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ミノキシジルの効果と副作用 塗り薬(外用薬)だけで良い?

2024/06/19
監修:三上 修

ミノキシジルは、男性型脱毛症(AGA)の代表的な治療薬です。外用薬はOTC薬として薬局でも販売されていますが、医療機関では有効成分がより高濃度の外用薬や内服薬が処方されることがあります。

今回はミノキシジルがどんなAGA治療薬なのか、また薬局で販売されるOTCと医療機関で処方されるミノキシジルの違いについて紹介していきます。

ミノキシジルとは?

ミノキシジルは、AGA治療薬の中でも以前から使われてきた実績のある薬です。このパートでは、AGA治療薬としての歴史と作用メカニズムについて解説していきます。

ミノキシジルは世界で初めて効果が認められたAGA治療薬

ミノキシジルは、米国において高血圧治療薬として1970年代より使用されてきた実績のある薬です。高血圧治療薬としての臨床試験中に多毛症という副作用が多く出現することが分かり、それを逆手に発毛剤として活用できないか、という視点で開発されました。

ミノキシジル外用薬は、FDAが初めてAGA治療薬として承認し、日本では1999年にダイレクトOTC第1号として発売開始されました。

医療用医薬品(医師の管理下で使用できる薬)として未承認であった新規有効成分が、一般用医薬品(薬局で医師の診察なしに購入できる薬)として直接承認される薬のこと

ミノキシジルの作用メカニズム

高血圧治療薬として開発されたミノキシジルですが、なぜAGAに対して効果があるのでしょうか。ここでは、AGAで髪の毛が薄くなるしくみと、ミノキシジルがどのようにAGAを改善するかについて説明します。

AGAにおけるヘアサイクルの変化

毛髪はその周期の中で定期的に生え替わるようにできており、以下のプロセスが存在します。

  • 髪が伸びる「成長期」
  • 成長が止まる「退行期」
  • 脱毛の準備が進む「休止期」

このプロセスをヘアサイクルと呼びます。ヘアサイクルには個人差がありますが、1サイクル2~6年と考えられています。AGAではこのサイクルのうち、毛髪が成長する成長期の期間が短くなり、休止期が長くなります。休止期が長くなると、毛穴(毛包)が小さくなり、一本一本の毛が細くなります。

■ヘアサイクル(イメージ図)null

ミノキシジルの作用メカニズム

ミノキシジルの発毛に対する作用メカニズムはまだ十分には解明されていませんが、以下のようなメカニズムが考えられています。

【1】毛包の活性化による発毛促進
ミノキシジルは、毛髪の根元にある毛包に直接作用します。これにより毛包が活性化され、休止期から成長期への移行が進み、発毛を促進します。

【2】血管拡張作用による頭皮への血流増加
また、頭皮の毛細血管を拡張させることにより血流量が増加し、毛包に発毛に十分な栄養や酸素を供給することにより、発毛を促します。

【3】成長期の維持、休止期脱毛の減少
成長期が長くなり休止期が短くなると、毛包は再び大きくなります。毛髪の太さも戻り、しっかりとした髪の毛が増えてきます。

治療せずに放置すれば、毛包は完全になくなってしまい、発毛しなくなります。そのため、毛包が消失しないうちに治療を開始することが望ましいといえます。

ミノキシジルの効果と安全性

 

ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、外用薬は有効成分の濃度が違うものがあります。また、外用薬と内服薬では、効果の表れ方や安全性が異なります。ここでは、外用薬と内服薬にわけて、ミノキシジルの効果と安全性について紹介します。

ミノキシジル外用薬

ミノキシジル外用薬は、日本では通常ミノキシジル1%(主に女性)及び5%(主に男性)が発毛剤として用いられています。使用方法は「1回1mLを1日2回塗布する」となっています。医療機関で医師の診察を受けることにより、OTCの5%より高濃度の10〜15%製剤を使用することもできます。

ミノキシジルは一般的に、使用後3ヵ月から効果が表れはじめ、6ヵ月くらいの使用が必要とされています。ただし、使用をやめると元の状態に戻ります。

副作用としては以下のようなものが報告されています。

ミノキシジル外用薬の副作用

よくみられる副作用は“皮膚症状”で、発生率は2〜14%と報告によってさまざまです。赤みやかゆみ、かぶれなどの症状が出た場合はすぐに使用を中止し、医師に相談することが必要です。

