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フィナステリドが効かないのはなぜ? 進行が止まらない原因と“次の一手”

2025/09/30
監修:辛島 史憲

「フィナステリドを飲んでいるのに効果がない……」と悩む方は少なくありません。効果を実感しにくい背景には、服用期間の短さ、薄毛の進行度、生活習慣の乱れ、体質や遺伝といった複数の要因が関係しています。

この記事では、臨床研究などの医学的根拠をもとに原因と対処法を整理し、適切なタイミングで効果を評価する目安について解説します。さらに、デュタステリドへの切り替えやミノキシジルの併用、再診・検査といった次の一手もわかりやすく紹介します。

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フィナステリドとは?|効果と特徴

フィナステリドとは、男性型脱毛症(AGA)の進行を遅らせる薬です。男性ホルモン(テストステロン)がジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを抑制し、脱毛の進行を抑える効果が期待できます。

頭頂部や前頭部中央で効果があらわれやすい一方、額の生え際が後退してできるM字部分では効果を感じられないケースもあります。効果を正しく判断するには、少なくとも6ヶ月以上の継続が推奨されています。スマートフォンの写真などで経過を記録しておくと、医師と一緒に変化を評価しやすくなるでしょう。

作用メカニズム|AGAの進行を止める仕組み

男性ホルモンであるテストステロンは、ヒゲや体毛を濃くする働きがあります。しかし、前頭部や頭頂部では逆に髪を細く弱くする作用をもちます。特に、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞に運ばれたテストステロンは、「5α還元酵素」の働きによって、より活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されてしまいます。

DHTは髪をつくる毛母細胞の働きを弱め、毛周期のうち「成長期」を短くします。毛周期が短くなると、毛は細く短くなり、毛量が少なくなっていくのです。フィナステリドは、5α還元酵素の働きを抑えてDHTへの変換を阻害し、脱毛の進行を抑えます。

効果判定の目安は6ヶ月

フィナステリドの効果はすぐにはあらわれません。髪の毛には、成長期・退行期・休止期からなる毛周期があり、少なくとも6ヶ月以上の継続が評価に必要です。臨床試験でも改善を評価しているチェックポイントは半年以降で、1年前後で自覚する例が多いと報告されています。効果を確認する際は、定期的に気になる部分をスマートフォンなどで撮影しておくと、医師と一緒に評価しやすくなります。

効果が出やすい部位と出にくい部位

フィナステリドは、特に頭頂部や前頭部の中央で効果が認められています。フィナステリドを服用した人は、プラセボ(偽薬)を用いた人と比べて、太くしっかりした毛(硬毛)の本数が有意に増加したとの報告があります。一方で、M字部分のように効果を感じにくい部位もあります。効果の出方には個人差があることを理解しておきましょう。

副作用

フィナステリドは多くの臨床研究で有効性と安全性が確認されており、古くから使われている薬です。まれに性欲の低下や勃起機能の変化、精液量の減少といった副作用が報告されていますが、その頻度は高くありません。実際には多くの方が大きな問題なく服用を続けています。気になる症状があれば医師に相談し、必要に応じて対応を検討するとよいでしょう。

詳しくは以下の記事で解説しています。

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フィナステリドが効かないと感じる8つの原因

フィナステリドが効かないと感じるのは、主に以下のような要因が考えられます。それぞれについて詳しく解説します。

  • 服用期間の不足
  • 部位・進行パターンの違い
  • 服薬方法の誤り
  • 個人輸入で購入した薬の使用
  • 高度な進行度
  • 体質・遺伝的要因
  • AGA以外の脱毛症
  • 生活習慣・健康状態

【1】服用期間が短い

フィナステリドは、飲み始めてすぐに効果を実感できる即効性のある薬ではありません。そのため、短期間での効果を期待している場合、「効かない」と感じる可能性があります。

髪の毛は毛周期と呼ばれるサイクルで成長するため、新しい毛が太くしっかり生えるまでには時間がかかります。臨床研究でも、半年以降での改善評価をしており、3ヶ月程度で効果を判断するのは早いといえるでしょう。まずは6ヶ月から1年を目安に継続し、経過を観察する必要があります。

【2】部位・進行パターンの違い

フィナステリドは頭頂部や前頭部中央では効果が認められており、M字部分などは効果が出にくいとされています。これは、部位による毛包の特性や密度の違いが関係していると考えられます。毛包が消失した部位では反応が乏しく、進行度により差が出ます。

