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コラムカテゴリ男性AGA

HARG(ハーグ)療法の概要と注意点を医師が解説

2024/04/08
監修:三上 修

この記事では、男性型脱毛症(AGA)の治療法の一つであるHARG(ハーグ)療法について、医師の三上先生にお話を伺いました。HARG療法の概要や注意点などについて解説します。

HARG療法とは

HARG療法とはどのような治療法なのでしょうか。作用や方法についてお伝えします。

HARGとは

HARG療法の「HARG」は、Hair Re-generative therapyの頭文字から取っており、「毛髪再生治療」という意味です。

再生医療においては、人間の幹細胞を使ったさまざまな治療法が模索されています。AGA治療のためのHARG療法は、幹細胞から抽出される成長因子の注入を中心に成り立っています。

HARG療法の作用

頭皮に直接、幹細胞から抽出された成長因子を注入し、毛髪の再生を促すのがHARG療法です。HARG療法で主に用いられるAAPEパウダーには、150種類以上の成長因子が入っています。この成長因子を頭皮に直接注入することで、毛包をよみがえらせ、毛母細胞を刺激して増殖を促すことで、発毛効果が期待できます。

休眠している毛包や死滅しかけている細胞にも働きかけ、再生を促して髪の毛を増やしていきます。

HARG療法の注入法

HARG療法には、主に3つの注入方法があります。

①全身麻酔を行っての施術。患者さんが痛みを感じないというメリットがあります。

②U225(メソガン)という新しいタイプの注入器を使う方法。非常に細い針で製剤を注入するので、痛みが軽減され麻酔なしでもほとんど痛みを感じません。

③MEDJET(メドジェット)を使用する方法。炭酸ガスの噴射による圧力で、30ミクロンの穴から薬剤を皮膚の中に散布します。針を使わないので痛みも感じず、麻酔も不要です。

HARG療法とメソセラピーの違い

HARG療法とメソセラピーの違いについて解説します。

メソセラピーとは

皮膚から1〜2ミリほどの深さまで針を刺し、有効成分を直接、頭皮に注入するAGA治療の一種です。注入するのは、AGA治療薬の成分や、発毛・髪の成長を促す成長因子、頭皮環境を整えるためのビタミンやミネラルなど、クリニックによってさまざまです。

注入する成分が違う

HARG療法とメソセラピーには「直接注入する」という共通点がありますが、注入する薬剤が異なります。HARG療法では、主に幹細胞から抽出された成長因子が150種類以上入っているAAPEパウダーを使用します。

HARG療法の成分

HARG療法に用いられるAAPEパウダーの成長因子に含まれている成分には、大きく分けて以下の4つの作用があります。

・血管の血流を活性化させる

・毛包が成長し、元気になることでの発毛促進や脱毛予防

・毛母細胞を増殖させる

・頭皮の環境を改善させる

 

それぞれの成長因子には、以下のような効果を推測することができます。

・PDGF(血小板由来成長因子

血管新生を促進する。細胞死が起こった毛包周辺に新たに血管ができた際、その周辺に栄養が行き渡ることで発毛促進が期待できる。

・FGF-7(繊維芽細胞成長因子7)

KGF(角質細胞増殖因子)とも呼ばれる。毛母細胞の増殖や分裂を促し、毛髪を成長させる。

・VEGF(血管内皮細胞増殖因子)

成長期の毛包周辺における血管新生を促進する。

・HGF(肝細胞増殖因子)

休止期の毛包を成長期に誘導する働きがある。

HARG療法のリスクと注意点

HARG療法での大きなリスクについては、目立った例は報告されていません。一般的な注射器や注入機器による痛みが生じる可能性はありますが、重篤な副作用は報告されていません。

注意点として、治療後に施術部位からにじむ程度の出血が見られることがあります。しかしこれは注射によるものなので大きな心配はありません。ただし、治療後1週間は髪のカラーリングやパーマは避けてください。

必要な費用と期間

HARG療法の費用や期間については以下の通りです。

費用

各クリニックや治療内容によって料金は異なりますが、相場は1回10万円〜20万円ほどとなっています。1カ月に6回の施術をする計算で考えると、月額にすれば60万円〜120万円ほどかかることになります。

期間

HARG療法は、症状や状態にもよりますが、基本的には1カ月に6回の施術が1クールとなっています。一般的には6クールで終了し、その後は改善した状況を維持するために、内服薬や塗り薬などを使うことが多いようです。

新しい治療法なのでクリニックで相談を

HARG療法は比較的新しい治療法ということもあり、まだ目立った副作用は報告されていません。一方で治療効果についてのエビデンスが少なく、有効性が十分に検証されていないこともあります。また、HARG療法を行う場合も、原則としてAGA治療薬との併用になります。日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で示されている通り、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった内服薬や外用薬がAGA治療の第一選択となるでしょう。

AGA治療には個人差があります。気になる方は一度クリニックで医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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