AGAや薄毛治療は何科? 皮膚科とAGA専門クリニックの違いとは
AGAや薄毛の治療を受けたいとき、どの診療科を受診すれば良いか悩んでいる方もいるでしょう。結論として、皮膚科でもAGA専門クリニックでもAGA薬を処方してもらうことは可能です。
今回は、薄毛の原因に応じた適切な診療科や、皮膚科とAGA専門クリニックの違いについて解説しています。医療機関を選ぶ際の参考にしてください。
薄毛や抜け毛の原因によって受診する医療機関は違う
薄毛やAGA(男性型脱毛症)治療は、内科や皮膚科、AGA専門クリニックなどの医療機関が行っており、さまざまな選択肢があります。AGA治療薬の処方を希望する場合は、皮膚科またはAGA専門クリニックの受診がおすすめです。
しかし、薄毛にはいくつかの原因があり、薄毛だからといって必ずしもAGAとは限りません。何らかの病気や薬の副作用により薄毛・抜け毛が生じる場合は、その原因となる病気を治療するなど、原因に対して適切な対応が重要です。
また、薄毛の原因によっては保険が適用される場合もありますので、治療費が大きく異なる可能性もあります。薄毛・抜け毛の各症状に対し、どの診療科や医療機関が適しているのかを順番に紹介していきます。
頭皮トラブル由来の薄毛は皮膚科に相談
薄毛の原因が頭皮の湿疹やかゆみなどの頭皮トラブルに起因していると考えられる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。このパートでは、AGA以外の薄毛の原因となる疾患について解説します。
AGA以外の主な薄毛の原因
AGA以外の主な薄毛の原因として、円形脱毛症と脂漏性皮膚炎があります。それぞれの疾患を詳しくみていきましょう。
円形脱毛症
円形脱毛症とは、主に円形の脱毛斑(毛が抜けてしまう部分)ができる脱毛症であり、毛髪がある場所であればどこにでも発生する可能性があります。海外の調査によると、発症頻度は1万人あたり20.2人(0.2%)で、平均年齢は33歳、男女差はないと報告されています。
円形脱毛症の原因は、はっきりとわかっていませんが、毛包組織に対する自己免疫の過剰反応と考えられています。
日本皮膚科学会が発刊した「円形脱毛症診療ガイドライン2017年版」では、推奨度B(行うよう勧める)として以下の治療が挙げられています。
- ステロイド局所注射
- 局所免疫療法
- ステロイド外用療法
- かつらの使用
しかし、これらの円形脱毛症の治療は、保険適用外のため注意が必要です。
円形脱毛症についての詳細は、こちらの記事をご確認ください。
円形脱毛症は病院の何科に行くべき?
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、頭皮など皮脂腺の密度が高い部分に生じる炎症性の疾患です。原因は明確になっていませんが、皮膚に常在している真菌(カビ)であるマラセチア属が影響しているとされています。
脂漏性皮膚炎は、乳児と30〜70歳の成人に多く発症し、発生率や重症度には、遺伝やストレス、気候の影響(寒冷で悪化する)と関係すると報告されています。主な治療法は、抗真菌薬やステロイドなどの外用療法です。
AGAの場合も治療可能
「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」は日本皮膚科学会が作成しており、皮膚科でAGA治療を受けることができます。薄毛に加えて頭皮に湿疹やかゆみがある場合や、AGAが疑われる前頭部や頭頂部の薄毛がみられる場合は、皮膚科の受診がおすすめです。
特にAGAは進行する脱毛症であるため、気になる症状がある場合には早めの受診を推奨します。ただし、AGAの治療は自費診療となりますので注意が必要です。
AGAの特徴について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
AGAとは? 原因から治療法まで徹底解説
甲状腺機能異常症や糖尿病などが原因の薄毛・抜け毛なら内科
薄毛の原因は、甲状腺機能異常症や糖尿病による場合もあります。
甲状腺機能異常症