また、毛包が消失している部分では効果が期待しにくいのが特徴です。部位や進行度によって、反応に差があることを理解しておく必要があります。

【3】きちんと薬を飲めていない

フィナステリドは医師の指示を守り、毎日決まった時間に継続して服用する必要があります。飲み忘れたり、自己判断で中断したりすると、十分な効果が得られず「効かない」と感じる原因になります。

【4】個人輸入で購入した薬を飲んでいる

個人輸入やインターネット通販で購入したフィナステリドは、成分が明確でない場合や偽薬の可能性があります。効果が得られないだけでなく、安全性のリスクも伴うため注意が必要です。

【5】進行度が高い

フィナステリドは、脱毛の初期段階で使用すれば進行を抑える効果を実感しやすいです。しかし、進行がかなり進み、毛包が消失しているケースでは効果実感に乏しくなるでしょう。

特に、長期間放置して頭皮が透けて見える状態になると、フィナステリドのみでの回復は難しいとされています。できるだけ早期に治療を開始し、必要に応じてミノキシジル(内服・外用)や他の治療法との併用も検討しましょう。

【6】体質・遺伝的要因

フィナステリドの効果には個人差があり、体質や遺伝によって効きにくいケースもあります。特にAGAは、遺伝的要素の影響が大きいとされます。父方に脱毛症がある男性と、そうでない男性を対象にした研究では、父方に脱毛症がある男性の方が、約2倍脱毛症になりやすいと報告されています。

また、母方に脱毛症がある場合も、発症リスクが高まる要因となり得ます。つまり、家族に脱毛症の方がいれば、自分も発症しやすく、薬の効果にも影響が及ぶことがあります。

【7】AGA以外の脱毛症

フィナステリドはAGAにのみ有効であり、他の脱毛症には効果が期待できません。例えば、自己免疫反応による円形脱毛症や、皮脂の影響で生じる脂漏性脱毛症、甲状腺疾患や栄養不足によるびまん性脱毛症などが挙げられます。これらはAGAと発症の仕組みが異なるため、フィナステリドを服用しても改善が見込めません。思うような効果が感じられないときは、医師の診察を受け、他の脱毛症の可能性を確認しましょう。

※「日本皮膚科学会 皮膚科Q&A 『Q10. 円形脱毛症とはどのような病気なのでしょうか?』」を参考に作成

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【8】生活習慣・健康状態

生活習慣や全身の健康状態も、フィナステリドの効果に影響を与える要因の一つです。慢性的な睡眠不足や強いストレス、喫煙は健康全般に悪影響を及ぼし、結果として髪の状態に影響する可能性があります。

また、偏った食事や急激なダイエットで栄養不足が続くと、髪に必要なタンパク質や亜鉛が不足し、髪が細く弱くなることがあります。さらに、甲状腺疾患などの基礎疾患やメタボリックシンドロームがある場合も、薄毛が進行しやすい傾向があるため注意が必要です。

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フィナステリドの効果が出ないときに試すべき対処法

フィナステリドを服用しても効果を実感できないからといって、すぐに「効かない」と判断しないようにしましょう。まずは生活習慣の改善に取り組み、必要に応じて薬の変更や併用療法を検討します。また、診断を見直すことも大切です。この章では、具体的な対処法と次のステップを紹介します。

服用継続と正しい服薬管理

フィナステリドは、毎日一定量を継続して服用することが重要です。飲み忘れや自己判断での中断があると、十分な効果が得られず「効かない」と感じる大きな要因となります。少なくとも6ヶ月程度の継続が推奨されており、毎日同じ時間に服用する習慣をつけると続けやすくなります。スマートフォンのリマインダーや服薬管理アプリを活用するのも効果的です。

治療の見直し

フィナステリドを6ヶ月以上継続しても効果が実感できない場合は、治療内容の見直しが必要です。フィナステリドは2型5α還元酵素のみを阻害するのに対し、デュタステリドは1型と2型の両方を阻害します。そのため、より広くDHTの生成を抑え、フィナステリドより高い効果が報告されています。

また、発毛を促すミノキシジル(内服・外用)の併用も効果的です。脱毛の進行度や体質によって適した治療法は異なるため、医師と相談して自分に合った治療計画を立てましょう。

※ミノキシジルは、国内において頭皮に塗布する一般用医薬品として承認されています。内服薬としては未承認の医薬品であり、万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
※ミノキシジル外用薬のうち、含有量が5%より多いものは国内未承認です。

