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フィナステリドに発がん性はある?|研究データから安全性を解説

2025/11/11
監修:辛島 史憲

フィナステリドについて検索すると、「発がん性」という不安な言葉が目に入ることがあります。結論から言うと、現時点でフィナステリドが発がんを引き起こすという明確な証拠はありません。では、なぜそのような情報が広がったのでしょうか。

本記事では、信頼できる研究データやガイドラインを基に、フィナステリドと発がんリスクの関係を分かりやすく解説します。すでに服用中の方も、これから始める方も、安心材料としてお役立てください。

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発がんリスクは証明されていない

フィナステリドとがんの関係については、これまでに男性乳がんや前立腺がんを対象とした研究が行われています。しかし、いずれの研究でも、フィナステリドが原因でがんが発症したというデータは確認されていません。

フィナステリドは20年以上にわたり世界中で使用され、長期的な研究と実績から、安全性が確立されたAGA治療薬として評価されています。このパートでは、その安全性について実際の研究データをベースに紐解いていきます。

男性乳がんとの関連を調べた研究

フィナステリドとがんの関係を検討した研究の中で、まず注目されたのが男性乳がんとの関連です。

フィナステリドの副作用として、「女性化乳房(乳腺が大きくなる良性の変化)」が知られています。ホルモンバランスの変化が乳腺組織に影響を与える可能性があることから、発がん性の有無を確認する目的で研究が進められました。

フィナステリドと男性乳がんに関する研究には、前立腺肥大症患者3,047人を対象とした4〜6年間の臨床試験、3,040人を対象とした4年間の臨床試験、健康男性を対象とした18,822例の臨床試験があります。それぞれの結果は一貫しておらず、これまでの研究では、フィナステリドががんを引き起こすという因果関係を示す証拠は確認されていません。

医薬品の安全性を評価する公的機関であるPMDA(医薬品医療機器総合機構)も「フィナステリドの長期使用が男性乳がんの原因になるかどうかは不明」と結論づけています。また、これらの研究で使用されたフィナステリドはAGA治療に使われる量(1mg)の5〜25倍にあたる5mgであり、用量面でも一般的なAGA治療とは異なります。

前立腺がんとの関連を調べた研究

次に研究対象となったのが前立腺がんとの関連です。 フィナステリドはもともと前立腺肥大症の治療薬として開発された経緯があり、前立腺組織への長期的な影響を調べる目的で研究が行われました。

18,882人の健康男性を対象とした7年間の臨床試験では、フィナステリド5mgの使用で高悪性度の前立腺がんの発症が増えることが報告されました。しかし、その後の解析で、フィナステリドの作用によって前立腺が縮小し、がんが見つかりやすくなった(診断が容易になった)ことが原因であると考えられています。

一方で、この研究では、全体の前立腺がん発症率が約25%減少したことも確認されています。さらに、18年以上に及ぶ長期追跡研究でも、フィナステリドの使用は前立腺がんによる死亡率を上昇させないことが報告されています。

フィナステリドを使用すると、前立腺の体積は小さくなります。その結果、前立腺がんの指標であるPSA値も低下することが分かっています。そのため、前立腺がんの検査を受ける際は、フィナステリドを服用していることを必ず医師に伝えるようにしましょう。

フィナステリドの安全性は確立されている

フィナステリドは、長期的な研究と使用実績により安全性が高いAGA治療薬として評価されています。日本では、新薬の販売後に一定期間、安全性を確認するための「使用成績調査」が義務づけられています。この調査では、フィナステリドの副作用発現率が0.53%と非常に低いことが確認されています。

また、日本皮膚科学会のAGA診療ガイドラインでは、男性AGAに対する推奨度は「A(行うよう強く勧める)」とされています。この評価は、複数の臨床試験で効果と安全性が確認された薬に与えられるものであり、科学的根拠に基づき安心して使用できる治療薬であることを示しています。

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フィナステリド・プロペシア・フィンペシアの違いを整理

フィナステリドは、世界中で20年以上使われている実績のあるAGA治療薬です。先発品は「プロペシア」という製品名で販売され、現在では各国でジェネリック医薬品が発売されています。日本では未承認のフィンペシアもその1つです。

