ミノキシジルはM字はげに効く? 頭頂部との効果の違いを解説
ミノキシジルは発毛を促す代表的な治療薬として知られていますが、「M字には効かない」と聞いたことがある方も多いかもしれません。実際には、効果が出やすい部位と出にくい部位があり、頭頂部では高い発毛効果が確認されている一方で、生え際(M字部分)では効果が限定的とされています。
この記事では、額の生え際が後退して薄くなる「M字はげ」に対して、ミノキシジルがどの程度効果を発揮するのか、頭頂部との違いや治療を成功させるポイントを医師監修のもとで解説します。
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M字はげの原因と治療法

M字はげは、男性に多くみられる薄毛の代表的なパターンです。なぜ生え際がM字状に後退してしまうのか、またその進行を抑える方法はあるのか。この章では、M字はげの主な原因と、改善を目指すために知っておきたい治療法について解説します。
「M字はげ」はAGAが原因の一つ
M字はげの主な原因として、男性型脱毛症(AGA)が挙げられます。AGAは、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)の影響によって毛根の働きが弱まり、髪が細く短くなっていく進行性の脱毛症です。
特に額の生え際や頭頂部はDHTの影響を受けやすく、髪が徐々に軟らかく細くなります。こうした変化が進むと、左右の生え際が後退し、結果としてアルファベットの「M」の形のように見える「M字はげ」となります。
M字になってしまうその他の要因
M字はげの原因はAGAだけではありません。もう一つの代表的な原因が「牽引性脱毛症」です。これは、髪の毛や頭皮が長期間引っ張られることで毛根周囲にダメージが生じ、徐々に脱毛が進行する状態を指します。
きつく結んだ編み込みやポニーテールなどによる物理的な刺激(張力)が続くと、毛包が弱り、髪が細く抜けやすくなります。これは繰り返しの張力により、毛包や毛根組織が傷つき、炎症が慢性化するためです。その結果、毛根の回復が難しくなり、M字部分の薄毛が進行する恐れがあります。
M字はげと他の脱毛症との違い
M字はげは、主にAGAや牽引性脱毛症が原因で起こります。では、他の脱毛症とはどのような違いがあるのでしょうか。AGAや牽引性脱毛症以外の薄毛の原因には、自己免疫反応によって毛根に炎症が生じる円形性脱毛症、甲状腺機能低下症や感染症などの全身疾患、鉄・亜鉛・ビタミンDなどの栄養不足、ストレスなどが挙げられます。
円形性脱毛症は、免疫細胞が毛根を攻撃して炎症を起こし、円形の脱毛班が現れるのが特徴です。複数の円形脱毛がつながって、不規則な形になることもあります。一方、AGAによるM字はげは、額の生え際の毛が徐々に細く短くなり、薄毛が進行する部位やパターンが異なります。

※「日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 『Q10. 円形脱毛症とはどのような病気なのでしょうか?』」を参考に作成
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AGA起因のM字はげの治療法
AGAによるM字はげの治療には、フィナステリドやデュタステリドなどの内服薬、ミノキシジルの外用薬の使用が推奨されています。これらの薬は、男性ホルモンの作用を抑えて脱毛の進行を防ぎ、毛根の働きを活性化して発毛を促すことを目的としています。
また、植毛やレーザー治療なども有効な方法として検討できます。近年、国内では未承認ながらミノキシジルの内服薬を用いた治療も行われています。DMMオンラインクリニックでは、提携先医療機関の医師の診察のもとでミノキシジル内服を含む治療薬を処方し、症状や体質に合わせて最適な治療プランをご提案しています。
※医師の判断により処方できない場合があります。
※65歳以上の方は一部お薬の処方ができない場合がございます。予めご了承の程お願いいたします。
※ミノキシジルは、国内において頭皮に塗布する一般用医薬品として承認されています。内服薬としては未承認の医薬品であり、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります
ミノキシジルはM字はげに効く?|頭頂部との違いを解説

ミノキシジル外用薬は、AGA治療において強く推奨されている治療薬の一つです。臨床試験では主に頭頂部で効果が確認されていますが、生え際のM字部分に対しても一定の改善が報告されています。ここでは、ミノキシジル(外用薬・内服薬)がどのように作用するのか、またフィナステリド・デュタステリドとの違いについて紹介します。
ミノキシジルの作用
ミノキシジルは、もともと血圧を下げる薬として開発された成分で、服用者に体毛が濃くなる現象が見られたことから発毛薬として応用されました。毛包周囲の血流を促進し、毛母細胞の働きを活性化させることで、髪の成長期を延ばし、休止期の毛を発毛へ導きます。

