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フィナステリド・プロペシアの通販は危険? 医師が考える安全なAGA薬入手法とは

2024/03/18
監修:三上 修

フィナステリド/プロペシアは、世界中でAGA(男性型脱毛症)治療に広く用いられている薬です。これらは薬局で市販されていないため、手に入れるには医療機関を受診し医師の処方を受ける必要があります。一方で、さまざまなリスクがある通販サイトを利用した個人輸入も行われている現状があります。

 

この記事では、フィナステリド/プロペシアを安全かつ便利に入手する方法をはじめ、通販で購入するデメリットやリスクについて詳しく解説します。

フィナステリドやプロペシアを通販で購入することができる

フィナステリドやプロペシアは、AGA治療を行う皮膚科や美容クリニック、AGAの治療を専門とするクリニック(AGAクリニック)などの医療機関で処方されています。先述の通り、医師の診察を受けることなく、通販サイトなどを利用し海外から個人輸入することも可能ではありますが、安全性の面でさまざまなリスクが存在しています。こうしたリスクについては後ほど詳しく解説します。

 

医療機関の受診は、移動や待ち時間などで予想外に時間がかかり、手間に感じることがあるかもしれません。そんなときは、オンラインクリニックを利用するという選択肢があります。オンラインクリニックでは、医師の診察を受けたうえで、薬を購入し、郵送で受け取ることが可能です。

フィナステリドとプロペシアの違い

フィナステリドという名称は、主に2つの意味で用いられています。1つは、AGA治療薬として日本で最初に発売されたプロぺシアの主成分名です。そして2つめは、プロペシアと同様の成分が配合された、同一効果と安全性が認められているジェネリック医薬品のことです。この記事では主に、後者であるジェネリック医薬品の名称としてフィナステリドという言葉を用います。

 

ジェネリック医薬品であるフィナステリドと先発医薬品のプロペシアは同じ効果が期待でき、抜け毛の原因となる男性ホルモンの一種である「ジヒドロテストステロン(DHT)」の産生を抑制することで、薄毛の進行を防ぎます。さらに、フィナステリドは、先発医薬品であるプロペシアよりも費用が安く、コストを抑えてAGA治療ができるというメリットがあります。

オンラインで診察から購入まで可能

フィナステリドやプロペシアを購入するには医師の診察が必要で、効果が出るまで少なくとも6カ月以上、長ければ年単位での治療の継続が必要となります。比較的長期にわたり、何回も対面で受診することが時間的に難しい場合もあります。その場合、オンラインクリニックを利用するという選択肢があります。

 

AGAのオンライン診療は一般的には下記の流れで行われます。クリニックへの移動時間や待ち時間がかからないのがメリットです。

 

①ホームページから診療メニューと日時を予約する

②前もって問診票を記載する

③医師によるオンライン診療を受け、治療方針が決定

④数日で薬が自宅へ配送され、治療開始

⑤(再診日の予約)

フィナステリドやプロペシアを通販で購入しても大丈夫?

フィナステリドやプロペシアを国内・海外の個人輸入の通販サイトで購入することは可能です。しかし、医師の診察なしに購入できる通販サイトの薬は偽造薬の可能性があります。自己判断で服用するのは避けた方がよいでしょう。偽造薬は厚生労働省から認可を受けていないため、安全性や信頼性が低くおすすめできません。

通販で購入するメリット

通販でフィナステリドやプロペシアを購入するメリットは下記が考えられます。

・安価に薬が手に入る

・手軽に自宅から注文できる

・誰にも会わずに薬が手に入る

 

ただし、これらのメリットは、オンライン診療でも同等程度得られます。オンライン診療は自宅や好きな場所で診療を受けることができ、待ち時間などのストレスもありません。24時間いつでも予約可能ですので、思い立った時に予約ができるのもポイントです。受診料も安く抑えられ、処方薬が自宅に直接届きます。さらに、ほかの患者さんと接触しないため、人に受診を見られる可能性がなく、感染症が流行している時期であっても感染リスクがないのも大きなメリットです。

