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AGA治療薬の副作用を徹底解説! 安心して治療を続けるためには?

2025/02/21
監修:辛島 史憲

AGAの主な治療薬は、抜け毛を抑える効果があるフィナステリド・デュタステリドと、発毛を促すミノキシジルです。それぞれの薬には、AGAの進行を抑える効果、発毛効果が期待できる一方で、副作用が生じる可能性もあります。

この記事では、AGA治療薬に伴う副作用とその対処方法について詳しく解説します。

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AGA治療薬の種類と作用の仕組み

AGA治療薬は、大きく分けて「守りのフィナステリド・デュタステリド」と「攻めのミノキシジル」の2種類に分かれます。それぞれの薬がどのように作用するのかを知ることは、起こり得る副作用の理解にもつながります。まずは作用メカニズムについて紹介します。

守りのフィナステリド・デュタステリド

フィナステリドとデュタステリドは、抜け毛を防ぐ効果があることから、「守りのAGA治療薬」と呼ばれています。フィナステリドは主に5α還元酵素Ⅱ型を阻害し、デュタステリドは5α還元酵素Ⅰ型とⅡ型の両方を阻害する働きがあります。5α還元酵素Ⅱ型は、男性ホルモンをより活性の高い「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換する酵素で、男性における男性型脱毛症(AGA)の原因となっています。

頭皮には、毛の成長に必要な「毛乳頭細胞」があり、男性ホルモン受容体が存在します。DHTが男性ホルモン受容体に結合すると、毛母細胞の増殖が抑制され、毛周期の成長期が短縮し抜け毛が進行します。つまり、フィナステリドやデュタステリドによってDHTの産生が抑制されることで、脱毛の予防効果が期待できるのです。

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攻めのミノキシジル

ミノキシジルは、発毛を促す効果があるため「攻めのAGA治療薬」と呼ばれています。ミノキシジルには、頭皮に直接塗る外用薬と飲むタイプの内服薬の2種類があります。内服薬は、海外では「ロニテン」という商品名で高血圧の治療薬としても販売されていますが、日本国内では未承認です。

ミノキシジルは、毛乳頭細胞の増殖を促進し、毛母細胞のアポトーシス(死滅)を抑制することで発毛を促進します。さらに毛組織の血流を改善し、毛周期の成長期を延長すると考えられています。

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AGA治療薬の主な副作用とは

AGA治療薬であるフィナステリドとデュタステリド、ミノキシジルの主な副作用は表の通りです。それぞれについて詳しく解説します。

フィナステリドとデュタステリドの副作用

頻度は不明とされていますが、フィナステリドとデュタステリドの重大な副作用は肝機能障害です。肝機能障害の多くは、血液検査でASTやALT、γ-GTPなどの数値が上昇することで判断されます。

また、フィナステリドとデュタステリドは性欲減退、性機能不全(性欲減退・勃起不全・射精障害)といった副作用が報告されており、服薬を中止した後も継続するケースがあります。性欲減退や勃起不全(ED)などの性機能不全が副作用としてあらわれる可能性は高くありませんが、もし気になる症状があらわれた場合は、医師に相談しましょう。

フィナステリドを含めたAGA治療薬とEDの関係については、以下の記事をご覧ください。

AGA治療薬で性欲減退やEDに? 副作用とその対処法

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルの副作用は、内服薬と外用薬で異なります。海外では高血圧の治療薬としてミノキシジル内服薬が使用されています。海外では高血圧の治療薬としてミノキシジル内服薬が使用されています。

しかし、AGA治療で使用されるミノキシジル内服薬は、血圧治療で用いられるものよりも低用量です。たとえば、高血圧治療では1日の最大用量が100mgとされていますが、AGA治療では1日2.5〜10mgが使用されています。そのため、血圧低下のリスクはあるものの、むくみ、動悸、ふらつき、息切れなどの循環器系の副作用の発現頻度は低い傾向にあります。その他にも皮膚のかゆみや吐き気なども副作用として確認されています。

一方、外用薬の場合は、頭皮の発疹・発赤やかゆみといった皮膚のトラブルや頭痛、胸の痛み、手足のむくみなどが挙げられます。

副作用を症状別に解説

AGA治療中に起こりうる副作用について、重大な副作用と軽微な副作用に分けて解説します。なお、実際に副作用が起こる頻度は高いものであっても1~5%程度であり、全ての方に起こるわけではありません。

より詳しく知りたい方は、各項目の最後にリンクが貼られている関連記事をご覧ください。

重大な副作用

肝機能障害

肝臓は、タンパク質などの身体に必要となる物質をつくったり、有害物質を解毒、排泄したりする重要な臓器です。

また、肝臓は高い再生能力を持っていますが、病気が進行しない限り自覚症状があらわれにくいという特徴があるため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。肝機能の異常は、血液検査の検査項目であるASTやALT、γ-GTPといった数値から推定され、いずれの数値も肝機能が悪化すると上昇します。

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AGA治療薬で肝機能障害になる可能性はある?