過去にミノキシジルを使って発疹などが出た方は、ミノキシジルを使用できません。ミノキシジルを使ったことがなくても、ヘアトニックなどで発疹やかぶれが出たことがある場合は、事前に医師に申し出るようにしましょう。

また、円形脱毛症などAGA以外の脱毛の可能性がある方、心臓や腎臓に病気がある方、65歳以上の方は、使用する前に医師に相談しましょう。

ミノキシジル内服薬

ミノキシジルには内服薬もありますが、日本や米国をはじめ、AGA治療薬としては認可されていません。高血圧治療に使われる場合は成人で1日の最大用量は100mgとされていますが、AGA治療では1日2.5〜5mgが使用されています。

内服薬でよくみられる副作用は多毛症です。また、低血圧や頻脈などの心血管系の副作用が起こる可能性がありますので、注意が必要です。高血圧の治療で降圧剤を服用している方は、AGAで受診する際に必ず服用中の医薬品名を医師に伝えましょう。

個人輸入で入手して試してみたいと考えている方もいると思いますが、有効性・安全性の観点から、さまざまなリスクを伴います。心血管系の副作用は命に関わることも多いため、医師の診察のもとでの適切な使用が望ましいと考えられます。

なお、以下の場合はミノキシジル内服薬を使用できません。

  • 褐色細胞腫と診断された方
  • 過去にミノキシジルを使って発疹などが出た方

また、内服薬についても、円形脱毛症などAGA以外の脱毛の可能性がある方、心臓や腎臓に病気がある方、65歳以上の方は、使用する前に医師に相談しましょう。

※DMMオンラインクリニックの提携医療機関では、75歳以上の方へのAGA診療はできかねます。また、65歳以上の方には処方できない治療薬を取り扱っています。予めご了承の程お願いいたします。

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初期脱毛(ミノキシジル使用開始時の脱毛)とは?

初期脱毛はミノキシジル使用開始時に一時的に脱毛が増加することです。初期脱毛の発生率については、外用薬で17.5%、内服薬で32%と報告されています。

初期脱毛は一時的な症状であり、落ち着けば効果が表れてきますので、あわてずしっかりと治療を続けることが大切です。

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ミノキシジルにまつわるQ&A

 

最後にミノキシジルによるAGA治療に関して、よくある質問をまとめましたので、参考にしてみてください。

Q.外用薬だけでも薄毛治療はできる?

A.外用薬は内服薬に比べて効果の表れ方がゆるやかです。同じく推奨度Aのフィナステリド、デュタステリドの内服と併用することで、より高い発毛効果が期待できます。

なお、「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」においても、ミノキシジル外用薬は推奨度A(強く勧める)となっています。

Q.ミノキシジルの服用をやめるとどうなる?

A.ミノキシジルを使って薄毛が改善されても、AGAが治ったわけではありません。

治療を中止すれば、その時点から脱毛症は進行していきます。発毛効果を期待する場合は、服用を続ける必要があります。

Q.ミノキシジルの使用に注意が必要な人はいる?

A.下記に該当する方は注意が必要です。

  • 過去にミノキシジルアレルギーを起こしたことがある方
  • 未成年者
  • 妊娠・授乳中の方
  • 妊娠を考えている方
  • 循環器系の疾患がある方
  • 腎臓、肝臓に異常がある方

また、内服薬に関しては、併用する場合に注意が必要なお薬もあります。

  • ED治療薬
  • イブプロフェン(市販の風邪薬にも含まれる成分)
  • イミグラン(偏頭痛薬)など

上記のお薬を服用する際は、必ず事前に医師に相談をしましょう。

ミノキシジル内服薬は医師に相談

ミノキシジル外用薬は、日本では1999年より発毛剤として使用され、多くの使用経験があることから安全性の高いAGA治療薬です。

一方、ミノキシジル内服薬は体の内側から発毛を促すことが期待されますが、日本では未承認で発毛剤としての使用経験も少なく、心血管系の副作用の心配もあります。使用する場合は医療機関で診察を受け、医師の管理下で適切に治療するようにしましょう。

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