薄毛の進行を遅らせる食べ物とは? 避けるべき食生活も解説
薄毛やAGAに悩む方にとって、食べ物がどのくらい影響しているかは気になるもの。食生活が直接の原因ではありませんが、薄毛や抜け毛の症状が進行する一因になる可能性はあります。
この記事では医師監修のもと、髪の毛にいい食事・悪い食事について解説します。栄養素や食品によって期待できる働きが異なりますので、ご自身の悩みに合った食材を見つけてください。
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薄毛と食べ物の関係性
結論を言うと薄毛と食べ物に直接的な因果関係はありません。しかし、髪の毛の環境は食事を中心とした生活習慣に大きく影響されます。そのため、不規則な生活習慣が薄毛の進行に悪影響を与えている可能性は十分にあります。ここでは、食生活と薄毛、そして髪の毛にとって影響を与える可能性がある栄養素について解説します。
食生活が原因で薄毛になることはある?
薄毛の原因には多くのものがあり、代表的なのはAGA(男性型脱毛症)です。AGA以外には、円形脱毛症やストレス、甲状腺機能の異常などがあります。食生活そのものが薄毛に直接影響を与えるかというとそうではありません。
しかし、髪の毛にも栄養は必要です。つまりバランスのとれた食生活は、体そのものの健康だけでなく、髪の毛にとっても必要な栄養素を摂取するという意味でとても大切なことです。
偏った食生活で髪の毛に必要な栄養素が不足すると、髪の毛が乾燥しパサつきやすくなる、傷みやすくなる、髪の成長が遅れるといったことがおこる可能性があり、薄毛や抜け毛の症状が進行することも考えられます。
髪の毛にいい影響を与える栄養素
食生活が髪の毛の環境に影響を与えるとはいいますが、具体的にどのような栄養素が髪の毛にとっていいものなのでしょうか。具体的な食べ物の話をする前に髪の毛に必要な栄養素をおさえましょう。必要な栄養素を理解しておくと、どのような食べ物を選べばいいか把握しやすくなります。
①タンパク質
髪の毛の主な成分はケラチン繊維といい、20種類のアミノ酸で構成されています。ケラチンはほぼタンパク質で占められています。そのためタンパク質が不足してしまうとケラチンが不足してしまい、髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりします。
②鉄
鉄は血液の酸素を全身に運ぶ赤血球の主な材料です。鉄が足りないと髪の毛に十分な酸素が届かなくなってしまいます。
③ビタミンB群
髪の発育を促したり、過剰な皮脂の分泌を抑えたりする働きがあります。
④亜鉛
亜鉛は髪の毛に含まれる細胞や組織の新陳代謝を活発にする働きがあります。そのため、亜鉛が不足すると抜け毛が増えてしまいます。
薄毛対策におすすめの食べ物13選
ここでは髪の毛にとって特にいい影響のある食べ物について解説します。
肉・卵・乳製品
①牛肉
牛肉、特に赤身肉にはタンパク質や鉄、亜鉛が多く含まれています。脂肪の多い部分は控えるとよりいいでしょう。
②鶏ささみ肉
鶏ささみ肉は他の肉類と比べてタンパク質が多いわりにカロリーが低いのが特徴です。またビタミンB群も多く含まれています。
③レバー
タンパク質、ビタミンB群、鉄、亜鉛が多く含まれており、髪の毛にとってはいい食品といえます。特に亜鉛が豊富に含まれているのが特徴です。
④卵
卵は栄養素が豊富な食べ物です。髪の毛に必要なタンパク質、ビタミンB群、亜鉛が多く含まれています。しかし、生卵の食べ過ぎには注意が必要です。その理由として生卵の白身には「アビジン」という成分が含まれており、この成分がビタミンB群の一つで髪の毛の発毛を促す働きのある「ビオチン」の吸収を阻害する働きがあるからです。
⑤乳製品
チーズやヨーグルトなどが代表的です。タンパク質をはじめビタミンB群や亜鉛も含まれています。乳製品には乳脂肪分も含まれており、摂取し過ぎると脂質が過剰になるので気を付けましょう。
魚介類・海藻類
⑥牡蠣
牡蠣の代表的な栄養素は亜鉛です。牡蠣は100gあたり亜鉛が14.5mg*と他の食品と比べて非常に多く含まれています。
*日本食品標準成分表2015年版(七訂)
⑦シジミ
鉄、亜鉛、ビタミンB群、アミノ酸などが豊富に含まれています。またミネラルも豊富で頭皮環境を整えることも期待できます。
⑧海藻
海藻類にはミネラルが多く含まれているのが特徴です。また亜鉛やビタミンB群、タンパク質もバランスよく含まれています。
野菜・果物・穀物
⑨大豆
大豆はタンパク質が豊富に含まれているだけでなく、イソフラボンが含まれているのが他の食べ物と異なる特徴です。大豆イソフラボンは、女性ホルモン(エストロゲン)と構造が似ているため、体内で女性ホルモンと同じ働きをすることが報告されています。そのため健康維持や美容目的で摂取される方もいます。また抜け毛を促す男性ホルモンの働きを阻害します。
