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コラムカテゴリ男性AGA

AGAとは? 原因から治療法まで徹底解説

2024/06/17
監修:三上 修

朝起きた時に枕を見たり、洗髪でシャンプーを洗い流したりするたびに、最近気になる抜け毛。年代を問わず、抜け毛や薄毛が気になるという方は多いのではないでしょうか。

昔は「もう年齢が年齢だから」「遺伝だから」とあきらめる方が多かった薄毛ですが、今は原因も明らかになり、進行を遅らせる治療法もあります。今回は薄毛の基本を学びます。

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男性型脱毛症(AGA)とは?

多くの男性が悩んでいる薄毛ですが、医学的には男性型脱毛症(AGA:Andorogenetic Alopecia)と呼ばれ、治療可能な病気として扱われます。まずはAGAの特徴と、薄毛になるメカニズムについて知りましょう。

男性型脱毛症(AGA)の特徴

男性型脱毛症(AGA)は、10代以降の男性でみられる脱毛症です。AGAは徐々に進行し、20代後半から30代にかけて目立ってきます。AGAの割合は年齢が高くなるにつれて上昇し、20代で10%、30代で20%、40代で30%、50代以降では40%以上がAGAになるといわれています。

AGAによる薄毛は、主に前頭部や頭頂部の毛髪が柔らかくなって細く短くなり、脱毛し、発毛を認めなくなります。

薄毛になるメカニズム

AGAの主な原因は、遺伝と男性ホルモンです。

毛髪の根元には毛包(俗にいう毛根)があり、毛髪は毛包から定期的に生え替わります。この毛髪の生え替わりの過程はヘアサイクルと呼ばれます。ヘアサイクルは成長期、退行期、休止期という3つのプロセスで成り立っています。成長期では、数年にわたり毛髪が伸び続けます。その後、退行期が数週間続き休止期に入ると、新しい毛髪が準備され、古い毛髪は自然に抜け落ちます。

AGAでは、男性ホルモンの働きによりヘアサイクルが変化します。

■AGAが成立するメカニズム

男性ホルモンであるテストステロンは、体内にある5α還元酵素により、ジヒドロテストステロンに変化します。ジヒドロテストステロンは、毛包に働きかけ、毛髪の元になる毛母細胞を減らし、成長期を短縮させます。その結果、毛包が少しずつ小さくなっていきます。毛包の大きさにあわせて毛髪は少しずつ細くなり、ついには生えなくなってしまいます。

AGAにはタイプがある

一般的にAGAでは、下の図のように額あるいは額の左右から薄くなっていき、次いで頭頂部が少しずつ薄くなっていきます。

■AGAの進行パターン(ハミルトン・ノーウッド分類)

AGAは、図にあるような薄毛の状態に基づいて分類されており、診断に用いられています。

この分類では、以下のように進行するとされています。

  • 生え際の後退がほぼないI型から始まる
  • 生え際がM字状に後退するII型、III型以降は頭頂部も薄毛が進行
  • VII型では額の生え際の後退と頭頂部の薄毛がつながった状態になる

また、II型からV型には最初から生え際のみがどんどんと後退するタイプaが存在します。

男性の薄毛の多くはAGAですが、円形脱毛症や全身性脱毛といった別のメカニズムにより発生する脱毛、過剰なダイエットや別の疾患が原因で引き起こされる脱毛、薬剤の副作用による脱毛などもあります。懸念があれば、医師の診察を受けるようにしましょう。

AGAになりやすい人、なりにくい人

それでは、AGAになりやすい人はどんな人でしょうか。食事などの生活習慣で、AGAのなりやすさに違いはあるのでしょうか。生活習慣の改善で予防できるのであれば、ぜひ試してみたいところです。

残念ながら、AGAの原因として最も影響が大きいのは遺伝と男性ホルモンです。しかし、それ以外にAGAの発症を早める危険因子として、喫煙や肥満などが報告されています。

薄毛が気になり、喫煙者や太っている方は、禁煙やダイエットに挑戦するのもよいかもしれません。

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AGAの治療法

昔はあきらめるしかなかった”薄毛”ですが、今の”AGA”にはさまざまな治療法が存在します。このパートでは、AGAの代表的な治療法について紹介します。

一般的なAGAの治療法としては、薬による治療、植毛、レーザー治療があります。

■AGAの治療法一覧

AGAの薬には頭皮に塗るローションと飲み薬があります。頭皮に塗るローションであるミノキシジル外用薬と飲み薬である国内製フィナステリド、国内製デュタステリドはいずれも厚生労働省の承認を受けている承認薬と呼ばれる薬です。

ミノキシジル外用薬は第1類医薬品として、薬局等で購入できます。現在、日本国内で承認されているミノキシジル外用薬の最大濃度は5%ですが、クリニックでは医師の管理の下、より高濃度のミノキシジル外用薬の処方が可能です。

フィナステリド、デュタステリドは医師の処方箋が必要な医療用医薬品となっており、こちらも入手するためには医師の診察を受ける必要があります。

いずれも自費診療で、健康保険の対象外です。

薬物治療:5α還元酵素阻害薬

日本ではフィナステリド、デュタステリドの2剤が使用可能です。

前立腺肥大症の治療薬として開発されましたが、その後、AGAに対する効果が発見されたことから、AGA治療薬としても使われるようになりました。フィナステリド、デュタステリド共に前立腺癌の腫瘍マーカーであるPSAの値を下げることから、前立腺癌の検査を受ける予定がある人は注意が必要です。

いずれも1日1回の服用により、早い人だと1~3カ月程度から徐々に効果がみられます。効果が確認できるまでに6カ月くらいの服用が必要です。

フィナステリド、デュタステリドは、テストステロンから、薄毛の原因物質であるジヒドロテストステロンに変換する5α還元酵素の働きを抑えることにより、薄毛の進行を防ぎます。

また、妊娠中や授乳中の女性が使用した場合は、胎児または乳児に影響するため、投与できません。また、経皮吸収されるため有効成分が皮膚につくのもNGです。

重大な副作用としては肝機能障害があり、自覚できる症状として黄疸にも注意が必要です。

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薬物治療:ミノキシジル(外用・内服)

ミノキシジルは元々降圧薬として開発されましたが、AGAの効果が発見されたことからAGA治療薬として使用されるようになりました。ミノキシジルにより毛包の活性化や血流促進による髪の栄養の改善など、成長因子の誘導など複数のメカニズムによって、育毛・発毛効果を発揮すると考えられています。

5α還元酵素阻害薬と異なり、ミノキシジルは男女ともに効果があることがわかっています。ミノキシジルには飲み薬もありますが、飲み薬のほうはAGA治療薬として承認されていません。

ミノキシジル外用薬は使用3カ月程度で効果が認められ、継続使用が必要です。ミノキシジル外用薬の有害事象として、男女を通して瘙痒、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛などが報告されています。

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その他の治療法

その他の治療法として自毛植毛術やLED、低出力レーザー照射があります。

植毛術に関しては、自毛植毛術は有効性が認められているものの、人工毛植毛術は、その有害事象の多さから、米国では事実上禁止になっています。また日本皮膚科学会のガイドラインにおいても、人工毛植毛術は「行うべきではない(推奨度D)」とされています。

LED、低出力レーザー照射は臨床試験で効果が認められていますが、使用する医療機器は国内未承認です。

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AGA治療はお早めに

現在のAGA治療は進行を遅らせるもので、完治させるものではありません。そのため、治療は早ければ早いほうがよいと考えられます。AGAかもしれないとお悩みの方は、治療を始めるかはさておき、一度医師に相談することをおすすめします。

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