【医師による実例解説】AGA薬の通販は安全？危険？　オンラインクリニックという選択肢も

AGA薬を通販で購入する場合、個人使用目的であれば厚労省の許可は不要で、海外通販サイトや代理店を介して手に入れることができます。ただし、製造元や成分の透明性に欠け、品質や安全性が疑わしい場合があります。また、医師の診察が行われないため、適切な使用方法や副作用のリスクを確認できません。そのため、通販での購入は自己責任となります。信頼できる販売元や製造元を選び、可能であれば医師の指導の下で使用することが大切です。

オンラインクリニックでの処方は、近年一般的な選択肢となりつつあり、心理的ハードルも下がってきています。通販で個人購入するのと同等ぐらいの金額で、安心して治療を受けることができます。さらに、クリニックによりさまざまなプランが提供されており、個々の症状やニーズに合わせた最適な治療法を選択することができます。

対面で診療を行うAGA専門のクリニックでは、医師が直接頭皮の状態を診察し、精度の高い治療を提供します。外科的治療も可能で、患者に専門的な治療プランを提案します。ただし、多くの場合、内服薬や外用薬で対応可能なため、通院の手間や時間を考えると悩ましい面もあります。

一般の医療機関でAGA治療薬を処方してもらうことも可能です。医療機関にもよりますが、そのほかの脱毛の病気の診断や、薬の副作用に対応できる可能性が高い点はメリットであるといえます。しかし一般の医療機関は保険診療内での治療となり、「臨床試験で効果が出ているが保険適応となっていない薬」を処方してもらうことができないというデメリットもあります。

通販サイトを利用することで、安価にAGA薬を手に入れることができます。処方箋不要で自宅から簡単に注文できるため、待ち時間や通院の手間を省くことができます。

医療機関での処方と比較すると、医師の診察がないため、患者は自己判断で内服薬や外用薬を服用することになります。これは、間違った治療薬を選択したり副作用が起こったりする可能性を高めます。さらに、通販サイトから入手できる薬は内容物の安全性が不透明で、偽造薬の懸念があります。加えて、医師の指導がないため薬の安全性を担保できないという問題もあります。

オンラインクリニックでは、自宅からビデオ通話や電話を通じて医師による診察や処方が受けられます。処方された薬は配送で受け取ることができ、通院の必要がありません。忙しい人にとってとても便利な方法といえるでしょう。

また、スマホアプリを通じて服薬管理や次回の診療予約が可能な場合もあり、スケジュール管理が簡単という点もポイントです。医師の診察があるため、一定の安全性が担保されたうえで、適切な治療が提供されます。さらに、薬の入手先や成分などの安全性も確保されています。

一方で、画面越しの診察となるため、医師が実際の頭皮の状態を観察することはできません。そのため、外科的な処置が必要な場合や、複雑な症状を抱える患者に対しては、オンライン診療を実施できないこともあります。ただし、AGAを対象とした一般的な診察や処方箋の更新などにおいてオンライン診療はとても便利で、効果的な方法といえます。