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コラムカテゴリ男性AGA

AGAと男性ホルモンの関係性 メカニズムを医師が解説

2023/10/18
監修:三上 修

 

抜け毛が増える、額が広くなるなど、薄毛の進行に悩む方は年齢問わずいらっしゃると思います。

今回の記事では、AGA(男性型脱毛症)と男性ホルモンの関係について、また、AGA治療薬が男性ホルモンに及ぼす影響について、DMMオンラインクリニックの提携先医療機関で診療を行っている三上医師に取材しました。

男性ホルモンがAGAを引き起こすメカニズムとは?

AGAの主な原因は、男性ホルモンです。
どのようにして男性ホルモンがAGAを引き起こすのか、そのメカニズムについて説明します。

そもそも男性ホルモンとは?

男性ホルモンはアンドロゲンとも呼ばれるステロイド・ホルモンで、精巣と睾丸、副腎から生まれます。

男性ホルモンにはいくつかの種類があり、主要なものがテストステロンです。テストステロンもいくつかの形態に分類されます。
このほか、ジヒドロテストステロン(DHT)、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、
アンドロステンジオンなどがあります。

AGAと男性ホルモンの関係性

男性ホルモンのメインであるテストステロンが、酵素と結合してDHTに変換されると、AGAを引き起こします。
頭髪や頭皮にある毛乳頭細胞にDHTが働くと、TGF-βという物質が分泌されます。これがアポトーシスという細胞の自然死を誘導します。

毛乳頭細胞は身体の毛が生える箇所に存在し、髭や眉毛にもあります。場所が変わると反応が逆になるのが特徴で、ヒゲの毛乳頭細胞にDHTが働いた場合はヒゲの成長を促進します。
同じ男性ホルモンの作用でもそれが起こった場所によって、毛が抜ける、増えるなど反応が違ってくるのです。

AGAはどのように進行する?

テストステロンがDHTに変換されると、男性ホルモンレセプターがDHTをキャッチして脱毛因子が増加します。この脱毛因子TGF-βが命令を出すことで抜け毛が増加し、ヘアサイクルが乱れます。これが薄毛が進行する原因です。

頭髪や頭皮にある毛乳頭細胞にDHTが働くと、細胞の自然死を誘導します。髪の毛の成長サイクルには、成長期、退行期、休止期、脱毛期がありますが、通常2〜6年の髪の毛の寿命は細胞の自然死によって半年〜1年になってしまいます。

そうやって成長期がどんどんショートカットされてしまうことで髪の毛が十分に成長しないうちに退行期となり、髪の毛の寿命自体が短くなるのです。

AGA治療薬が男性ホルモンにおよぼす影響は?

AGAの治療薬にはフィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬、ミノキシジルがあります。

それぞれについて詳しく説明します。

AGA治療薬の種類

フィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬

フィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬は、テストステロンからDHTに変換されるときの変換酵素をブロックして、AGAの進行を防ぐ働きをします。

変換酵素には1型と2型があり、2型だけをブロックするのがフィナステリド、両方をブロックするのがデュタステリドです。頭皮にある受容体は2型が多いといわれているので、まずはフィナステリドから使ってみて、効果が見られなければデュタステリドというのが一般的です。

AGAを長期間そのままにしていて治療が遅くなったことを不安に感じている方は、最初からデュタステリドの使用を開始することもあります。

ミノキシジル

ミノキシジルには、外用薬(トニックタイプ)と内服薬があります。外用薬は日本で承認されていて、リアップ、ロゲイン、スカルプDなどの名前で市販もされています。

内服薬は日本では未承認で、医師の説明により納得した上で使います。ミノキシジル内服薬はもともと降圧薬として開発された薬で、高血圧の薬として承認している国も存在します。
血管を拡張させる作用があり、毛根に対しても血液や栄養が行き渡りやすくなります。その結果、多毛症という現象が起こって頭髪の増毛を促すのです。

男性ホルモンに影響を与えるフィナステリド内服薬・デュタステリド内服薬

フィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬は、男性ホルモンを抑制する働きがあります。その効果が強いデュタステリドの方が男性ホルモンに対しての影響も強いといえます。

男性ホルモンの抑制による精子の数や量、運動率などの推移をパラメーターとして見ると、デュタステリドでは平均的に20%くらい低下します。臨床試験の中では30%まで落ちなければ許容範囲とされているので問題ないともいえます。

フィナステリド使用時に精子の数や運動量が低下したという論文はありますが、具体的な数字については記載されていません。どちらの薬も他の男性機能への影響はないといえるでしょう。

AGA治療薬の副作用とその対処法

男性ホルモンを抑制するフィナステリド内服薬、デュタステリド内服薬の副作用として、勃起不全が起こる可能性は否定できません。
対処法としては、勃起不全の症状が出たら服用を休止します。

その間にAGAが進行する場合、どちらを優先させるかは個々のケースによります。AGAと勃起不全の両方に対処したい場合は、治療を平行して行うこともあります。
妊活中の方は、1〜2カ月ほどAGA治療薬を休止し、その間に妊活をするなどの方法をとるケースもあります。

血管を拡張させる働きがあるミノキシジル内服薬は、手足の浮腫という現象が起こる人もいます。
これは他の血圧の薬でも出ることがありますが、ミノキシジル内服薬ではその出方に個人差が強く、強力な場合があります。

浮腫により心臓に対する負担が大きくなることで、動悸や息切れといった症状が出ることもあります。
そうなると心不全のリスクも出てくるので、浮腫が出た場合には薬の服用をやめることが、ミノキシジル内服薬を安全に使うための条件です。

まとめ:AGAと男性ホルモンには密接な関係にある

男性ホルモンはAGAの主な原因であり、AGA治療薬も男性ホルモンに影響を及ぼしますが、その影響は許容範囲ともいえます。

AGA治療は、必ず医師による診断の上で、それぞれの方の事情に合わせて行ってくださいね。

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