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コラムカテゴリ男性AGA

AGA治療薬の種類と効果! 薄毛改善と発毛に効く薬の選び方指南

2024/11/22
監修:辛島 史憲

AGA(男性型脱毛症)の治療を考えている方にとって、どの治療薬を選ぶかは重要なポイントです。この記事では、薄毛の改善と発毛を促進するために使用される主な薬の効果や副作用について詳しく解説します。

AGA治療薬の種類を正しく理解し、自分に合った薬を選択することで、効果的な薄毛対策につながります。どのAGA治療薬が自分に合っているかを知りたい方は、参考にしてみてください。

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AGAが起こる仕組み

男性型脱毛症(AGA)は、成長期・休止期・退行期からなる毛周期のうち、成長期が短くなり、休止期にとどまる毛包が多くなることで起こります。その原因の一つは、男性ホルモンであるテストステロンです。

一般的に男性ホルモンは、骨や筋肉の発達を促し、ひげや胸毛などの体毛を濃くする働きを持ちます。一方で、前頭部や頭頂部の毛髪に対しては、薄毛を引き起こす方向に働きます。前頭部や頭頂部には、毛の成長に必要な「毛乳頭細胞」があり、男性ホルモン受容体が存在します。毛乳頭細胞に運ばれてきたテストステロンは、5α還元酵素Ⅱ型の働きによって活性が高い「ジヒドロテストステロン(DHT)」に変換されます。このDHTが男性ホルモン受容体に結合し、毛髪を形成する毛母細胞の増殖を抑制し、成長期が短縮することで薄毛が進行するとされています。

守り(抜け毛防止)と攻め(発毛促進)のAGA治療薬

抜け毛を防ぐ、守りのAGA治療薬

AGA治療薬として国内で承認を取得している処方薬は、2005年に発売された「フィナステリド」と2016年発売の「デュタステリド」です。

AGAは、5α還元酵素によってテストステロンから変換されたDHTが主な原因です。フィナステリドとデュタステリドは、どちらも5α還元酵素を阻害することで、抜け毛を防ぐ守りのAGA治療薬です。また、それぞれの薬剤が使用された臨床試験では、抜け毛を防ぐだけではなく、毛髪量が増えている報告もあります。

【抜け毛を防ぐ】フィナステリド

フィナステリドは、テストステロンからより活性の高いDHTに変換するⅡ型5α還元酵素Ⅱ型の阻害薬です。その効果と安全性は、国内外の多数の臨床試験で確認されています。男性型脱毛症に対する12件の臨床試験を併せて解析したところ、フィナステリド投与開始6カ月後と24カ月後において、脱毛部1cm2あたりの硬毛数が、プラセボ(偽薬)投与群と比較して有意に増加していました。ただし、副作用である性機能障害は、プラセボ投与群よりもフィナステリド投与群が多い傾向にありました。

一方で、フィナステリド0.2mgまたは1mgを投与した臨床試験では、以下の結果となっており、性機能障害が副作用としてあらわれる可能性は高くないことがわかります。

  • EDの発生頻度:0.7%(276人中2人)
  • リビドー減退の発生頻度:1.1%(276人中3人)

用法用量をしっかり守った上で、もし気になる症状があらわれた場合は、医師に相談しましょう。

フィナステリドを含めたAGA治療薬とEDの関係については、こちらの記事をご覧ください。
AGA治療薬で性欲減退やEDに? 副作用とその対処法

【抜け毛を防ぐ】デュタステリド

デュタステリドは、5α還元酵素Ⅰ型・Ⅱ型に対する阻害薬です。フィナステリドと同様に、多くの臨床試験結果が発表されています。16件の臨床試験に参加した合計4,950名の男性被験者を解析した報告では、デュタステリドを使用したグループは、プラセボ投与群と比べて優れた効果を示していました。また、副作用の一つである性機能障害については、フィナステリドとの差はみられなかったと報告されています。

フィナステリドとデュタステリドのどちらを服用するか悩んでいる方は、こちらの記事をご覧ください。
デュタステリドとフィナステリド、選ぶならどっち? 効果と副作用

発毛を促進する、攻めのAGA治療薬

ミノキシジルは、発毛を促し、脱毛の進行を防ぐ効果が認められている成分です。国内では、1999年に大正製薬の「リアップ」がダイレクトOTC医薬品として厚生労働省に認可されました。

通常、OTC医薬品(ドラッグストアなどで処方箋なしに購入できる医薬品)として承認される前には、一定期間医療用医薬品として使用され、審査が行われます。一方、国内で医療用医薬品としての実績がない新しい有効成分を含む医薬品が、OTC医薬品として承認されるケースをダイレクトOTCといいます。