甲状腺は喉仏の下にある臓器で、生命を維持するために必要な甲状腺ホルモンを分泌しています。甲状腺の機能亢進または低下が起こる甲状腺機能異常症では、脈が速くなったり遅くなったり、汗をかいたり肌が乾燥したりと、全身にさまざまな症状が出てきます。甲状腺機能亢進・低下どちらでも薄毛を発症する可能性があります。
糖尿病
糖尿病は、インスリンと呼ばれる血糖値を下げるホルモンの働きが低下し、高血糖状態が続く病気です。薄毛が甲状腺機能異常症や糖尿病と直接関係している理由ははっきりわかっていませんが、血管や神経へのダメージによる血流不全など考えられています。それぞれの疾患に薄毛が併発しやすいとされています。
また、治療のために服用する薬の副作用として薄毛が報告されている薬もあります。甲状腺機能異常症や糖尿病、もしくは何らかの薬を服用していて薄毛が気になる方は、内科で相談しましょう。
ストレス由来の薄毛・抜け毛なら精神科・心療内科
薄毛は精神的ストレスが関与している可能性もあります。強いストレスにより自律神経のバランスが乱れ、頭皮環境が悪化することで、薄毛を引き起こすことがあります。海外の研究では、ストレス下に副腎から分泌されるストレスホルモンによって毛包の休止期が延長し、発毛を抑制すると報告されています。つまり、ストレスと薄毛には関連性があることが示唆されているのです。
日常生活でストレスを強く感じており、薄毛などに悩んでいる場合は、精神科や心療内科の受診を検討しましょう。
AGA専門クリニックの薄毛治療は皮膚科とどう違う?
AGA専門クリニックと皮膚科での薄毛治療の違いについて紹介します。AGA専門クリニックでは、フィナステリドやデュタステリドの他にもミノキシジルなど、さまざまな治療を受けることが可能です。
ミノキシジル内服薬はAGA専門クリニックで処方される
ミノキシジル内服薬は日本や米国をはじめ、AGA治療薬としては認可されていません。「男性型および女性型脱毛診療ガイドライン2017年版」では「推奨度:D」として「ミノキシジル内服を行うべきではない」とされています。
しかし、ミノキシジル内服薬は外用薬よりも発毛効果が高いと考えられており、AGA治療に対する有効性も認められております。もちろん副作用の観点から、医師の指導のもと効果と副作用の確認を適切に行いながら服薬することが重要です。内服薬を処方するAGA専門クリニックは多く存在し、DMMオンラインクリニックでもミノキシジル内服薬の処方は可能です。
※ミノキシジル内服薬は国内未承認の医薬品です。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
ミノキシジル外用薬は皮膚科よりも高濃度を処方可能
AGA治療に対して、皮膚科ではおおむね5%のミノキシジル外用薬が処方されています。5%ミノキシジル外用薬は、「男性型および女性型脱毛診療ガイドライン2017年版」に「推奨度:A」、「ミノキシジル外用を行うよう強く勧める」と記載されています。
しかし、一部のAGA専門クリニックでは、15%などの高濃度のミノキシジル外用薬を処方することもあります。DMMオンラインクリニックでも、15%ミノキシジル外用薬の処方が可能です。
※15%ミノキシジル外用薬について詳しくはこちら
オリジナルサプリメントや頭皮注射を扱うところも
ミノキシジル以外にも、毛髪に必要な栄養素であるリジンや亜鉛、ビタミンなどのサプリメントや、成長因子が含まれた頭皮注射などを行う医療機関もあります。
「まずは皮膚科から」でもOK! 早期の治療開始が重要
薄毛に悩んでいる方のなかには、薄毛の原因がわからず、どの医療機関を受診すればいいか迷っている方もいるでしょう。AGAは進行性の脱毛症であり、迷っている間にも薄毛が進んでしまう可能性があります。そのため、早期の診断と治療開始が重要です。もしAGA専門クリニックの受診に抵抗がある場合は、まずは近くの皮膚科を受診してみましょう。
また、オンライン診療を行っている医療機関も存在します。オンライン診療なら自宅にいながら診察が受けられるため、近くに皮膚科やAGA専門クリニックがない方や、人目に触れずに治療を行いたい方におすすめです。自分のライフスタイルに合わせて、オンライン診療もうまく活用していきましょう。
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