【疑問に医師が回答】「AGA治療を開始して4週間、抜け毛が増えたけど大丈夫？」
「薄毛が気になってAGA治療を始めたが、以前より抜け毛が増えたような気がする……。このまま治療を続けて大丈夫？」
「AGA治療に興味はあるけど初期脱毛が心配」
AGA治療に関して、こうした悩みをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。今回の記事では、AGA治療における初期脱毛について、医師の真壁先生に解説していただきました。
いわゆる「初期脱毛」とは？
AGA治療を開始して2週間から1カ月頃の間に、治療を開始する前と比べて抜け毛が一時的に増え、2カ月程度その症状が続く現象のことを「初期脱毛」といいます。
AGA治療を開始する前に初期脱毛について理解しておくことで、安心してAGA治療を始められたり、せっかく始めたAGA治療を自己判断で中断してしまったりすることを防ぐことができます。
初期脱毛についての正しい知識を身につけることは、AGAに悩む方にとって大切なことです。
初期脱毛が続く期間
先述の通り、AGAの治療を始めて約2週間から1カ月の間に初期脱毛が始まることが多いですが、1〜2カ月程度で収まります。長い人では3カ月以上続く場合もあります。
しかし、初期脱毛以外にも、たとえば治療の初期の段階で食生活が乱れたり、頭皮の環境が悪化して抜け毛が増えたりすることもあるので、期間は一概にはいえない部分もあります。
初期脱毛が起こるのは約3人に1人
初期脱毛は必ず全員に起こるというわけではなく、約3人に1人の割合で起こるといわれています。
一つ注意いただきたいこととして、「初期脱毛が起こらない＝AGA治療の効果がない」わけではありません。
じわじわと薬の影響を受けて徐々に抜け毛が増える人もいれば、明確に増える人もいます。初期脱毛には個人差があります。
初期脱毛で抜ける量について
治療開始前と比べると、抜け毛が約20%程度増えます。しかし、もともと抜け毛で神経質になっていたり、治療を開始して以前より抜け毛を気にするようになっていたりするなど、個人の感覚に依存する要素が大きいという考え方もできます。
髪の毛の全体の割合でいうと、1〜2割程度であることがほとんどです。深刻になりすぎないように意識しておくとよいかもしれません。
初期脱毛が起こる仕組み
初期脱毛は、AGA治療薬のミノキシジルとフィナステリド・デュタステリドの作用によって起こります。
髪の毛には、「成長期→退行期→休止期」というヘアサイクルがあり、AGAはその成長期が短くなって髪の毛がしっかり成長しないままどんどん抜けてしまう状態です。このヘアサイクルと初期脱毛は密接に関わっています。ミノキシジルとフィナステリド・デュタステリドそれぞれの薬で、初期脱毛が起こる仕組みについて説明します。
ミノキシジル
ミノキシジルはもともと血圧を下げる薬としてアメリカで開発された薬です。
毛根にある毛母細胞に直接作用して発毛を促す効果が見つかったため、現在はAGA治療に欠かせない薬になっています。
ミノキシジルが、直接、毛母細胞に作用することでヘアサイクルが改善し、休止期にあった毛が押し出されることで、抜け毛が一時的に増える初期脱毛が起きます。
フィナステリド・デュタステリド
体内にある男性ホルモンの一種であるテストステロンと、還元酵素の5αリダクターゼが結合するのを阻害することでジヒドロテストステロン（DHT）の発生を抑えるのが、フィナステリド・デュタステリドという薬です。
この薬によって、ヘアサイクルの成長期を改善することで新しいヘアサイクルへと移行するため、休止期にある毛が押し出され、初期脱毛が起こります。
初期脱毛が不安なら医師に相談を
まずお伝えしたいことは、初期脱毛が起こっているということはAGA治療の効果が出始めている可能性が高いので、動揺して自己判断で薬の服用をやめないほうがいいということです。
抜け毛が増えることで不安になるとは思いますが、その時は医師に相談してみてください。初期脱毛について正しい知識を得ることができたら、それは新しい髪の毛が生えてくるステップだとポジティブに考えられるようになるのではないでしょうか。
AGA治療は、ご自身が変わりたいという気持ちで踏み出した第一歩です。それは、人生を前向きにすごすための行動で、その一歩を踏み出せたのは大きなことだと思います。これまで出会った患者さんの中には「初期脱毛に悩んだけど、今思えば小さなことだったかもしれない。諦めずに治療を続けてよかった」と話す方もいます。
不安な時は一度、クリニックを受診されてみてはいかがでしょうか。医師はきっと、あなたの不安な気持ちに寄り添ってくれると思います。
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