⑩バナナ
タンパク質、ビタミンB群、亜鉛などが豊富に含まれています。また腸内環境を整えたり、ストレスをやわらげる効果も期待できます。
⑪ニンジン・ほうれん草などの緑黄色野菜
ミネラルとビタミンが豊富に含まれています。緑黄色野菜にはビタミンAが多く、髪の毛を作るサイクルをサポートする働きがあります。
⑫ゴマ
ビタミンB群や亜鉛などが豊富に含まれます。特にゴマは髪の毛の主成分であるケラチンに含まれる「シスチン」と呼ばれるアミノ酸が多く含まれています。
⑬ナッツ類
ピーナッツ、アーモンド、クルミ、カシューナッツなどのナッツ類にはタンパク質、ビタミン類、亜鉛が豊富に含まれています。ただし、ナッツ類は油脂分も多く含まれているため、とり過ぎには注意しましょう。
薄毛対策のために避けた方がいい食生活
ここまで髪の毛にとって必要な栄養素と食べ物についてお話ししてきましたが、反対に髪の毛にとってよくない栄養素や食生活とはどのようなものなのか気になりますよね。ここでは薄毛対策をするうえで避けたほうがいい食習慣について解説します。
脂質の多い食べ物や、糖質中心の食事ばかりをとる
①脂質の多い食事
脂肪(脂質)は植物性と動物性に分けられますが、髪の毛にとって特に気をつけたいのが動物性脂肪のとり過ぎです。動物性脂肪を多くとり過ぎると皮脂が過剰に分泌されてしまい、毛穴が詰まったりフケの原因になったりします。毛穴が詰まってしまうと、頭皮へ髪の毛の成長に必要な栄養が届かなくなってしまう恐れがあります。ラーメンや揚げ物など脂質の多い食事はとり過ぎに注意が必要です。
② 糖質の多い食事
糖質を多くとり過ぎてしまうと脂質のとり過ぎと同じく、皮脂が過剰に分泌されてしまいます。過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、頭皮環境が悪化します。糖質を多くとるとなぜ皮脂が多くなるのか疑問に思う方もいるでしょう。実はとり過ぎた糖質は体の中で脂肪として蓄えられます。具体的にいうと、過剰な糖質は血液の中性脂肪が増加する原因となります。中性脂肪が増えすぎると、血行が悪化して頭皮に十分な栄養が行き渡らなくなります。糖質が多い食べ物は米やパンといった主食の他にジュースやスイーツなどの甘いものが代表的です。主食は体を動かすうえで必要なものですので、ジュースやスイーツなどを控え目にするといいでしょう。
また、脂質や糖質をとり過ぎる方はタンパク質の摂取量が少ない傾向があります。タンパク質は脂質、糖質と並ぶ3大栄養素であり、髪の毛にとっては脂質、糖質以上に欠かせない栄養素ですので不足することがないよう注意しましょう。
就寝前の食事
睡眠中は髪の毛の発育に必要な成長ホルモンが分泌されるため頭皮の血流を保つことが大切です。しかし、寝る前に食事をとると、食べ物を消化するために血液が胃腸により多く流れるため頭皮への血流が低下し、したがって頭皮へ必要な栄養素が届かなくなる恐れがあります。
もう一つの理由として寝る前に食事とった後は体を動かさないので食べたものが脂肪として体に貯めこまれやすくなります。脂肪が多くなると皮脂が過剰となり、毛穴を詰まらせてしまう原因となります。
寝る前の食事は肥満の原因にもなります。薄毛を気にする人以外でも寝る前の食事は避け、できれば寝る数時間前には食事を済ませるようにしましょう。
ダイエットを目的とした過剰な食事制限
肥満による過剰な脂肪の蓄積は髪の毛にとってよくありませんが、「太らないように」と過剰な食事制限をしてしまうことも髪の毛にとってよくありません。ダイエットで極端な食事制限をすると髪の毛に必要な栄養素も不足してしまいます。そうすると頭皮に十分な栄養素が届かなくなり、頭皮環境が悪化。薄毛が進行してしまう恐れがあります。
また、脂質を控えすぎるのも問題です。脂質を控えすぎると今度は皮脂の分泌が減ってしまい、乾燥肌になってしまいます。頭皮が乾燥してしまうとフケの原因になったり、頭皮の血行が悪くなったりしてしまいます。
食事量は多すぎず、少なすぎず適切な量を心掛けましょう。
食生活の見直しも大切。でも薄毛(AGA)が気になる場合はクリニックに相談を
薄毛の対策の一つとして食生活の見直しは大切です。しかし、食生活そのものが薄毛の直接の原因ではありません。そのため食生活を見直すだけでは薄毛の進行を遅らせることはできても、根本的な症状の改善は見込めません。
薄毛(特にAGA)でお悩みの方は食生活の見直しをしながらクリニックを受診してしっかりと治療を受けましょう。
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