お知らせ クーポン ヘルプ
コラムカテゴリ男性AGA

自毛植毛治療とは? 仕組みやAGAにおける注意点を解説

2024/03/25
監修:三上 修

 

AGAの症状が気になり、治療や植毛を検討されている方もいるかもしれません。今回の記事では、その中でも自毛植毛について医師の三上先生に解説していただきます。どのような仕組みなのか、注意点についても詳しく話を伺いました。

信頼性の高い医療情報のための制作ポリシー

DMMオンラインクリニックでは確かな情報を提供するため以下の取り組みを行っています。

  • 適正な監修プロセス
  • 医療法人との提携
  • コンテンツ作成基準の明確化
詳細を見る

そもそも自毛植毛とは

自毛植毛とは、人工毛ではなく、自毛を別の場所から移植する方法です。

80年代までは人工毛を植毛する方法が使われていました。しかし、頭皮の炎症や異物性の肉芽腫(にくげしゅ:炎症によってできるこぶ)が多数報告され、アメリカでは80年代に禁止されています。今は人工毛の植毛はほとんど行われていません。

人工毛でトラブルが多数報告されたので、それを回避するため90年代くらいから自毛植毛が急速に進みました。

自毛植毛の種類

自毛植毛には大きく分けて3つの方法があります。

皮弁法(フラップ法)

後頭部の皮膚片を、髪の毛が薄くなった前頭部などに引っ張ってきて縫い付ける方法です。完全に皮膚を切り離さずに、一端を頭部につなげたままねじるようにして、薄くなった部分に持っていきます。 

皮弁法は、元々、やけどなどで皮膚に欠損があった場合に使う方法で、血液や血流、静脈や動脈が含まれる皮膚を生きたまま移植するイメージです。「フラップ」はパタパタと動くものを表す動詞で、皮膚を完全に切り離さずに行うのでフラップ法と呼ばれます。

この方法は、医師にとって技術の習得が難しく、血流が悪くなるとその部分の組織がだめになってしまうので、リスクも大きく、最近はあまり行われていません。

スカルプリダクション法

薄毛が進行している部分の頭皮を切り去って、面積を狭くする方法です。面積として切除できる範囲が制限されていること、皮膚が引きつることなどの理由により、この方法も最近はあまり行われていません。

遊離移植法

近年、最も多く行われているのがこの方法です。組織を小さく切り取って植え付けるので、血流を保つ必要がありません。組織ではなく顕微鏡レベルで頭皮の一部を切りとり、細長い帯状のものを切り出す手術になります。

毛包ごとにユニットを作り、田植えのように一本一本の毛包ごとの髪の毛を植え付けていくイメージです。根の部分から自然に栄養が行き渡るようになるので、9割ほどが生着するといわれています。外科的リスクが少なく、うまく生着すれば大きなメリットになります。また、毛の本数の多いユニットを薄毛が進んでいる場所に持ってくることができるので、見た目にも自然です。

ただし、移植した髪の毛が一度抜けた後、次の世代が生えてくるかどうかは未知数です。

自毛植毛の特長

自毛植毛には、うまく生着するとそのまま髪の毛を維持できるという特長があります。

最長で30年生着したケースもあるようです。5〜6回は同じ場所に植毛できるので、うまく生着すれば髪の毛の心配をしなくて済み、対処法としての薬物療法を続ける必要もなくなります。

番外編:人工毛を結びつける方法もある

これは植毛ではないのですが、人工毛を既存の髪の毛に結びつける方法もあります。地肌に植え付けないため、副作用や痛みがないというメリットがあります。

ただ、植え付けるのではなく結びつけるので、ある程度の寿命しかなく、洗っている時などに抜け落ちてしまうこともあります。

AGA治療における自毛植毛

AGA治療において、以下のようなケースで自毛植毛が選択されます。

薬による治療で満足できなかった

残念ながら、フィナステリドやデュタステリド、あるいはミノキシジルを使っても効果が実感できなかった場合に選択される可能性があります。

一気に髪の毛を増やしたい

AGAの治療薬による対処は、効果が見られるまでに月単位、年単位の時間がかかることがあります。徐々にではなく一気に増やしたい場合に、自毛植毛に踏み切るケースがあります。

効果が感じられるまで薬と同時進行

薬の効果が出るまでの数カ月間、それまでの期間をカバーしたい場合に、薬と同時進行で自毛植毛を選ぶ方もいます。

自毛植毛の注意点とデメリット

自毛植毛にはいくつかの注意点やデメリットもあります。

手術の際、麻酔を使う

局所麻酔と全身麻酔のどちらで手術するかにもよりますが、全身麻酔の場合はさまざまなリスクがあるので、手術前の検査で肝臓の機能などについて調べてから行うことになります。

移植する際に切り取るのは幅5ミリ、長さ3センチ程度なので、そこまで大きな手術ではありません。顕微鏡手術もリスクの高いものではなく、術後も感染症対策として抗生物質を飲む程度です。

