新型コロナウイルスのPCR検査・抗原検査・抗体検査の違いを解説

PCR検査の目的は、現在コロナウイルス等のウイルスに感染しているかを調べることです。
採取した検体中に含まれるウイルスのDNA（新型コロナウイルスではRNAから転写したDNA）の量を検出できるまでに増幅させた後に判定します。

PCR検査で用いられる検体は、鼻咽頭ぬぐい液または唾液です。発症から9日以内であれば、両者の結果に高い一致率が見られたことから、鼻咽頭ぬぐい液の採取が難しい場合は唾液採取も可能とされています。※2

鼻咽頭ぬぐい液による採取は、滅菌ぬぐい棒を鼻腔の奥に入れて採取をするため医療者が行います。唾液は、被験者自身で滅菌容器に1〜2mlを採取することが可能です。唾液採取30分前からうがいや飲食はできません。※3 ※6

PCR検査法の所要時間は1〜3時間ですが、判定までには検体を検査機関へ送る時間も含めて考える必要があります。なおPCR法よりも増幅の工程を短縮したNEAR法などの等温核酸増幅法ですと、約1時間で結果が得られます。※3

PCR検査は発熱などの症状があり医師が必要と認めた場合、保険適用になり無料で受けることができます。保険適用外の場合、医療機関によって価格が異なりますが、目安は10,000〜30,000円です。時期によって内容が変わる可能性があります。※4

抗原検査の目的は、現在新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べることです。

抗原検査のうち鼻咽頭拭い液による検査は、発症2〜9日目までの患者に限り確定診断が行えます。以前は調査研究が進んでおらず、抗原検査は確定診断に使えませんでしたが、現在はPCR検査との診断の一致率が高いことから、上記の条件に限っては確定診断として使えるようになっています。※5

抗原検査の検体はPCR検査と同様、鼻咽頭ぬぐい液または唾液です。発症から9日以内であれば、両者の結果に高い一致率が見られたことから、鼻咽頭ぬぐい液の採取が難しいときには唾液採取が可能とされています。※2

鼻咽頭ぬぐい液は滅菌ぬぐい棒を鼻腔の奥に入れて採取をするため、医療者が行います。唾液は滅菌容器に1〜2mlを被験者が自分で採取することが可能です。唾液採取30分前からうがいや飲食はできません。※3 ※6

抗原定性検査は検体の採取場所で検査ができ、約30分で結果が出ます。抗原定量検査は専用の測定機器を使うため、検査機関へ輸送する時間がかかります。検査自体は定性検査と同じで約30分です。※5

抗原検査もPCR検査と同様に発熱などの症状がある場合、保険適用になり無料で受けることができます。保険適用外の場合、医療機関によって価格が異なりますが、目安は5,000〜13,000円です。なお、時期によって内容が変わる可能性があります。※4

過去に新型コロナウイルスに感染したかを確認する目的や、ワクチン接種後に、体内に抗体を作っているかを調べる目的で利用されます。検査キットによって結果にばらつきがある点が課題です。※7

抗体検査は抗体の有無を調べるため、検体はほかの検査法とは異なり血液です。少量の血液で抗体の定性検査を行います。針を指先に刺すと出血する程度の量で検査が可能なため、自分で行うことも可能です。

抗原検査と同様に抗体検査も抗体があるかないかを調べる『抗体定性検査』と抗体の量を調べる『抗体定量検査』の2種類があります。抗体定性検査は、検査キットを用いて指先に針を刺して血液を採取します。抗体定量検査は、腕からの採血が必要なため医療従事者が行います。

抗体定性検査キットの場合、結果は10分前後で分かります。抗体定量検査の場合、採取した血液を検査機関に輸送する時間も合わせると数日はかかります。

抗体検査は保険適用外なので自費になります。価格は医療機関によって異なり、目安は5,000〜10,000円です。