されています。内服薬としては未承認の医薬品であり、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※ミノキシジル外用薬のうち、含有量が5%より多いものは国内未承認です。

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デュタステリドとどう違うの?

フィナステリドは、デュタステリドと同じタイプの「5α還元酵素阻害薬」と呼ばれるAGA治療薬です。フィナステリドもデュタステリドも、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」において、男性型脱毛症に対し「推奨度A」とされています。

一方で、効果の強さや他の薬との飲み合わせなど、異なる点もあります。フィナステリドとデュタステリドの違いを表にまとめました。

 

フィナステリドとデュタステリドの違い

デュタステリドは先発品「ザガーロ」の有効成分で、ジェネリック医薬品も多く販売されています。フィナステリドとデュタステリドの効果や安全性については、個人差もあるため、常にこの表のようになるとは限りません。どちらの薬を使うかは医師の説明をよく聞き、相談して決めるとよいでしょう。

さらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

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オンライン診療のメリット

「フィナステリドを試してみたい」と考えている方には、オンライン診療がおすすめです。PCやスマホがあれば、スキマ時間に好きな場所から受診可能で、人目を気にする必要はありません。薬についても、DMMオンラインクリニックでは最短当日にお届けしています。

※医師の判断により処方できない場合があります。

よくある質問

フィナステリドに関してよくある質問をまとめました。

Q.フィナステリドに初期脱毛はある?

A.フィナステリド単独で初期脱毛が起こることはありますが、その程度は軽微です。添付文書にも「初期脱毛」という副作用は明記されていません。ただし、フィナステリドによってDHTが減少しヘアサイクルが正常化すると、休止期にあった毛が押し出され、一時的に抜け毛が増えたように感じることがあります。

また、ミノキシジルと併用している場合は、初期脱毛はミノキシジルによるものである可能性があります。
※初期脱毛はすべての方に起こるわけではありません。

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Q.服用をやめるとどうなる?

A.薬を飲むのをやめてしまうと、再び薄毛が進行してしまいます。指示通りにきちんと飲むようにしましょう。

Q.他の薬との飲み合わせは?

A.他の薬との飲み合わせに関しては特に気にする必要はありませんが、心配な方は医師に相談しましょう。

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Q.効果があらわれない場合は?

A.6ヶ月以上飲み続けても効果があらわれない場合は、医師に相談しましょう。作用メカニズムが異なるミノキシジルの内服薬や、フィナステリドより効果が強いデュタステリドならば期待する効き目が得られる可能性があります。

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フィナステリドの効果・副作用を理解して正しく治療を

フィナステリドは国内外のガイドラインで推奨されているAGA治療薬です。国内調査では副作用の発現率は943人中5人(0.53%)と低く、ジェネリックでも効果や安全性は変わりません。
「自分に合うか不安……」という方は、まずはオンライン診療で相談するのがおすすめです。医師のアドバイスを受けながら、安心して治療を始めてみましょう。

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