心拍数増加

心拍数とは心臓が拍動する回数を指し、通常は1分間に何回拍動するかで測定されます。心拍数増加は心臓が通常よりも速く拍動している状態で、運動やストレス、興奮時に一時的な増加がみられるのは正常な反応です。

しかし、安静時にも心拍数が速い状態が続く場合は注意が必要です。加えて、脱水やカフェイン・アルコールの過剰摂取、ホルモンバランスの乱れによっても心拍数が増加することがあります。

呼吸困難

呼吸困難は、息苦しさを感じる状態で、原因は多岐にわたります。薬の副作用や運動後、ストレスが原因で一時的に起こることもありますが、肺や心臓の病気、気道の炎症、アレルギー反応、貧血などが関与している場合もあります。

急激に症状があらわれたり、息苦しさが持続したり場合には、早めに医師の診察を受けることが重要です。

抑うつ状態・気分の変化

抑うつ状態とは、気分が長期間にわたり沈み、無気力感が続く状態を指します。以前は興味を持って楽しんでいたことにも関心が薄れ、日常生活が辛く感じられることが多い状態です。抑うつ状態には、無気力や不安、自己評価の低下といった気分の変化が伴うことがあります。これらは治療薬の副作用に加えてストレスや環境要因も影響を及ぼすことがあり、抑うつ状態が続く場合には、適切な治療やサポートを受けることが重要です。

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AGA治療薬の副作用でうつ病に? 服用に注意が必要な場合とは

軽微な副作用

性機能の低下(ED・性欲減退)

性機能の低下(ED・性欲減退)は、性的な興奮や満足が得られにくくなる状態を指します。ED(勃起不全)は、十分な勃起ができない、もしくは維持できない状態を指し、原因としてストレスや加齢、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が考えられます。

一方で、性欲減退は薬の副作用に加えて、ホルモンバランスの乱れや、精神的な要因が関与することがあります。

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女性化乳房・乳頭痛

女性化乳房とは、乳腺の増殖によって乳房が大きくなった状態のことを指します。この症状は、薬剤性だけでなく、特発性や続発性、生理的な要因でも発生し、乳腺組織でのホルモンバランスの乱れが原因と考えられています。

発疹・かゆみ

発疹とは、目で見て確認できる皮膚の変化のことです。斑や膨疹(蕁麻疹)、丘疹、結節、腫瘤、水疱、膿疱などさまざまな種類の症状があります。また発疹はどの年代の人にも起こりうるもので、成人の発疹の原因は多種多様です。

かゆみは、発疹を認めなくても症状としてあらわれることがあり、この状態は「皮膚瘙痒症(ひふそうようしょう)」と呼ばれます。かゆみの発生機序については、現在十分解明されていません。

体毛増加

体毛増加とは、通常よりも毛が濃く・太くなる状態を指します。原因として薬剤の副作用のほかに、男性ホルモンの増加などによるホルモンバランスの乱れが挙げられます。

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副作用が出たときの対処法

AGA治療薬の副作用には、早急な対応が必要な症状と経過観察で対応できる症状があります。すぐに受診が必要な症状は、アレルギー反応や胸痛などの急激な体調変化です。このような症状があらわれた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

一方で、胃の不調や軽いめまいなどは経過観察で済む場合もありますが、医師に相談すると、副作用の程度に応じた投与量の調整や一時中止、薬の変更などの対処が検討されます。不安を感じたら早めに相談しましょう。

副作用リスクを軽減する服用方法

薬には副作用が発生する可能性があり、その頻度や程度は種類によって異なります。副作用のリスクを軽減する方法として、

  • 用法用量を守り正しい服用タイミングを守ること
  • 避けるべき併用薬と一緒に服用しないこと
  • 自己判断で増量しないこと

などが挙げられます。その他には、脱水状態で服用すると、副作用が出やすくなるケースもありますので注意が必要です。

AGA治療の副作用はオンライン診療で相談できる?

オンライン診療には、プライバシーが保たれるだけでなく、外出や移動時間の必要がないなど多くのメリットがあります。特に、性機能低下などデリケートな副作用の相談をする場合は、オンライン診療の方が気軽に利用しやすいという利点があります。オンライン診療であれば時間に縛られることなく、自宅や職場からでも受診可能です。

また、クリニックで他の患者に会う心配もないため、プライバシーが守られる点でも安心です。こうしたメリットを活用し、オンライン診療を受診方法の選択肢の一つに加えておきましょう。

DMMオンラインクリニックでは、24時間365日、予約にて診療を受け付けています。何か気になることがあった際は、自宅からオンラインで相談可能です。
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療プラットフォームサービスです。診療は提携先医療機関が行います。

よくある質問

副作用について、よくある質問に回答します。

Q.副作用は必ず出るものなの?

