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コラムカテゴリ男性AGA

AGA治療薬の種類、効果、金額の目安を比較!

2022/09/16
監修:三上 修

薄毛が気になり始めて、常に髪の毛のことを意識してしまったり、自分に自信がなくなったりしていませんか?

薄毛の多くは、AGA(男性型脱毛症)によるもので、徐々に進行していきます。しかし最近はさまざまな治療薬が登場し、早期に治療するほど改善が期待できるようになってきました。早めにAGA治療を受けて、薄毛改善を目指しましょう。

AGA治療薬を使えば薄毛は改善可能

現在、男性型脱毛症(AGA)の原因が明らかになってきて、治療についても急速に研究が進んでいます。AGAは、太く長い毛が再生せず、細く短い毛に置き換わった状態(軟毛化)です。早い人では20代前半から頭髪が薄くなり、特に前頭から頭頂の毛が薄くなっていきます。

髪の毛は、「成長期→退行期→休止期→成長期」という生え変わり(毛周期)を繰り返すことで、一定の毛の量を保ちます。毛は頭皮の内部にある「毛包」でつくられますが、AGAを発症すると、成長期が短くなっていきます。すると毛包が小さいままで成長期が終了し、退行期、休止期へと移っていくので、細く短い毛しかつくられなくなるのです。

こうした現象が起きる要因には、男性ホルモンが大きく関わります。毛包の深部には、毛母と毛乳頭という細胞があり、この相互作用によって毛は成長していきます。男性ホルモンの一種であるテストステロンが毛乳頭に入ると、5α還元酵素の働きによってジヒドロテストステロン(DHT)という強力な作用のある男性ホルモンに変化します。

この物質が毛根の細胞内のアンドロゲン受容体と結合すると、ひげや胸毛の毛根には発育を促すように働く一方で、前頭部や頭頂部では、髪の毛の発育を抑制するように作用するのです。

このようにAGAの原因や仕組みが明らかになったことで治療が進歩して、科学的に効果が証明された治療薬が登場しています。薄毛になったからといって、諦めることはないのです。

日本皮膚科学会が推奨するAGA治療法

日本皮膚科学会では、AGAの標準的な治療法をまとめた「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」を作成しています。その中で推奨されているのが、次の治療方法です。特に処方薬は、比較的若く、重症度の低い症例でより高い効果が示されています。つまり早期に治療を開始するほど、改善を期待できるのです。

処方薬

「フィナステリド」「デュタステリド」の内服による治療
日本皮膚科学会ガイドライン:行うよう強くすすめる(女性型脱毛症に関しては行うべきではない)
推奨度:A(行うよう強くすすめる)

医薬品

「ミノキシジル」の外用による治療
日本皮膚科学会ガイドライン:行うよう強くすすめる
推奨度:A(行うよう強くすすめる)

守りの薬と攻めの薬

AGA治療薬は、薄毛の進行を防ぐ“守りの薬”と発毛を促す“攻めの薬”に大きく分けられます。

守りの薬の特徴

AGA治療薬として、厚生労働省から認可されている処方薬が「フィナステリド」と「デュタステリド」です。フィナステリドは2005年から、デュタステリドは2016年から販売されています。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが5α還元酵素と結びつくことでジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、薄毛を引き起こします。フィナステリドとデュタステリドはどちらも、5α還元酵素の働きを抑制する作用があり、毛包が小さくなるのを防ぎます。

フィナステリド(処方薬)

効果:5α還元酵素には1型と2型があるが、2型を強く抑制する。国内の臨床試験では、1日あたり1mgを48週間内服した人は58%、3年間内服した人は78%、軽度改善以上の効果が認められた。
副作用:まれに勃起不全、性欲減退、精子量減少、胃腸障害、肝機能障害など。

デュタステリド(処方薬)

効果:5α還元酵素の1型と2型両方を強く抑制する。フィナステリドと比較した臨床試験では、内服開始後6カ月の時点ではデュタステリドの方が毛髪数の増加などにおいてすぐれていた。
副作用:勃起不全、射精障害、性欲減退、胃腸障害など。

攻めの処方薬の特徴

発毛と脱毛の進行予防効果が認められている成分が、ミノキシジルです。高血圧の処方薬として使用されていた成分ですが、治療中の患者に多毛が認められたことから、外用の発毛剤として開発されました。1999年から販売されています。毛包に直接作用し、細胞の増殖やたんぱく質の合成を促すことによって発毛作用を示すことがわかっています。

ミノキシジル(医薬品)

効果:毛包に直接作用して、毛包を大きく深く成長させることにより、毛髪が太くなる。発毛だけではなく、抜け毛が減る作用もある。守りの処方薬との併用で相加効果が期待できる。
副作用:掻痒、紅斑、落屑、毛包炎、接触皮膚炎、顔面の多毛など。

ミノキシジル(処方薬)

効果:内服することで、医薬品よりもミノキシジルの吸収効率を高める。
副作用:多毛症、胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、呼吸困難、うっ血性心不全、むくみ、体重増加など。
※日本では頭皮に塗布する一般用医薬品として承認されています。内服薬としては未承認の医薬品です。

AGA治療薬の選び方

AGAの症状に合った薬を見つける

守りの薬は、AGAの症状が早期であるほど効果を発揮し、薄毛の進行を抑制します。一方攻めの薬は、脱毛部の総毛髪数を増やす効果が認められていて、発毛効果を期待できます。治療の目標は人それぞれなので、症状の程度や目標に合わせて治療薬を選択します。

副作用を考慮し、体質に合ったものを選ぶ

どのお薬にも副作用はあります。副作用が出た場合は、早めに医師に相談し、治療薬の変更や中止を検討しましょう。とくにミノキシジルの内服は、心血管系障害の副作用があるため、心機能に異常がある人は要注意です。

費用を確認する

AGA治療薬は健康保険が適用されないので、全額自費となります。費用は事前に確認し、予算に合った治療薬を選ぶことをおすすめします。AGA治療薬は継続することで効果を実感できるので、費用面の問題から治療を中断することにならないように、治療開始前にかかる費用をシミュレーションしておきましょう。

クリニックの選び方

AGAの処方薬を使用するには、医師の処方が必要です。インターネットなどで類似品を購入することはできますが、安全性や効果が保証されていません。

医薬品の場合はドラッグストアなどでも購入できますが、副作用が出た場合にすぐに相談できたり、処方薬と併用するほうが効果が高かったりすることから、医師に相談することをおすすめします。

AGAで医療機関を受診する場合の診療科は、専門科です。ただし、専門科でもAGAを専門としていない場合も少なくありません。

AGAを専門的に診てもらえるかどうか、事前に確認しておきましょう。また、治療薬は継続する必要があるので、長期にわたって通院することになります。できるだけ近隣のクリニック、またはオンライン診療ができるクリニックを選ぶと、通院の負担が少ないでしょう。

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参考

  • 『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(日本皮膚科学会)
  • 『やさしくわかる!毛髪医療最前線』毛髪医療特別取材班著、板見智監修(朝日新聞出版)
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