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コラムカテゴリ男性AGA

デュタステリドとは? 効果や使用法を医師が解説

2023/10/30
監修:三上 修

デュタステリドは、AGA(男性型脱毛症)の治療薬です。
薄毛の進行が気になり、デュタステリドの服用を検討している方もいるかもしれません。

 

今回の記事では、DMMオンラインクリニックの提携先医療機関で診療を行っている医師、三上先生にデュタステリドの効果や使用法について医師に解説していただきました。

AGAの処方薬の種類

AGA(Androgenic Alopecia:男性脱毛症)の処方薬は、その目的によって大きく3種類に分けられます。

脱毛予防の薬

・デュタステリド(商品名:ザガーロ)
・フィナステリド(商品名:プロペシア)

どちらも内服薬で、脱毛の原因となる男性ホルモンの一種、ジヒドロテストステロン(DHT)をできるだけ作らせないようにするのが、これらの薬の作用です。
デュタステリドとフィナステリドの違いについては後述します。

発毛作用を期待する薬

・ミノキシジル

ミノキシジルには外用薬、内服薬の両方があります。
毛包に直接作用する外用薬は、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進させることによって発毛作用を促します。

内服薬は日本でも未承認ですが、医師の診察や判断のもと、副作用に注意しながら処方を行うAGAクリニックも増えてきています。

ミノキシジルについては以下の記事も併せてご確認ください。
ミノキシジルの効果と副作用 外用薬と内服薬の違いも解説

その他、頭皮環境を整えるもの

・サプリメントや育毛トニックなど

サプリメントに含まれている成分は亜鉛やリジン、ビタミン剤など。AGAの内服薬や外用薬のサポート的な役割で、頭皮環境を整え、髪の毛が生えやすいように調整します。同じように、さまざまな種類の育毛トニックもあります。

サプリメントは処方薬ではなく健康食品扱いで市販されており、処方薬に比べると自由度も高いでしょう。

デュタステリドの特徴

今回の記事では、AGA処方薬の中でも、デュタステリドについて詳しく説明します。
デュタステリドはひとことでいうと「薄毛や脱毛につながる酵素作用をブロックする薬」です。

男性ホルモンはヒゲや胸毛などの毛を濃くする作用がありますが、その中に「テストステロン」と呼ばれる代表的な男性ホルモンがあります。
これが体内の還元酵素「5αリダクターゼ」と結合すると、より活性の高い「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。この「ジヒドロテストステロン(DHT)」が、頭皮の毛の細胞に働きかけることで、薄毛や脱毛を引き起こします。

この「ジヒドロテストステロン(DHT)」をできるだけ少なくすることが、脱毛予防につながります。デュタステリドはできるだけ「ジヒドロテストステロン(DHT)」を作らないようにする薬です。

フィナステリドとの共通点と違い

デュタステリド同様、AGA処方薬のひとつであるフィナステリドも、基本的には同じ作用の薬です。
ただ、体内の還元酵素「5αリダクターゼ」の受容体には2種類あり、そのうちのひとつに作用するのがフィナステリド、両方に作用するのがデュタステリドです。この2つの薬はガイドライン上は同列で、それそれの医師の考えに応じて使い分けられています。

どちらも男性型脱毛症の薬として世界中たくさんの国で承認が得られており、日本でも承認されています。
デュタステリドはカプセル、フィナステリドは錠剤タイプで、どちらも1日に1回内服します。

デュタステリドの効果とメカニズム

デュタステリドは、脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」が作用しないよう、「5αリダクターゼ」という還元酵素をブロックします。

脱毛の原因となる「ジヒドロテストステロン(DHT)」をできるだけ作らせないようにする、というのがデュタステリドの効果です。

デュタステリドの副作用

デュタステリドの副作用については、今のところ大きな問題は報告されていません。
一般的に、薬の副作用のデータはさまざまですが、市販後の成績調査結果が信頼性の高い情報と考えられています。今回もこの成績調査を元にしてお伝えします。

デュタステリドの使用成績調査の4320例の中で、報告された副作用は68例でした。
これは、発現頻度1.57%ということになります。
重篤な副作用は見られていません。


では、具体的にどのような副作用があるのかを以下にまとめます。
・リビドーの減退 0.21% (泌尿器科的な問題ではなく精神的な要因)
・ED(勃起不全) 0.19%
・リビドーの障害 0.12%(泌尿器科的な要因)

副作用というのは、薬を投与していた期間に出た有害事象を指します。
実際にその薬とその事象に直接関係があったのかについては、確実ではありません。
デュタステリドの副作用は、確率としては1000人に2人くらいのレベルなので、あまり大きな問題ではないといえます。


