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漢方で痩せる?ダイエット効果が期待できる漢方薬を紹介

2023/07/25
監修:三上 修

「楽して安全に痩せたい」

日ごろからそう思っている人は多いと思います。現代は「飽食の時代」といわれています。社会構造が変化し、気軽に食べ物が手に入るようになりました。食への対応として、ダイエットに取り組む人が多いわけですが、ちまたにはいろいろな情報が蔓延しており、医学的に安全なダイエットをきちんと伝えている情報は少ないです。

そんななか、ダイエットの補助手段として再度着目されているのが漢方薬です。この記事では、漢方薬を用いたダイエットについて分かりやすく解説していきます。

漢方薬について

まず、そもそも漢方薬とは何なのか?について解説します。

漢方は、西洋薬のように1種類の成分から構成されているものはほぼ存在しません。生薬(しょうやく)と呼ばれる天然の成分を複数種類組み合わせてできあがっています。

漢方の世界では、生薬を「五味(ごみ)」という5種類の味によって分類する考のえ方があります。具体的には、辛(しん)、苦(く)、甘(かん)、鹹(かん:塩からい)、酸(さん)の5つです。一般的に使われる味覚とは少し違いますが、味によって期待される生薬の効果が異なってきます。

たとえば、沖縄など温暖な地域でよく食べられるゴーヤは、苦い味から漢方でも苦(く)に分類されます。苦味がある漢方薬には、体内の余分な熱や水分を除去する働きがあります。温暖な地域で苦い食べ物が頻繁に食べられるのは、身体の熱を冷ますという経験的な知恵によって裏付けられているのです。

また、薬味や食材として使われているショウガは生薬としても用いられます。漢方で用いられるショウガには、生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)の2種類があります。生ものを乾燥させたものを生姜、蒸して乾燥させたものを乾姜と呼びます。生姜には健胃効果といって吐き気や食欲不振を改善する作用があります。また、解熱作用や鎮咳(ちんがい)作用(咳を抑えること)も期待できます。乾姜は身体を内側から温める作用が強く、胃腸が冷えたことによる下痢や便秘、腹痛の際にも効果を発揮します。同じショウガでも、保存方法によって効果が異なるのは興味深いですね。

漢方薬に期待する効果とは?

漢方の歴史は古く、日本に導入されたのは5〜6世紀ころです。※1 漢方は経験医学であるため、「こういう体質の人に、この生薬(しょうやく)と生薬を組み合わせて内服してもらうと体調が良くなった」という膨大な経験の上に成り立っています。一般的には、西洋医学で用いられる薬剤よりも、効き目は緩やかで副作用も少ないのが特徴です。

西洋医学の薬は「この病気にはこの薬」「この症状を抑えるにはこの薬」と1対1対応であることが多いのに対し、漢方では「こういう体質の人がこういう状態の場合にはこの生薬とこの生薬の組み合わせが有効」というような考え方をします。

また、漢方では病気になる前で、確定的な症状は出ていないけれど、何となく体調が悪いという状態を「未病(みびょう)」と定義して、予防的に内服することも可能です。西洋医学の薬剤が対症療法(たいしょうりょうほう・症状が出てからその症状を抑えるように治療を行うこと)で用いられることが多いのに対して、漢方は未病や体調の弱い状態に内服します。漢方が体調を整えたり体質改善が期待できたりするといわれるのはこのためです。

漢方での基本的な体質の考え方

漢方では、人の身体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい) 」によって成り立っていると考えます。

「気」とは身体を動かすエネルギーを指し、血液や水、臓器を動かし、自律神経系や内分泌系を司る働きをします。

「血」とは体内にある赤い液体を指し、全身に酸素や栄養を運んだり、ホルモンバランスの調整をしたりします。

「水」は体内にある透明な液体(リンパ液や鼻水など)を指し、免疫力にかかわりがあります※2

漢方では、気血水の3要素が過剰(実といいます)なのか不足(虚といいます)しているのかで体質を評価します。

漢方薬をダイエットに使用するメリット

無理な食事制限やサプリメントに頼ったダイエットは、リバウンドすることも多く、健康的とはいえません。

一方で、漢方は体調を整えることや体質改善に効果的です。といっても長期に大量に漢方薬を内服し続けると肝障害が起こったり、偽性アルドステロン症という内分泌系の疾患に罹患したりする場合もあるので、安易な長期内服には注意が必要です。

医療機関等で定期的にフォローアップしていきながら内服しましょう。

ダイエットにおすすめの漢方薬

漢方と一口にいっても、生薬の種類は多く、組み合わせや配合量によっても作用は異なってきます。その中でも、ダイエットによく用いられる代表的な漢方薬について以下で説明していきます。

繰り返しになりますが、漢方薬は西洋医学の薬剤のように全ての人を等しく対象にした薬ではありません。患者さんの体質や体調によって使い分けるものです。ご自分の体質や体調に合ったものを選びましょう。

防風通聖散

読み方:ぼうふうつうしょうさん

対象:体力が充実してる人。脂肪太り、中年太り。便秘。

有効疾患:肥満症、むくみ、高血圧

 

防風通聖散は、体力があり、全体的に元気な人(漢方用語で実証といいます)に効果的な漢方薬です※4

ぽっちゃり体型で食欲旺盛、食べ過ぎやすぐ間食しがちな人におすすめの漢方薬です。

上記のような実証の人は、濃い味や脂っこい食品、辛いものを好み、暑がりで冬でも冷たいものをよく飲みます。また、風邪をあまりひかず、肌つやが良い、声が大きいというような特徴があります。便秘体質で、お腹まわりに脂肪がついているのも特徴です。防風通聖散はスムーズな排便を促す作用もあるため、内服中は他の下剤を併用するのは控えましょう。

加味帰脾湯

読み方:かみきひとう

対象:顔色が悪く貧血気味な方。不安、焦燥感、不眠など。

最近、ストレスや肥満に有効との研究結果も公表されました。※5

有効疾患:貧血、不眠症、精神不安、食欲不振、肥満症

加味帰脾湯は、血を補ったり気を巡らせたりする漢方薬です。消化管の働きを助け、血を増やして不眠を改善したり、気を巡らせることで気持ちを落ち着かせる作用があります※6

血色が悪く貧血気味、精神的なストレスや不安、不眠、焦りなどの神経症状があって過食に走ってしまう方、胃腸が不調で消化吸収が上手くできずにいる方に効果のある漢方薬です。

まとめ

一口に漢方薬によるダイエットといっても、万人に効果のある漢方薬はありません。それぞれの体質や体調に応じて、効果の期待できる漢方薬は異なってきます。試しにいくつか内服したり、漢方医に相談したりして、ご自身の体質や服用前の体調に合った漢方薬を探してみてください。

出典

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