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コラムカテゴリ男性AGA

AGA治療中は禁酒すべき? 飲んでもいいタイミングは?

2024/05/27
監修:三上 修

男性型脱毛症(AGA)を薬で治療するにあたり、いろいろと気になることはあると思います。中でも、毎日薬を使用することから、「お酒をやめなければならないのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。薬によってはお酒と一緒に飲むと、十分な効果を発揮できなかったり、副作用が現れたりするものがあるので、お酒の好きな方は気になるところです。今回はAGA治療中の飲酒についての情報を中心にお届けします。

大酒飲みはAGAになりやすいの?

「酒は百薬の長」という言葉があるように、お酒は古来より健康によいものとされてきましたが、科学の進歩に従い、弊害も明らかになってきました。このコラムを読んでいる方は毛髪への影響も気になると思います。このパートでは、飲酒がAGAに及ぼす影響について説明していきます。

飲酒は見た目の老化につながる

飲酒と喫煙は、見た目の老化につながりやすいことが以前から報告されています。

飲酒や喫煙をはじめとする生活習慣因子と、外見で確認できる老化との関係を調べた研究では、飲酒や喫煙の程度が、

  • 老人環(黒目周辺の灰白色の濁り)
  • 黄色腫(上まぶたの黄色いできもの)
  • フランク徴候(耳たぶのしわ)

といった高齢者によくみられる見た目の変化と関係していました。

ただし、この研究では、飲酒とAGAとの関係はみられませんでした。

※喫煙については、以下の記事もあわせてご確認ください。
喫煙でAGAリスクが1.8倍に? タバコはやめるべき?

飲酒とAGAは関係しているという報告も

これとは反対に、飲酒とAGAは関係しているという報告もあります。

韓国で通院しているAGAの人を対象とした研究では、食生活や睡眠習慣とAGAの重症度に関係はみられませんでした。一方、飲酒と喫煙に関しては、AGAの重症度との関係が認められました。

また、オーストラリアの40〜69歳の人を調べた研究では、飲酒が前頭部及び頭頂部のAGAに関係していることが明らかになりました。ただし、完全なAGAには関係していませんでした。

AGAは遺伝の影響の方が大きい

飲酒がAGAと関係しているという報告はいくつかあるものの、飲酒によってAGAが引き起こされるメカニズムなどはよくわかっていません。先ほど紹介した韓国の研究では、AGAの家族がいる人は、若いうちからAGAになりやすく、また、より進行しやすいことが明らかになりました。飲酒や喫煙といった生活習慣より、AGAのなりやすさや進行のしやすさに遺伝が関係していると推測されます。

AGAの家族がいる人がたくさんお酒を飲めば、若いときからAGAになり、進行も速くなる可能性があります。気になる人はお酒を控えた方がよいかもしれません。

AGA治療中は禁酒した方がいい?

「薬を使用している間はお酒を控えた方がよい」という話はよく耳にするかと思います。実際、お酒と一緒に使用することによって、期待しているような効果が得られなかったり、予期せぬ副作用が現れたりするような薬もあります。薬を服用中の飲酒には注意が必要です。このパートでは、代表的なAGA治療薬を使用中に飲酒できるかどうかについて説明します。

AGA治療薬を飲んでいる時にお酒を飲むのは大丈夫?

フィナステリド、デュタステリドは注意喚起なし

AGA治療薬のうち、フィナステリド、デュタステリドに関しては、アルコールで効果が変化したり、副作用が発現しやすくなったりという注意喚起はなされていません。

ミノキシジル(内服薬、外用薬)は血管拡張作用があるため注意

一方、ミノキシジルは元々血圧を下げる薬として開発されたこともあり、外用薬にしても飲み薬にしても、薬が行き届いた部分の血管を広げます。また、アルコールも飲むと血管が広がります。お酒を飲むと、人によっては顔や体が赤くなりますが、これはアルコールの血管を広げる作用によるものです。

そのため、ミノキシジルを使用しているときにお酒を飲むと、血管が広がり、血圧が下がりすぎる可能性があります。ミノキシジルの使用中はお酒を控えるか、お酒を飲む時間から間隔を空けてミノキシジルを使用した方がよいでしょう。

肝臓への影響は?

アルコールといえば、気になるのが肝臓への影響です。AGA治療薬のうち、フィナステリドとデュタステリドに関しては肝臓経由で体外に排泄されますので、気になる人はこれらの薬でもお酒を控えた方がよいかもしれません。

お酒を飲む人は薬の飲み忘れに注意!

AGA治療薬の使用中にお酒を飲むことに関しては、お酒を飲む時間から十分に時間をおけば、ほぼ問題ないと考えられますが、お酒を飲む人にはもう一つ問題があります。

それは飲み忘れです。薬は決まった時間に飲む必要がありますが、夕食後や就寝前に薬を服用すると決めている人は、お酒を楽しんだ後、つい薬を飲み忘れた経験があるのではないでしょうか。

このような飲み忘れを防ぐために、

  • お酒を控える
  • 薬を飲む時間を朝に変更する
  • スマホや時計のアラームを活用する

など、工夫してみましょう。

禁酒によりAGAが改善するという報告はない

飲酒がAGAの進行を早めるという報告はありますが、禁酒することによりAGAが改善するという報告はありません。ただし、進行が遅くなる可能性はあるので、禁酒が無駄というわけではありません。

また、飲酒は太りやすい食生活に結びついています。肥満や体重もAGAと関係がありますので、禁酒によって健康な髪を保つ生活を送ることができるでしょう。

飲酒する人は健康に配慮した飲酒を心がけよう

厚生労働省は、2024年2月に「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインでは、AGAに関係なく、国民一人ひとりが健康に対する飲酒の影響を知り、不適切な飲酒を減らすことが求められています。

「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、飲酒による身体等への影響や飲酒による疾病・行動に関するリスクが紹介されています。さらに考慮すべき飲酒量や健康に配慮した飲酒の方法、飲酒の際の留意事項が示されています。

■我が国における疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)飲酒の影響はAGAに限ったことではありません。健康に配慮して、適度な飲酒を心がけましょう。また、薬を飲む際は水や白湯で飲むようにし、飲み忘れがないよう、飲む時間の変更やアラームを活用するなどの工夫を行いましょう。

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