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コラムカテゴリ男性AGA

AGAの処方薬 種類や効果・副作用を医師が解説

2023/09/28
監修:三上 修

日本人で男性型脱毛症(AGA)を発症されている人の割合は全年齢平均で約30%と報告されており、決して珍しくはありません。

この発症頻度は年齢とともに高くなっており、放置すると徐々に進行しますが、早期からの治療が可能です。
早い段階であるほど治療の選択肢が増え、費用が抑えられる可能性がありますので、薄毛が気になる方は気軽に医療機関に相談されることをおすすめします。

 

この記事では、AGAの概要をはじめ、代表的な処方薬の種類、処方薬を選ぶときのポイント、治療にかかる期間や費用相場について解説します。

「AGA(男性型脱毛症)」とは何?

AGA とは、Androgenetic Alopeciaの略で、思春期以降に始まり徐々に進行していく男性型脱毛症です。頭頂部、前頭部や生え際の脱毛が特徴的で、髪の毛が徐々に細く、薄くなります。
主な原因としては、男性ホルモンであるテストステロンがヘアサイクルに影響し、毛髪の成長が阻害されることにより起こるといわれており、さらに遺伝的要因や頭皮の血行不良も関与していると考えられています。

まだ若いから大丈夫と思っていると、徐々に進行してしまいますので、AGAを疑ったら早いうちに治療を始めることが重要です。

AGAの処方薬はどんなものがある? 効果・副作用は?

AGAの治療としては薬剤によるものが一般的です。

頭皮に直接塗る外用薬と、飲み薬として処方される内服薬との2種類があり、発毛を促進しつつ薄毛を抑制するという2方面からのアプローチとなります。

投薬治療で「発毛を促す」

ミノキシジルには外用薬と内服薬があり、頭皮の血流改善や毛母細胞を活性化させ発毛を促進する作用が期待できます。
外用薬は液体やフォームの形で頭皮に直接塗るタイプ、内服薬はタブレットとなっており、効果は外用薬よりも内服薬の方が強くなります。

外用薬の副作用は、頭皮の発疹発赤、かゆみ、かぶれ、頭痛、胸の不快感、体重増加、手足のむくみなどで、内服薬の副作用は全身の多毛、血圧低下・動悸、むくみなどです。

投薬治療で「薄毛の進行を抑える」

AGAの原因となる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」を抑制する内服薬として、フィナステリドとデュタステリドがあります。
髪の毛のもととなる毛母細胞にDHTが作用すると、髪の毛がコシやハリを失い、最終的には抜け落ちてしまうため、内服薬でこの男性ホルモンを抑制することにより、薄毛の進行を抑えることができます。

処方薬以外の治療法も

処方薬以外にも、以下の治療方法があります。特に自毛植毛とLEDおよび低出力レーザー照射は、それらの有効性にエビデンスがあり、日本の皮膚科学会のガイドラインでも推奨されています。

(1)自毛植毛
後頭部や側頭部の髪を、髪を生み出す毛根を含む皮膚ごと採取し、薄毛が気になる部分に植える方法です。
国内外で自毛植毛術は多数行われており、フィナステリドやデュタステリドの内服薬やミノキシジルによる効果が十分でない男性型脱毛症の方に対して、十分な経験と技術を持つ医師が自毛植毛術を行うことが皮膚科学会のガイドラインで推奨されています。

(2)LEDおよび低出力レーザー照射
LEDおよび低出力レーザーを薄毛が気になる部分に当てることにより、休眠状態に入ったヘアサイクルを成長期へと導き、発毛を促進する治療法です。
有用性を示す十分な根拠があり、副作用も比較的軽微であることから、適切な機材を使用して行うよう勧められています。

(3)メソセラピー
髪の毛の成長に欠かせない成長因子を頭皮下に直接注入する治療法で、ヘアサイクルの正常化を目指し、発毛環境を改善します。
注入薬の成分は医療機関によって異なります。

(4)HARG(ハーグ)療法
幹細胞から抽出した成長因子に、アミノ酸やビタミンなどを混合したカクテルを、頭皮下に注入する治療法で、毛母細胞や周囲の幹細胞が活性化し、ヘアサイクルを整え、頭皮や毛根の再生を促します。
上記のメソセラピーとHARG療法の違いは、注入成分のみです。

※自毛植毛、LEDおよび低出力レーザー照射、メソセラピー、HARG療法について、DMMオンラインクリニックの提携する医療機関では行っておりません。

AGA処方薬を選ぶときのポイント

AGAの処方薬としては、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルの3種類の内服薬と、ミノキシジルの外用薬が多く使用されています。以下に処方薬を選ぶ際のポイントを挙げます。

①処方薬の効果

処方薬が作用するメカニズムや効果の強さの違いを考慮し、お薬を選びます。
早期または軽度から中等度の脱毛があり、全身性の副作用の可能性があるため内服薬の使用を避けたい方には、まずミノキシジルの外用薬がすすめられます。成長期を延長することで脱毛を遅らせ、毛髪の直径と密度の両方を増加させることで毛髪の再成長を促進します。

