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コラムカテゴリ男性AGA

【医師が解説】AGA・薄毛治療は皮膚科で受けられる?

2024/03/18
監修:三上 修

薄毛でお悩みの方のなかには、クリニックに相談したいと思ったときにどこを受診すればいいか迷ってしまう方も多いと思います。インターネットで調べても皮膚科のほか、AGA専門クリニック、内科など薄毛で受診ができる医療機関はたくさんあります。

一見、どこも大きく変わらないと思ってしまいがちですが、それぞれの医療機関で特徴は異なります。今回、皮膚科とそのほかの医療機関の違いを詳しく解説しますので受診の際の参考にしてください。

薄毛や抜け毛が気になったら何科?

 

薄毛治療を扱う医療機関はクリニックから大きい総合病院まで多くあります。一般的な内科・皮膚科以外に精神科で診療を対応しているところもあり、医療機関によってさまざまです。さらには薄毛の代表的な原因であるAGA(男性型脱毛症)の専門の医療機関もあります。なぜたくさんの医療機関が薄毛治療を扱っているのでしょうか。その理由は薄毛にはさまざまな原因があるからです。一般に、円形脱毛症、脂漏性皮膚炎(いわゆるフケ)、甲状腺機能低下症、糖尿病などの生活習慣病、亜鉛や鉄欠乏などがあげられます。

薄毛の原因は多く、これだけ疾患の可能性があるとどこを受診すればいいか迷ってしまいます。まずどの診療科を受診すればいいのかについて、目安となることをお伝えします。

皮膚科

皮膚科は髪の毛や頭皮に関する病気を取り扱っている診療科です。そのため、薄毛における最初の相談窓口として適しています。

特に薄毛に加えて頭皮の湿疹やかゆみがある場合、AGAでみられる前頭部や頭頂部以外の薄毛がある場合は、皮膚科を受診するといいでしょう。AGA以外の薄毛かどうかまず調べてから治療を検討したい、頭皮以外の皮膚の症状も相談したい、自宅の近くにあるかかりつけの皮膚科で診てもらいたい方は皮膚科の受診をおすすめします。

内科

内科は一般的に全身の病気を診る診療科です。薄毛は甲状腺機能低下症、糖尿病、および薬の副作用で生じることがあります。薄毛以外にも体調がすぐれない、持病があり内服薬を使用しているなど頭部以外の症状がある方は、内科を受診してみるといいでしょう。

精神科・心療内科

薄毛は病気だけでなく、精神的なストレスの関与も考えられています。強いストレスがあると自律神経のバランスが乱れ、その結果頭皮環境が悪化し、薄毛につながる可能性があります。ですから日常生活でストレスを強く感じている方は、精神科・心療内科の受診も検討してみるといいでしょう。特に薄毛だけに限らず、ストレスによって日常生活に支障をきたしている場合におすすめします。

AGA専門病院

薄毛の代表的な原因はAGAです。すでにAGAと診断されている、またはAGAの典型的な脱毛パターンが起こっており専門的な治療を受けたいという方は、AGAの治療に特化した専門の医療機関での診療もいいかもしれません。またAGA専門の医療機関はオンライン診療に対応しているところも多く、手軽に受診・相談できるのもメリットです。

皮膚科で受けられる薄毛の治療

 

皮膚科ではAGAだけでなく、円形脱毛症や脂漏性皮膚炎などAGA以外のさまざまな疾患も取り扱います。そのため原因によりアプローチが異なります。それぞれの治療法についてみていきましょう。

AGA以外の場合

ここでは皮膚科でよく診療される薄毛の原因である円形脱毛症、脂漏性皮膚炎について簡単に解説します。

円形脱毛症

円形脱毛症はストレスが原因といわれていました。近年は自己免疫疾患と考えられておりますが明らかな原因は解明されていません。

さまざまな治療法があり、ステロイドや塩化カルプロニウムの外用薬、レーザー治療やステロイドの局所注射、グリチルリチンやセファランチンなどの内服治療を行うこともあります。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、頭皮など皮脂の分泌が多いところに炎症(湿疹)が生じることで皮膚が剥がれ落ちてフケのような状態になります。マラセチアというカビ(真菌)が関与しているとされています。