ミノキシジルには外用薬と内服薬の2種類がありますが、国内で承認されているのは外用薬のみです。外用薬は、日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」で“推奨度A(行うよう強く勧める治療法)”に分類されています。なお、臨床研究では主に頭頂部での改善効果が確認されており、生え際への作用は限定的と報告されています。科学的根拠に基づく有効性が認められている、代表的なAGA治療薬として広く使用されています。
また、ミノキシジルを使い始めると、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こる場合がありますが、これは発毛サイクルが正常に切り替わる過程で見られる一時的な反応です。
ミノキシジルの効果や初期脱毛についての詳しい情報は、以下の記事をご覧ください。
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フィナステリド・デュタステリドとの違い
フィナステリドとデュタステリドはいずれも、男性ホルモンの一種であるテストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)への変換を抑制する内服薬です。DHTは毛根の成長を妨げ、脱毛を促進するホルモンで、AGAの主要な原因とされています。この変換に関わる酵素が「5α還元酵素」であり、1型及び2型が存在します。フィナステリドは主に2型酵素を、デュタステリドは1型と2型の両方を阻害します。
一方、ミノキシジルは血流を促進して毛包を刺激し、新たな毛の成長を促す発毛薬です。フィナステリドやデュタステリドが「抜け毛を防ぐ薬」であるのに対し、ミノキシジルは「髪を生やす薬」であり、作用の仕組みが異なります。
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ミノキシジルのM字への効果は限定的|ただし併用で改善可能
M字はげは、額の生え際にある毛包がジヒドロテストステロン(DHT)の影響を強く受けることで起こります。この部分の毛包はDHTによって萎縮しやすく、すでに毛髪が細くなっているケースが多いため、ミノキシジル単独では十分な発毛効果を得にくい場合があります。
ただし、ミノキシジルには毛包周囲の血流を促進し、毛母細胞を活性化させる作用があり、DHTの影響で弱った毛包機能をサポートする役割が期待できます。そのため、DHTの生成を抑えるフィナステリドやデュタステリドと併用することで、「脱毛の抑制」と「発毛の促進」の両面からアプローチでき、より高い効果が見込めます。こうした併用治療は、M字はげでお悩みの方にも有力な選択肢となります。
M字はげの進行を防ぐためにできること

M字はげは、額の生え際が後退するため見た目の変化に気づきやすく、悩まれる方も少なくありません。では、少しでも進行を食い止めるには、どのような対策ができるのでしょうか。ここでは、M字はげの悪化を防ぐために意識したいポイントを紹介します。
適切なAGA治療を進める
M字はげの多くはAGAが原因です。進行を防ぐには、フィナステリドやデュタステリドによってDHTの働きを抑え、脱毛を防ぐことが基本となります。さらに、ミノキシジルを併用して発毛を促すと、抜け毛の進行を抑えつつ、新しい髪の成長を後押しできます。
AGAは時間の経過とともに毛包が縮小し、治療効果が得られにくくなるため、できるだけ早期に治療を始めることが重要です。「少し気になるかな」と感じた段階で相談してもよいでしょう。
生活習慣を見直してみる
AGAの進行には遺伝やホルモンの影響が大きく関わりますが、生活習慣の乱れも抜け毛を悪化させる要因となります。睡眠不足やストレス、過度な飲酒、脂っこい食事などはホルモンバランスを乱し、頭皮環境にも悪影響を与えるとされています。
また、喫煙も血流を悪化させ、毛包への酸素や栄養の供給を妨げる恐れがあります。バランスの取れた食事や十分な睡眠、ストレスを溜めない生活、禁煙などを意識することで、髪の健康を維持しやすくなります。
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髪を引っ張るなど負担をかけない
普段の何気ない習慣が、気づかないうちに髪や頭皮に負担をかけていることがあります。例えば、ジェルやワックスで髪を強く引き上げるスタイル、帽子を長時間かぶる、シャンプー時に力を入れて洗うといった行為は、生え際の毛根に余分なストレスを与える原因となります。
M字部分はもともと毛が細く、DHTの影響を受けやすいため、強い摩擦や引っ張りが続くと牽引性脱毛症を引き起こす可能性があります。スタイリングの際には髪を無理に引っ張らず、シャンプーは指の腹で優しく洗うよう心がけましょう。
ミノキシジルとM字はげに関するよくある質問
ここまで、M字はげの原因やミノキシジルの効果、治療の進め方について解説してきました。最後に、治療を検討している方が気にされるポイントをおさらいしながら、よくある質問にお答えします。
Q.ミノキシジルはM字はげ(生え際)に効かないって本当?
A.ミノキシジルは頭頂部での効果が高いとされていますが、M字部分でも発毛を促す可能性があります。ただし、生え際の毛包はDHTの影響を受けやすく、すでに毛が細くなっている場合も多いため、反応には個人差があります。フィナステリドやデュタステリドとの併用治療を行うことで、より高い効果が期待できるでしょう。
Q.M字はげは治る? どこまで改善できる?
A.毛包が残っているうちは、治療によって発毛が期待できます。しかし、完全に元の状態に戻すのは難しい場合もあります。AGAは進行性の疾患であるため、早期に治療を始めるほど改善の可能性が高まります。気になり始めた段階で、まずは医師に相談しましょう。
Q.M字はげになりやすい人はどんな人?
A.家族がAGAの人は遺伝的に発症しやすい傾向があります。また、ストレスや睡眠不足、喫煙などの生活習慣も影響します。遺伝やホルモンの影響に加え、生活リズムの乱れが重なることで、進行を早める要因となります。
Q.M字はげの初期症状やサインは?
A.生え際の髪が細くなったり、コシがなくなったりするのは、M字はげの前兆となるサインです。抜け毛が増えた、額の形が少し後退して見えるといった変化も注意が必要です。気になりはじめたら定期的に写真を撮って経過を記録しておくと、変化を確認しやすくなります。
Q.M字はげの治療で後悔しないためには?
A.治療を途中で中断すると、せっかく得られた効果が失われやすくなります。副作用や費用、治療期間などについて事前に医師としっかり相談し、自分に合ったペースで継続することが重要です。
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M字はげは早期治療と正しいケアで改善が期待できる

M字はげはAGAが原因であるケースが多く、早めの対応が改善への近道です。ミノキシジルは生え際にも一定の効果が期待できますが、フィナステリドやデュタステリドとの併用でより高い治療効果が見込めます。
「生え際に効きにくいかも」と感じたときも、医師に相談することで自分に合った治療法を見つけやすくなります。また、オンライン診療を活用すれば、自宅から医師に相談可能です。無理なく治療を続けるための第一歩として、検討してみてはいかがでしょうか。
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