ただ、ある程度の時間全身麻酔を使うとなると、やはりリスクも生じます。症例数の多い経験豊富なクリニックを選ぶことをおすすめします。学術的な論文を検索して、論文を書いた先生が在籍するクリニックを選ぶのもひとつの方法です。

次世代の髪の毛が生えてくるかは未知数

自毛植毛をした直後は髪の毛が増えますが、その髪の毛が抜けたあとに次世代の髪の毛が生えてくるかは分かりません。

効果が実感できるのは半年以降後

次世代の髪の毛が生えた場合、それを実感できるのは半年以上経過した時期です。逆に、最初に植毛した髪の毛が半年以内に抜けてしまうケースもあります。

10年後の経過

自毛植毛の際、毛の損傷さえなければ、9割ほどは生着します。しかし、移植後も次世代の髪の毛が成長期を経て伸び、生着し続ける確率は10%程度といわれています。

次世代のへ引き継ぎがうまくいけば、地肌が見えない程度の毛量を維持できる方もいます。経過に関しては個人差もあり、植毛の技術的な問題も影響してくるので、自毛植毛の10年後の経過については一概にはいえません。

ただ、少し時間をかけてでも腕のよい医師を探し、手術してもらうことで、10年後の経過に影響することもあります。経験豊富な医師を見つけることが重要です。

また、AGA治療を途中でやめてしまった場合、自毛植毛した部分だけ髪が残る状態となってしまうため、注意が必要です。

費用と治療に必要な期間

自毛植毛の費用や治療期間について、おおよその目安をお伝えします。

自毛植毛の費用

費用はクリニックによってばらつきがありますが、だいたい150万円前後であることが多いようです。

効果の実感には個人差をはじめ、さまざまな要因があるので一概にはいえませんが、もし自毛植毛で生着して髪の毛を維持することができるなら、悪い選択肢ではないと思います。

ただ、薬物療法で効果を実感する方もいるので、まずは薬物療法で様子を見るというのがAGAの治療においては一般的です。

治療に必要な期間

自毛植毛の場合、一度手術をするとその後は経過観察になるので、治療期間はそれほど長くありません。ただし、効果が実感できるのが術後半年〜1年後なので、気長に待つ覚悟が必要です。

自身に合ったAGA治療を選びましょう

医療技術の発達に伴い、AGA治療にもさまざまな選択肢が生まれました。自毛植毛もそのひとつです。

治療を検討する場合は、信頼できるクリニックを受診し、医師に相談しましょう。AGA治療に対する効果の実感には個人差があります。まずは、自身のAGAの進行度などを確認しましょう。その上で自毛植毛を選ぶ場合は、クリニック選びが重要です。

抜け毛に悩んでいる人がチェックした記事

AGA治療薬の種類、効果、金額の目安を比較!
AGA治療薬の違いやその効果、治療にかかる費用について詳しく解説しています。薄毛改善を目指すなら、早めの治療が効果的です。

AGA治療費用はいくらかかる? ケース別イメージを医師が解説 
AGA治療の費用や期間について医師がケース別に解説。AGA治療は長期戦となることが多いため、年間・全体の費用を見積もることが重要です。治療目的や薄毛の段階による費用の変動も考慮し、ご自身に近いケースを確認しましょう。

AGAにサプリは効くの? 薄毛に期待できる成分と効果的な摂取方法
薄毛への効果が期待されるサプリは多種多様です。「どれを選べばいいか」「具体的な効果は何か」などがわかりにくい場合があります。そこで、薄毛に悩む方々に向けて、サプリの選び方や成分、効果的な摂取方法について解説します。

デュタステリドとフィナステリド、選ぶならどっち? 効果と副作用
デュタステリドは、代表的なAGA治療薬の一つです。デュタステリドの特徴や他のAGA治療薬との違い、注意すべき点、治療期間と費用などについて紹介します。

AGA治療薬は個人輸入しても大丈夫? リスクや処方箋との違いを確認
AGA治療薬を通販サイトなどで個人輸入することを検討される方へ。以前は安価で治療薬が入手でき、便利な選択肢とされていました。しかし、近年では個人輸入のメリットが薄れ、リスクが増加しています。この記事では、安全性や利便性の観点から、個人輸入の現状とデメリットについて解説し、よりよい選択肢をご提案します。

フィナステリド・プロペシアの通販は危険? 医師が考える安全なAGA薬入手法とは
AGA治療薬のフィナステリド・プロペシアは医師の処方が必要です。個人輸入による通販での購入にはリスクがあります。これらの薬を安全かつ便利に入手する方法や、通販で購入する際のデメリットとリスクについて医師が詳しく解説します。

DMMオンラインクリニックでは
予約、事前問診、ビデオチャットでの診察、決済、薬の受け取りまでワンストップで完結!
スマホやPCで、お好きな場所から医師の診察を受けられます。

問題が解決しない場合は、
こちらからお問い合わせください。