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コラムカテゴリ男性AGA

AGA治療薬によって体毛が濃くなる? 原因と対策を解説

2024/04/30
監修:三上 修

AGA治療薬のうち発毛を促すミノキシジルには、体毛が濃くなる副作用があります。AGA治療を始めて、濃くなっていく体毛に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。この記事では、体毛が濃くなる原因に加えて、ミノキシジル内服薬から外用薬への切り替えや減量、中断などの対策を解説します。AGA治療を使用して気になっている方は参考にしてみてください。

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AGA治療薬は大きく2種類に分けられる

AGA(男性型脱毛症)治療薬は、大きく2種類に分けられます。抜け毛を防止する薬と発毛を促す薬です。それぞれの治療薬を毛が生えかわるための「毛周期」と合わせて紹介します。

抜け毛を防止する

AGA治療薬の一つに、抜け毛を防止する薬があります。代表的な薬は、フィナステリドやデュタステリドです。

毛が生えかわるために、成長期・退行期・休止期からなる「毛周期」があります。成長期には「毛母細胞」と呼ばれる毛の元になる細胞が増え、毛が伸びます。退行期には、毛母細胞がアポトーシス(死滅)し、毛の成長が止まります。休止期から次の成長期に古い毛が抜けて、新しい毛にかわるのです。

AGAの原因の一つは、テストステロン(男性ホルモン)よりさらに活性が高い「ジヒドロテストステロン(DHT)」です。DHTの働きによって、毛母細胞の増殖が抑制されて、成長期が短くなるとされています。つまり、DHTの作用で毛が抜けていきます。フィナステリドやデュタステリドによって、DHTの産生が減り、成長期の短縮を防ぐことで、抜け毛を防止します。

発毛を促す

AGA治療薬には発毛を促す薬もあります。代表的な薬はミノキシジル(外用薬・内服薬*)です。ミノキシジルのさまざまな作用によって発毛を促します。考えられている主な作用は次のとおりです。

  • 毛乳頭細胞増殖作用
  • 毛母細胞アポトーシス(死滅)の抑制
  • 毛組織の血流改善作用

ミノキシジルは、上記の働きによって毛周期の「成長期」期間を延長し、発毛を促しています。

*ミノキシジル内服薬は、国内では未承認薬です

体毛が濃くなるのは発毛を促すから

ミノキシジルは発毛を促す一方で、体毛が濃くなる副作用があります。ミノキシジルの歴史を振り返ると、ミノキシジルは血圧を下げる薬として米国で承認されており、副作用として「多毛」を発現したことから発毛剤として開発されました。

ミノキシジルには外用薬と内服薬の2種類があり、それぞれ解説します。

ミノキシジルの外用薬

ミノキシジル外用薬は脱毛している頭皮に直接塗布して使用します。ミノキシジルが作用する部分は限られているため、体毛が濃くなる副作用も限られた部分で起こる可能性が高いです。

ミノキシジルの内服薬

ミノキシジル内服薬は体内で吸収されたのち、血液で全身に運ばれます。つまりミノキシジルが全身で作用するため、さまざまな部分の体毛が濃くなる可能性があります。また、どの部分の体毛が濃くなるかは服用する人によってそれぞれ異なるでしょう。

ミノキシジルによって体毛が濃くなったときの対処法

ミノキシジルを使用して、体毛が濃くなったときの主な対処法は以下の2点です。

  1. ミノキシジルの使用量を減らすか、休薬する
  2. 気になる部分の手入れをする

それぞれ解説していきます。

使用量を減らすか休薬する

  • ミノキシジル内服薬を使用している場合

内服薬の使用量を減らす、もしくは内服薬を中止して外用薬へ切り替える

  • ミノキシジル外用薬を使用している場合

決められた使用方法・使用量(用法・用量)を守る
用法・用量どおりに使用している場合は、医師や薬剤師に相談し、使用方法を変更する

ただし、ミノキシジルの使用量を減らしたり、一旦中止したりすると、脱毛が進む可能性もあります。医師の指導の下、メリット・デメリットを検討して判断しましょう。

気になる部分の手入れをする

ミノキシジルを使用して体毛が濃くなったときには、気になる部分の手入れをすることも一つの対策です。以下のような一般的な手入れと同じ方法が選べます。

  • カミソリで剃る
  • 毛抜きで抜く
  • 脱色して目立たなくする
  • 脱毛する(医療脱毛・美容脱毛)
    ※ミノキシジル内服中に医療脱毛を行う場合、脱毛効果が薄れてしまう可能性があります

いずれの方法も肌に負担をかけますので、保湿などのケアを行うことをおすすめします。

体毛が濃くならないためのミノキシジル外用薬の使い方

体毛が濃くならないためのミノキシジル外用薬の使い方の具体例を2点紹介します。

  1. ミノキシジル外用薬の薬液が顔や首筋に垂れないようにする
  2. ミノキシジル外用薬の薬液がついた手で体を触らない

外用薬のメリットは、限られた場所に作用することです。しかし、薬液が垂れてしまったり、薬液がついた手で他の部分を触ってしまったりすると、薬液がついた部分の毛が濃くなってしまう可能性があります。外用薬のメリットを活かすためにも、上記2点は特に注意しましょう。

ミノキシジルとフィナステリドの併用は可能

AGA治療において、発毛を促すミノキシジルと抜け毛を防止するフィナステリド/デュタステリドを併用することで高い効果を期待する方もいるのではないでしょうか。この章では、ミノキシジルとフィナステリド/デュタステリドの併用は可能であることに加えて、併用するメリットとデメリットを紹介します。

併用するメリット

ミノキシジルとフィナステリド/デュタステリドを併用することは可能です。発毛を促すミノキシジルと抜け毛を防止するフィナステリド/デュタステリドを併用することで、ミノキシジル単剤で使用するよりも高い効果が得られたと報告されています。当研究では、男性のAGA患者100名を以下の4パターンの治療方法に分け、検討しています。

  • フィナステリドを内服
  • フィナステリド内服とミノキシジル外用薬を併用
  • ミノキシジルを単独投与
  • フィナステリドとその他の治療薬の併用

結果、ミノキシジル単独投与よりもフィナステリド単独またはミノキシジルを併用したほうが有効性が高かったと報告されています。

併用するデメリット

ミノキシジルとフィナステリド/デュタステリドを併用するデメリットは、副作用に注意しなければならないことです。

ミノキシジル内服薬は国内では認可されておらず、医師が診断・処方した場合にのみ利用することができます。現在、ミノキシジル内服薬は多くのAGAクリニックで処方されていますが、先述の通りミノキシジルは血圧を下げる薬であるため、血圧の低下や動悸、むくみなどが起こる可能性があります。心臓や血管などの循環器系に持病のある方は、予め医師に相談しましょう。ミノキシジル外用薬は、頭皮の発疹・発赤やかゆみ、かぶれなどの副作用に注意が必要です。

AGA治療中に気になることがあったらすぐに医師に相談を

AGA治療薬において、抜け毛を予防するフィナステリド・デュタステリドと発毛を促すミノキシジルについて解説しました。発毛を促すミノキシジルは、多毛の副作用があり、気になる場合には内服薬から外用薬への切り替えや減量・休薬などの対応が必要です。ただし、自分で判断せずに、使用量を減らしたり、休薬したりしたい場合は医師に相談しましょう。

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