ミノキシジルが発毛を促す機序は、「毛乳頭細胞の増殖作用」「毛母細胞のアポトーシス抑制」「毛組織血流改善作用」によるとされています。

【発毛促進】ミノキシジル(外用薬・内服薬)

ミノキシジルには、外用薬と内服薬の2種類があります。ミノキシジルの外用薬は、頭皮に塗布することにより局所での効果を期待される医薬品です。全身性の副作用を軽減し、発毛を促進し脱毛を予防します。主な副作用としては、発疹・発赤や頭痛、胸の痛みなどが報告されています。使用中に違和感を覚えた際には、直ちに使用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。

また、ミノキシジルには内服薬もあります。ミノキシジル内服薬は国内では未承認ですが、海外では「ロニテン」という製品名で高血圧の治療薬として販売されています。一般的な皮膚科で処方されることは少なく、主にAGA専門クリニックで医師の指導のもと処方されています。ミノキシジル内服薬は、外用薬と比べて体内への吸収率は高いですが、血圧低下やむくみ、動悸、ふらつきや息切れ、多毛症などの全身性の副作用に注意が必要です。

ミノキシジルの副作用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
ミノキシジルの効果と副作用 塗り薬(外用薬)だけで良い?

AGA治療薬の選び方

抜け毛を防ぐ守りのAGA治療薬、発毛を促進する攻めのAGA治療薬を紹介してきました。では、治療薬を選ぶ際にどのように選べばいいのでしょうか。この章では、守りのAGA治療薬から攻めのAGA治療薬への移行、そして副作用と費用について紹介します。

まずは抜け毛を防ぐ守りの治療薬から開始

抜け毛が気になる方は、まずは守りの治療薬「フィナステリド」「デュタステリド」から始めることをおすすめします。薄毛の進行を抑えながら、毛髪が成長するのを待ちましょう。

さらに発毛効果を実感したい場合の攻めの治療薬

フィナステリドやデュタステリドだけでは効果不十分な場合や、発毛効果もしっかりと得たい場合は、ミノキシジルの併用を検討しましょう。

フィナステリドとミノキシジル外用薬を併用した場合の研究では、5件の臨床試験を併せて解析した結果が報告されています。その結果、併用療法はフィナステリドまたはミノキシジル外用薬の単独療法よりも写真でのスコア評価が有意に高く、改善がみられた患者の数も多かったとされています。また、AGAが悪化した患者や変化がみられない患者数は少なく、安全性には差がなかったという結果でした。

副作用を考慮し、体質に合ったものを選ぶ

どの薬にも副作用はあります。特にミノキシジル内服薬は、循環器系の副作用が報告されており、心臓や腎臓に基礎疾患がある方は特に注意が必要です。服薬し何か気になる症状が出た際には、早めに医師に相談することをおすすめします。

また、普段飲んでいる薬との併用にも注意が必要であるため、お薬手帳などを活用し、普段飲んでいる薬を処方医師や薬剤師に確認しておきましょう。

費用を確認する

AGA治療薬は保険が適応されないため、全額自己負担となります。費用はクリニックのサイトなどで事前に確認し、予算に合った治療薬を選ぶことが重要です。

AGA治療薬は継続することで効果を実感できるため、費用面で治療を中断することにならないように、治療を始める前に費用をシミュレーションしておくことが大切です。

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AGA治療薬の使用は医師に相談を

AGA治療薬を使用するには、医師の処方が必要です。インターネットなどで類似品を購入することはできますが、安全性や効果の保証はされていません。安全で効果的なAGA治療を行うには、医師の診察を受けることをおすすめします。

そして、AGA治療はじっくりと取り組むことが必要となります。「なかなか時間が取れない」「誰かに見られたら恥ずかしい」などの場合は、自宅からでも受診できるオンライン診療も、選択肢のひとつとして検討してみましょう。

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出典

ミノキシジルについて

◆未承認医薬品等
本診療科目に用いるミノキシジルは、頭皮に塗布する一般用医薬品として国内において承認されています。内服薬としては未承認の医薬品です。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックが本治療に用いる海外製の医薬品・機器等は厚生局の正式なプロセスを経て、提携クリニック所属の医師の判断の下、個人輸入をしたものになります。
◆国内の承認医薬品等の有無
国内において、脱毛症治療薬として承認されている同一成分の内服薬はありません。外用薬(1%や5%)は一般医薬品として承認されています。
◆諸外国における安全性等に係る情報
アメリカ食品医薬品局(FDA)において内服薬は高血圧症治療薬として承認されています。外用薬(2%や5%)はアメリカ食品医薬品局(FDA)において脱毛症治療薬として承認されています。

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