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生活習慣の改善

薬の効果を得やすくするためには、生活習慣の見直しも欠かせません。食事はタンパク質・脂質・炭水化物に加え、ビタミンやミネラルをバランスよく摂るようにしましょう。アルコールは適量を心がけ、タバコは控えることが推奨されます。睡眠不足も避けましょう。運動はウォーキングやジョギング、筋トレなど自分に合った方法から始めてみてください。健康的な生活習慣は、治療効果を支えるために不可欠です。

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診断の再確認

フィナステリドはAGAの治療薬であり、他の脱毛症には効果が見込めません。例えば、円形脱毛症や甲状腺疾患が原因で起こる脱毛には効果がありません。6ヶ月以上服用しても効果が感じられない場合は、医師に再度相談して診断を見直すことを検討しましょう。

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フィナステリドの効果を判断|セルフチェックリスト

フィナステリドの効果を適切に評価するには、漫然と「効かない」と決めつけないことが大切です。以下のポイントを確認すると、自分の治療状況を客観的に振り返りやすくなります。

【1】服用期間は6ヶ月以上か

6ヶ月未満の服用では効果を判断できません。

【2】毎日欠かさず飲めているか

飲み忘れがあると効果が出にくくなります。

【3】医師から処方された薬か

個人輸入品は偽薬や不純物混入のリスクがあります。

【4】進行部位はどこか

フィナステリドはM字部分には効きにくい傾向があります。

【5】抜け毛量や産毛の有無を記録しているか

写真やメモを残すと変化を確認しやすくなります。

よくある質問

フィナステリドについて詳しく解説してきましたが、ここでは改めて要点を整理します。「なぜ効かないのか」「どのくらい効果が続くのか」「前頭部やM字にも効くのか」など、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。基本的な仕組みや注意点を振り返りながら、治療を続ける上での判断材料にしてください。

Q.フィナステリドが効かない理由は?

A.主な原因は服用期間の不足や、飲み忘れ・自己中断などの服薬管理の問題です。さらに、頭頂部には効きやすい一方で、M字部分など部位によって効果が乏しいケースもあります。進行がかなり進んで毛包が消失している場合も、効果は出にくくなります。

そのほか、体質や遺伝の影響、生活習慣の乱れ、あるいはAGA以外の脱毛症である可能性も考えられます。

Q.フィナステリドの効果はどのくらい持続する?

A.フィナステリドの効果は、服用を続けている間は持続します。しかし服用を中止すると数ヶ月で効果が消失し、再び脱毛が進行してしまいます。長期的な改善を望むなら、効果実感後も継続が必要です。

Q.フィナステリドは前頭部の薄毛やM字にも効く?

A.フィナステリドは頭頂部や前頭部中央では効果を実感しやすいとされています。一方、額の生え際が後退してできるM字部分では、効果が乏しい可能性があります。これは部位によって毛包の特性が異なるためです。改善には時間を要することが多く、ミノキシジル(内服・外用)など他の治療を併用するケースもあります。

Q.フィナステリドだけで薄毛は治せる?

A.フィナステリドは脱毛の進行を抑える薬のため、単独で大きな発毛効果を得るのは難しい場合がありますが多少の増毛・硬毛化(髪が太くなること)は認められています。しっかりとした発毛を目指す際には、ミノキシジル(内服・外用)との併用や生活習慣の改善もあわせて行うことが推奨されます。

Q.フィナステリドで髪は太くなる?

A.フィナステリドには、細く弱った髪を太く育てる効果が期待できます。DHTを抑えることで毛母細胞の働きが守られ、成長期が延長し、徐々にしっかりした髪に戻る効果が報告されています。

Q.妊活中はフィナステリドを中止した方がいい?

A.妊活中であっても、基本的には服用を続けても問題ありません。フィナステリドが精液に移行する量はきわめて少ないため、胎児に影響を及ぼすリスク(催奇形性)は低いとされています。

ただし、副作用として性欲の低下や精液量の減少が起こることがあり、妊活に影響を及ぼす可能性があります。一方で、3ヶ月ほど休薬すれば体内からの影響はほぼなくなると考えられています。もし不安がある場合は、医師と相談し休薬を検討するとよいでしょう。

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フィナステリドが効かないと感じても、焦らず正しい治療を

フィナステリドはAGA治療の基本薬であり、効果を実感するには少なくとも6ヶ月以上の経過観察期間が必要です。特に頭頂部や前頭部中央では効果があらわれやすい一方、M字部分では効果が乏しい場合もあり、部位によって差が生じる可能性があります。

効果を感じにくいときも、焦らずに治療を続けることが求められます。服薬の習慣化、生活習慣の見直し、他の薬との併用によっても改善につながります。定期的に医師の診察を受け、治療を継続していきましょう。

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