A.医薬品には、必ず副作用が起こるリスクがあります。しかし、発現頻度は薬や個人の体質によって異なり、必ずしも全ての人に起こるわけではありません。フィナステリドやデュタステリドでは、頻度が高いものでも1〜5%程度に副作用が発生したと報告があります。

ただし、これらの副作用発現頻度は決められた用法・用量を守った場合のものです。効き目が弱いと感じても医師の指示を守り、自己判断で増量することは避けましょう。

Q.年齢によって副作用の出やすさは変化する?

A.一般的に、副作用の出やすさは年齢によって変わるとされています。特に高齢になると、肝臓や腎臓の働きが低下するので薬の代謝や排泄が遅くなり、薬が体内に長く留まりやすくなります。その結果、副作用が起こるリスクが高まります。

Q.副作用の予防法はある?

A.副作用を完全に予防することは難しいですが、リスクを減らす方法はあります。まず、現在服用している薬がある場合には、医師や薬剤師に正確に伝えるようにしましょう。他の薬との相互作用を避けるためにも、適切な薬剤を選んでもらうことが重要です。

また、指示された用法用量や飲み方を守り、自己判断で投与量の増減をしないようにしましょう。

Q.副作用が出たらAGA薬の服薬を即中止すべき?

A.服用中に副作用があらわれた場合、症状の重さによって対応方法が異なります。胃の不調などの症状が軽い副作用であれば、数日間で自然に改善することもあります。

しかし、性機能の低下、や発疹、動悸、急激なむくみ及び身体のだるさなど、生活に支障をきたすような症状が出た場合には、速やかに医師に相談することが重要です。自己判断で服薬を中断すると、AGAに対する治療効果が得られなくなる可能性がありますので、必ず専門医に状況を報告した上で、適切な対応を行いましょう。

Q.EDの副作用が出た場合、ED薬を併用してもOK?

A.AGA治療薬とED薬の併用は可能です。ただし併用する際には、薬の相互作用や血圧低下などの副作用リスクを慎重に考慮すべきであり、医師の診察・処方を受け、指導のもとで使用することが重要です。自己判断でED薬を服用することは、副作用リスクを考慮して避けましょう。

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Q.休薬や減薬は効果に影響する?

A.休薬や減薬を行うと、AGAの進行抑制効果が落ちる可能性があります。AGA治療薬は継続した服用で効果を維持する特性があり、休薬すると再びAGAの症状が進行する可能性があります。

ただし、副作用があらわれたり体調不良を感じたりした場合には、自己判断で休薬や減薬をせず、必ず医師に相談しましょう。

Q.副作用はずっと続くもの?

A.副作用が長期間続く場合もあります。一方で体が薬に順応し、症状が軽減することもあります。ご自身で判断するのは危険なためAGA治療中に気になる副作用が出た際には、医師にどのような症状がいつ頃から出ているのかなど伝えた上で、指示通りに服用しましょう。

Q.長期服用によるリスクはある?

AGA治療薬の長期間服用によって、一部のリスクが考えられます。フィナステリドやデュタステリドでは、性機能の低下や抑うつ症状などが副作用として報告されています。

また、肝臓への負担が懸念されるため、定期的な肝機能の検査も必要です。長期間服用する際には、定期的に医師の診察を受け、副作用や健康状態をチェックしながら継続しましょう。

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Q.将来的な妊活への影響はある?

A.フィナステリドは妊活中の男性でも使用可能とされていますが、生殖機能への影響が報告されているため注意が必要です。具体的には、フィナステリドの副作用として性欲減退や精子数の減少が挙げられており、一部の研究では服用中止後に精子数が増加した例も報告されています。

ただし、別の研究では、フィナステリドは精子の質や数に影響しないとの結果もあり、現在明確な結論は得られていません。妊活を考えている場合、フィナステリドの服用継続が適切かどうかは個々の状況により異なりますので、医師に相談し、自分に合った治療方針を確認することが大切です。

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まとめ:安心して治療を続けるために

AGA治療薬を使用する際には、副作用のリスクを理解し、医師の指導のもとで正しく服用することが大切です。副作用があらわれた場合には、自己判断で服用を中止したり変更したりせず、医師に相談しましょう。

また、オンライン診療を利用することで、プライバシーを守りながら受診可能です。副作用と上手に向き合いながら、AGA治療を継続しましょう。

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