これ以外にも、精液量の減少や性機能障害も報告がありますが、確率としてはかなり低い値です。
また、デュタステリドは肝臓で代謝される薬なので、肝機能障害ある場合は使わないという前提があり、肝臓障害もほとんど報告されていません。
抑うつ、射精障害の報告も聞きますが、かなり低い数字です。


ただ、特に壮年期、若年の方には、デュタステリド処方の際に「もし性機能障害が出たらどう対処するか」について、医師としてしっかり伝えるべきだと考えています。
薬を休止する、ED薬を投与するなどの選択肢があります。

AGAの治療にかかる期間と費用相場

デュタステリドなどの薬を使用する場合、AGA治療にはどのくらいの期間と費用がかかるのかについて、解説します。

治療期間

治療については、数カ月もしくは数年単位の期間が必要です。

デュタステリドやフィナステリドでは、最初の2カ月ほどで「初期脱毛」という現象が起こります。現状より一時的に髪の毛が少なくなりますが、3カ月目以降から徐々に増えていきます。
その後は、どこまで増やしたいのか、もともとどの程度薄毛が進行していたのかによって、6カ月飲み続けるのか、1年飲み続けるのかなど判断することになりますが、これはそれぞれの患者さん次第です。

「初期脱毛」をわかりやすくいうと、新しい髪の毛を生やすために、寿命が短い髪の毛や弱い髪の毛が抜けるという現象です。
ここで断念すると、髪の毛が少なくなるだけで終わってしまうので、中断しないようにと患者さんにはお伝えしています。

「初期脱毛」には個人差もあります。
しかし、どの段階で薬の効果を実感したかについてのアンケート結果では「3カ月」という回答が最も多かったので、少なくとも3カ月は薬を続けてほしいと思います。

実際に治療中の患者さんには、「半年ほどで効果を実感したけど少し使いたい」というケースが多く、3〜4年飲み続ける方もいます。
6カ月薬を飲んで、3カ月休止し、また6カ月薬を飲んで3カ月休止という周期で治療されている患者さんもいます。

費用相場

AGAの投薬治療は自由診療のため、クリニックによって治療費に幅があります。一般的に、オンライン診療の方が対面診療よりもやや安くなる傾向にあるようです。

※DMMオンラインクリニックの料金はこちら

AGA治療の金額にはかなりばらつきがあり、高額なクリニックでは付加価値として、対面診察で顕微鏡を用いて頭皮をチェックしたり、血液検査でホルモンのチェックをするなどの金額が含まれていると考えられます。
そういった検査がどこまで必要なのかについては、それぞれの医師の考え方にもよるので、納得された上で治療を始めましょう。

注意点としては、年額で支払い、途中で解約できない場合があります。
副作用などで治療が続けられなくなった場合のことを、事前に確認しておくとよいと思います。
納得するまで十分な説明を受けてからの契約が必須です。

デュタステリドにまつわるQ&A

その他、デュタステリドについてよくある質問をまとめました。

Q①:飲み合わせの悪い薬はある?

デュタステリドは肝臓の酵素によって代謝される薬です。同じルートで代謝される他の薬を飲んでいる場合、代謝まで時間かかることもあるので気をつけてください。

一般的な頭痛薬や風邪薬との飲み合わせは問題ないでしょう。

Q②:女性でも服用できる?

女性のデュタステリド服用は禁忌となっています。

デュタステリドには「ジヒドロテストステロン(DHT)」をできるだけ作らないようにする作用がありますが、女性ホルモンの中には、この「ジヒドロテストステロン(DHT)」はごくわずかしかありません。

女性の脱毛のメカニズムはAGAとは異なるので、デュタステリドの服用には効果がないことがわかっています。

特に、妊婦または妊娠している、授乳中などの場合には注意が必要です。
というのも、動物試験の結果、オスの胎児に対して生殖器の男性化が起こりにくいことが報告されています。
経皮吸収の可能性もあるので、デュタステリドを直接触らないように気をつけましょう。

Q③:ミノキシジル外用薬との併用の効果は?

デュタステリドは脱毛予防、ミノキシジルは増毛促進とそれぞれのメカニズムが違うので、併用することで「守りと攻め」になり、より効果が期待できます。

かなり薄毛が進行していて、最高の治療を始めたいというご意向で、デュタステリドとミノキシジル内服薬、育毛トニックという組み合わせを選択する患者さんもいます。

デュタステリドは脱毛の原因を作らせないための薬

デュタステリドは、脱毛の原因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」をできるだけ作らせないようにする薬です。
副作用も大きな問題は報告されていないので、世界中でAGA治療に使われています。

使用法もシンプルで一定の効果も期待できる薬ですが、使用の際は必ず医療機関を受診しましょう。

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