外用薬のみでは効果不十分な進行性、または中等度のAGAには、最初から内服処方薬と外用薬を並行して用います。作用機序が異なる2種類のお薬を併用することで、薄毛の進行を防ぎます。
脱毛を予防する薬の効果が強い順番に、デュタステリド 0.5 mg/日、フィナステリド 5 mg/日、フィナステリド 1 mg/日となるため、強い効果を求める場合の内服薬としては、フィナステリドのかわりにデュタステリドを選択します。育毛作用のある薬としてはミノキシジルがあります。

②体質と既往歴

それぞれの薬に特有の副作用や相互作用があるため、これらを考慮する必要があります。
外用薬で皮膚の発赤などの局所的なアレルギーが出現すれば、内服薬に変更するなどの調整が必要です。

フィナステリドとデュタステリドの内服は起立性低血圧、めまい、勃起不全、射精機能不全、性欲減退などの副作用が生じることがあり、他にもうつ病との関連も指摘されています。また、ミノキシジルの内服は主に用量依存的に、心拍数の増加、体重増加、多毛症、下肢の浮腫などの全身性の副作用があります。ミノキシジルの内服は国内未承認なので、使用にあたっては、外用薬のミノキシジルよりも注意が必要となり、心臓の持病がある方の使用には注意が必要です。

常用している薬がある方、既往歴がある方は、医師と相談しながら薬を選ぶと安心です。

③処方薬の金額

AGAの治療は、健康保険の適応外の自由(自費)診療となりますので、治療に時間がかかることを考えると、治療にかかる費用もお薬を選ぶ際の要因となります。
なお、お薬の費用は医療機関によって異なります。
※DMMオンラインクリニックの料金はこちら

AGAの治療にかかる期間と費用相場

AGA治療は始めてすぐに効果が出るものではなく、一定期間治療を続けることで効果が実感できるようになります。
では、治療期間や費用は治療法ごとにどのように異なるのでしょうか。

治療期間

経口薬と外用薬を併用した場合、個人差はありますが、約3~6カ月で抜け毛が減って新しい毛が生えはじめ、治療から約1年が経つと髪の量が増えたと感じる方が多いようです。

フィナステリド内服を1年間および2年間追跡した海外の研究では、フィナステリド内服群で、両期間ともに有意に抜け毛の進行抑制・改善効果が認められました。また、日本人男性を対象にした研究でも、6カ月のミノキシジル外用によって硬い髪の毛が増加したことが報告されています。

このように、効果が実感できるまである程度の期間が必要であり、内服薬や外用薬の効果がすぐに表れないからといってAGAの治療をやめると、再度薄毛が進行する可能性があります。だからといって、必ずしも一生薬を続ける必要はありません。薄毛が気にならなくなってきたら薬を減量したり中止したりすることもできますので、それまでの治療を無駄にしないためにも、自己判断で内服や外用を中止せずに医師にご相談ください。

費用相場

AGAの治療費は、同じお薬を使っていても医療機関によって異なります。自毛植毛は、植毛する広さや方法により費用が大幅に変わります。また、治療法にかかわらず、治療費以外に診察料や血液検査料などが必要になる場合もあります。

医療機関を選ぶ際の注意点:丁寧なカウンセリングを提供する病院やクリニックを選びましょう

以上のように、AGAの治療法は多岐に渡り、かかる費用も様々です。そのため、治療の進み具合をみて、治療効果と費用のバランスをとりながら各個人の目標にあったベストな治療を選択することが大切です。

処方薬による治療は長期間となることや、経口薬は特に副作用に注意しなければいけないことから、初診のときだけではなく、継続的に丁寧なカウンセリングを行う医療機関を選ぶことをおすすめします。

一方で、薄毛の原因が甲状腺機能低下症や脂漏性皮膚炎など、AGA以外にある場合もありえます。思うようにAGAの治療効果が表れない場合や、他の気になる症状がある場合は、他の原因による脱毛症である可能性も常に念頭に置き、医師と相談しながら治療を行うことをおすすめします。

出典

  • 日本皮膚科学会ガイドライン 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版
  • J Cosmet Dermatol. 2021 Dec; 20(12): 3759–3781. Published online 2021 Nov 6.
    Treatment options for androgenetic alopecia: Efficacy, side effects, compliance, financial considerations, and ethics
  • J Dermatolog Treat. 2022 Nov; 33(7): 2946-2962.
    Comparison of oral minoxidil, finasteride, and dutasteride for treating androgenetic alopecia
  • J Am Acad Dermatol. 1998; 39: 578-89.
    Finasteride in the treatment of men with androgenetic alopecia. Finasteride Male Pattern Hair Loss Study Group
  • J Dermatol. 2009; 36(8): 437-46.
    Randomized clinical trial comparing 5% and 1% topical minoxidil for the treatment of androgenetic alopecia in Japanese men
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