【医師監修】薄毛は予防できる? 今からできる予防・改善方法8選
「今はまだ大丈夫そうだけど、そろそろ薄毛が気になり始めた…」「将来薄毛にならないために今からできることはある?」という悩みや疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。原因や進行の程度にもよりますが、薄毛は生活習慣の改善などによって予防できる場合があります。
今回の記事では、多くの男性を悩ませるAGA(男性型脱毛症)の予防や改善方法について、医師の辛島先生に解説していただきました。
薄毛の進行の予防・改善方法
AGAの原因には遺伝要因と環境要因の2つの側面があります。遺伝的にAGAの要因がある場合はそれ自体は防げませんので、どうしても薄毛になりやすい人がいるのは事実です。
しかし、環境要因は毎日の習慣で変えることができます。逆に、遺伝要因ではそこまでAGAが進行しなかったはずなのに、不摂生の結果、それが頭皮に影響して薄毛を助長することがあり得ます。
今回の記事では環境要因の側面から、AGAの予防・改善方法についてご説明します。
睡眠をしっかりとる
睡眠をしっかりとることは、AGAの予防はもとより発毛や育毛につながります。
睡眠のタイミングで分泌される成長ホルモンは、成長期の子どもほどではありませんが、大人になっても髪の毛や骨、爪などの発育に影響を及ぼします。
タンパク質の合成にも関わってくる成長ホルモンは、睡眠が不足していると分泌量が減ってしまいます。
髪の毛を健やかに保つためには十分な睡眠時間を確保することが大切です。
ストレスを減らす
一般的に、ストレスが円形脱毛症に影響を与えるというイメージがありますが、実はこれにはエビデンスはありません。自己免疫疾患として症状が出ることもあります。
ストレスが直接抜け毛に影響を与えるとは考えられていませんが、ひとつの要因として関わっている可能性はあります。
間接的な要因の一例として、ストレスによって自律神経が乱れることにより、血管の拡張機能などのバランスが崩れて血流不全やホルモンに影響を及ぼし、脱毛を促してしまうということが起こりえます。
ストレスをできるだけ減らして自律神経を整えることが大切です。
食生活を整える
食生活の乱れは高血圧や糖尿病などの原因になります。これらの生活習慣病によって血管が細くなり血流が悪化することで、頭皮にもよくない影響を与えます。
大切なのは栄養バランスです。一般的なサプリメントに入っている亜鉛やビタミンをたくさん摂取したからといって発毛や増毛を期待できるわけではありませんが、これらの栄養素が欠乏することで抜け毛が増えてしまうことはありえます。バランスのよい食生活を心がけましょう。生活習慣病予防の観点から、食べ過ぎなどにも気をつけましょう。
喫煙を避ける
喫煙は血管にダメージを与えます。これは副流煙による受動喫煙であっても同じです。
たばこに含まれる有害物質は血管を収縮し、動脈硬化を促進します。太ももの血管が細くなり血流が悪くなって歩けなくなることもあります。
電子たばこも同様ですので、喫煙には気をつけましょう。
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飲酒を控える
アルコールはAGAに直接的な影響を及ぼします。
体内に取り込まれたアルコールは肝臓で分解されますが、この時に発生するアセトアルデヒド(アルコールの代謝物)がDHT(ジヒドロテストロン)を増加させ、髪の毛の成長を抑制してしまいます。
したがって、アルコールをやめる・減らすことは、AGAの予防効果が大きいといえるでしょう。
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頭皮をダメージから守る
紫外線は、頭皮や肌にダメージを与えます。
紫外線はその長さによってA波(UVA)とB波(UVB)に分けられます。A波は頭皮を越えて細胞まで達する紫外線で、B波は髪の毛にダメージを与え、パサつきや切れ毛につながります。
どちらの紫外線も頭皮や髪の毛によい影響はないので、外出の際に帽子をかぶるなど肌同様に紫外線をできるだけ避ける工夫が大切です。
正しい方法でヘアケアをする
頭皮に汚れが残っていると、皮脂が詰まって頭皮環境が悪くなります。だからといって、髪の毛を強くゴシゴシ洗うのはよくありません。指の腹で頭皮をやさしくマッサージするように洗いましょう。
また、シャンプーの流し残しは皮脂がたまる原因になります。しっかりと洗い流しましょう。
髪の毛を乾かさないで寝るのもよくありません。キューティクルが失われ、切れ毛につながるので必ず乾かしてから寝るようにしましょう。
薬を服用する
AGAによる抜け毛予防には以下の2種類の薬があります。どちらも主にAGAの治療薬(抜け毛の進行を抑える薬)としてクリニックで処方されるものですが、早期に服用することで予防にも効果があるといわれています。
フィナステリド
髪の毛の成長を抑制するDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を抑えて、毛周期(髪の毛のヘアサイクル)を正常に戻す働きがあります。
デュタステリド
フィナステリド同様に髪の毛の成長を抑制するDHT(ジヒドロテストステロン)の発生を抑える薬ですが、フィナステリドよりも高い発毛効果を期待できます。6カ月間の服用でフィナステリドに比べて発毛効果が約1.6倍という臨床試験結果も出ています。
薄毛になった時の対策
次に、予防をしていても薄毛や抜け毛が進行してしまった場合の対策について紹介します。
薄毛の原因(症状)を見極めるために早期にクリニックを受診
まずは、薄毛の原因を特定するためにクリニックを受診することをおすすめします。
AGAに限らず、円形脱毛症や頭皮の皮膚炎などによって脱毛が誘発されているケースもあります。原因を見極めて疾患に適した治療を行うことが大切です。また、AGA治療を開始した年齢が高い場合は、老化現象による脱毛や薄毛も合わさっていることが考えられます。適切な治療を考えるためにも早期のクリニック受診がよいでしょう。
AGAの場合は、薬の服用を中心とした治療を受ける
AGAと診断された場合、生活習慣の改善だけでは回復は見込めません。皮膚科やAGAクリニックなどの医療機関での治療が必要です。
医療機関では、薬を使った治療法がメインです。AGAの薬は個人輸入などで手に入るものもありますが、安全性などの観点からおすすめできません。必ず医師へ相談の上で、薬の処方を受けましょう。
年齢も若く、AGAがそこまで進行していないなら、フィナステリド、デュタステリドだけで様子を見て、必要に応じて発毛促進の薬(ミノキシジル)を加えるなど、さまざまな治療方法があります。
それぞれに適した治療法を医師に相談してみましょう。
ライフスタイルを見直そう
喫煙や睡眠不足、暴飲暴食、飲酒など生活習慣におけるリスク因子を避けることは、間接的にAGA予防に役立ちます。適度に運動をするなど、ライフスタイルを改善することも結果的にAGA予防につながるともいえるでしょう。
なお、AGAは進行性の疾患のため、抜け毛・薄毛が進んでいる場合は医療機関への早めの受診が大切です。医師に相談のうえ、薬の服用など適切な治療を受けましょう。
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