治療は、ステロイドの外用薬やカビに対して効果のある抗真菌薬の外用薬を使用します。過剰な皮脂分泌を抑えるために、ビタミン剤の内服やかゆみ止めである抗ヒスタミンを内服することがあります。

AGAの場合

多くの皮膚科ではAGA治療はガイドラインに沿って行われます2)。ガイドラインで推奨されている治療法はフィナステリドやデュタステリドの内服薬、ミノキシジル外用薬です。

フィナステリド、デュタステリドは5αリダクターゼ阻害薬と呼ばれる薬です。脱毛を促進する男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)の産生を抑えることで脱毛を抑制する効果があります。ミノキシジルは古くは血圧を下げる薬として販売されていましたが、体毛が濃くなる効果が知られるようになり、現在は発毛剤(外用薬)として使用されています。

皮膚科以外で受けられる薄毛の治療

先ほどご紹介したように、皮膚科におけるAGA治療はガイドラインに則って行われることがほとんどです。皮膚科以外で受けられる薄毛の治療は内科的な疾患がみつかったらその治療を行い、精神的な原因があればそれに対してアプローチするのが原則です。

ここでは皮膚科以外、特にAGA専門の医療機関で行われるAGA治療について説明します。AGA専門の医療機関の特徴として、より発毛効果を上げるべくガイドラインに記載されていない治療法を行っているところがありますので、それらの代表的な治療法をご紹介します。

ミノキシジル内服薬

ガイドラインにおいて、ミノキシジルは外用薬のみが推奨されています。ミノキシジルの内服薬は日本では未承認の薬ですが、外用薬よりも発毛効果が高いためAGA専門の医療機関の多くが内服薬を使用しています。

ミノキシジル外用薬

ガイドラインでもミノキシジル外用薬は推奨されており、濃度は5%までが承認されています。皮膚科では概ね5%濃度のミノキシジル外用薬を処方していますが、AGA専門の医療機関の中には15%など高濃度のミノキシジル外用薬を処方するクリニックもあります。

その他

ミノキシジル以外には毛髪に必要な栄養素である亜鉛やビタミンといったサプリメントや成長因子などが含まれた頭皮注射などを行う医療機関もあります。

薄毛治療は保険適用される?

風邪をひいた際など、一般的に医療機関で治療を受けるときは公的医療保険制度が適用されます。そのため、薄毛の治療も保険適用されると思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、薄毛治療がすべて保険適用になるとは限りません。治療内容によって保険適用される場合とそうでない場合があります。

大きく分けてAGAとAGA以外で保険適用の有無が変わってきますので、それぞれ解説します。

AGAの治療はどの医療機関でも保険適用外となる

AGAの治療はどこの医療機関で治療しても自由診療に該当するので保険適用外となります。これは皮膚科であってもそのほかの診療科、AGA専門の医療機関でも変わりありません。またAGAの治療は医療費控除の対象外となるので注意しておきましょう。

AGA以外の薄毛であれば保険適用で治療できる可能性がある

AGAではどの医療機関でも保険適用外になるとお伝えしました。一方、AGA以外の原因(円形脱毛症や皮膚炎、甲状腺機能低下症)による薄毛(脱毛)に関してはその治療に対して保険が適用されます。

AGA以外の薄毛は皮膚科に相談を

今回薄毛治療はどの診療科、どの医療機関を受診したらいいかについて説明してきました。同じ医療機関でも治療内容は異なることがおわかりいただけたかと思います。

薄毛に悩む方のなかには、ご自身の薄毛の原因がわからず不安に思う方も多くいらっしゃいます。皮膚科は自宅や勤務先などの近くにあることが多く、気軽に受診することが可能です。まずは皮膚科でAGA以外の原因がないか相談してみるといいでしょう。

出典

木下 美咲, 毛髪と全身・他臓器疾患. 杏林医会誌. 49: P163-167, 2018

日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」 (2024年2月4日時点)

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