通販で購入するデメリット

一方で、通販(個人輸入)で薬を購入することにはたくさんのデメリットが考えられます。

 

・薬の信頼度が低い(偽造薬の可能性がある)

・副作用に対する救済制度がない

・適切な用法用量が守られない可能性がある

・健康被害を受ける可能性がある

 

そもそも、送られてきた薬の中身が本物かどうか、記載通りの容量か、不適切な材料や添加物を使用していないかなど、薬の安全性についてまったく保証がありません。信頼できる薬を購入するという点を重視するのであれば、やはり医療機関を受診することが確実です。

 

また、用法・用量の決め方がわからなかったり、万が一副作用などが起こったりした場合でも、自己責任となります。かえって健康を害することにもなりかねません。

フィナステリドやプロペシアは医師に処方してもらうのがおすすめ

フィナステリドやプロペシアを購入する場合は、医師に処方してもらうことを強くおすすめします。その理由は下記の3点です。

 

・品質が保証された治療薬である

・内服可能かどうか事前に医師のチェックがある

・副作用の相談ができ、救済制度がある

 

それぞれ詳しくみていきましょう。

品質が保証された治療薬である

多くの通販サイトがAGA治療薬を低価格で提供しています。しかし、これらは海外から大量かつ安価に輸入したもののケースがあり、有効成分の含有量も保証されていない偽造薬である可能性があります。偽造薬の場合、含有成分の情報にも信憑性がありません。この点については、厚生労働省から注意喚起もされています。

 

フィナステリド・プロペシアは国内でも承認されている、医師の処方箋が必要な医薬品です。安易な個人輸入は行わず、必ず医療機関を受診し、医師の処方を受け正しく服用することをおすすめします。

内服可能かどうか事前に医師のチェックがある

オンライン診療などでは処方前に既往歴を確認します。有効成分であるフィナステリドは肝臓で分解されるため、肝機能障害がある方は内服に注意が必要です。また、女性や20歳未満の男性に対しては、効果や安全性が確認されていません。特に妊娠中の女性がフィナステリドの有効成分を摂取すると、胎児の生殖器の発育に影響を及ぼす可能性があります。こうしたさまざまなリスクを十分に考慮したうえで、医師による適切な処方がなされます。

副作用の相談ができ、万が一の救済制度がある

フィナステリド・プロペシアの効果を実感するには、少なくとも約3-6カ月の服用が必要といわれています。この間に性欲減退、勃起機能障害(ED)などの男性機能低下、肝機能障害、倦怠感、食欲低下、気分の落ち込みなどの副作用が起こる可能性があります。内服期間が長くなると体が慣れてくる場合もありますが、このような副作用を減らすための工夫を医師に相談することができます。

 

また、国内で承認されたフィナステリド・プロペシアを、用法・用量を守って服用して甚大な健康被害が生じた場合は「医薬品副作用被害救済制度」の対象となります。医薬品を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほど重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を請求することで、救済給付を受けられます。一方で、偽造薬の可能性がある海外製の薬を個人輸入で購入した場合は、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。

AGA薬を購入する場合はオンラインクリニックが安心

AGA治療薬であるフィナステリドやプロペシアを購入するためには、病院やクリニックで診察を受ける必要があります。もし時間や手間を減らしたい場合は、オンライン診療のサービスを利用することも可能です。

 

オンライン診療では、スマートフォンやパソコンを通じてどこからでも診察を受けられ、薬が直接自宅まで届けられるため、外出する必要がありません。一方で、医療機関を通さない通販での購入は、偽造薬のリスクがあるため注意が必要です。医師から処方された薬を使用することで、副作用に対する適切な対処や万が一の場合必要な救済措置を受けることができます。安全性と信頼性を確保するためにも、医師の診察を受けたうえで購入することをおすすめします。

出典

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