フィナステリドは安全性が認められたAGA治療薬

フィナステリドは1997年に米国で、2005年から日本でAGA治療薬として承認されました。海外でも多く使われているAGA治療薬です。米国では当初、前立腺肥大の薬として使用され、長期的な安全性が確認された上で、AGA治療薬として応用されています。

プロペシア・フィンペシアの有効成分はフィナステリド

プロペシアは、日本で承認されたフィナステリドの先発医薬品です。その後、同じ有効成分を含むジェネリック医薬品が各国で製造・発売され、日本でも11社が販売しています。

フィンペシアは、インドの製薬会社Cipla(シプラ)社が製造するフィナステリドのジェネリック医薬品です。成分は同じですが、販売国や製造過程の違いから、錠剤の形状や添加物が異なります。

「フィンペシアの発がん性」説の真相とは?

フィナステリドに発がん性があるという噂の背景には、フィンペシアに含まれていた着色料「キノリンイエロー」の問題があります。一時期、この成分が「発がん性物質なのではないか」とインターネット上で拡散されたことが発端です。このパートでは、キノリンイエロー問題について振り返ります。

過去の「キノリンイエロー」問題とは?

キノリンイエローは、日本でも外用の医薬品や化粧品への使用が認められているタール色素です。EUでは食品添加物としても使用が許可されており、国や用途によって安全基準が異なります。アメリカやカナダでは、日本同様に外用の医薬品及び化粧品のみで使用が認められている成分です。

かつてフィンペシアの錠剤コーティングに、このキノリンイエローが使用されていたため、「発がん性があるのでは」とする情報が広まりました。しかし実際のところ、発がん性が認められているわけではありません。誤情報が一人歩きしたことが、同じ有効成分であるフィナステリド=発がん性という誤解につながったと考えられます。

今のフィンペシアは大丈夫なの?

その後、製造元のCipla社はこうした誤解を受け、キノリンイエローフリー(無着色)仕様のフィンペシアに切り替えました。フィナステリドの安全性を判断する際は、古い噂ではなく、最新の製品情報や信頼できる公的データを確認することが大切です。

フィナステリドの効果とAGA治療の実際

フィナステリドの効果は、国内外の臨床試験で確認済みです。現在も多くの人がその効果を実感していますが、効果のあらわれ方には個人差があり、実感までに3~6ヶ月ほどかかるのが一般的です。このパートでは、フィナステリドの効果と他のAGA治療についても紹介します。

フィナステリドの効果は?

新しい薬が承認される際には、効果や安全性を確認するための臨床試験が行われます。フィナステリドが承認される際も、国内で臨床試験が実施されました。

その臨床試験において、フィナステリドは0.2mg、1mgともに半数以上の患者さんで見た目の改善が認められました。さらに、90%以上の患者さんで、抜け毛の進行を抑える効果あるいは改善効果が確認されています。なお、フィナステリドで効果を実感するためには、毎日継続して服用し、少なくとも6ヶ月間は様子を見る必要があります。

デュタステリドとどう違うの?

フィナステリドと同じ作用機序を持つAGA治療薬に、「デュタステリド」があります。どちらも男性ホルモン(DHT)の生成を抑える薬ですが、作用する酵素のタイプが異なります。デュタステリドは、より広い範囲の酵素を阻害するため、フィナステリドより効果が高いとされています。

また、フィナステリドはうつ状態の人が使用することに対して注意喚起がなされており、デュタステリドは肝機能障害患者での使用が禁止されているなど、使える人の条件が異なります。ただし、うつ病や肝機能障害などの副作用は、どちらの薬でも起こり得るため、医師と相談の上で選択しましょう。

詳しくは関連記事をご覧ください。

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最も効果があるAGA治療薬は?

現在、日本で使用できるAGA治療薬には、内服薬のフィナステリド・デュタステリドのほか、外用薬のミノキシジルがあります。それぞれ作用メカニズムが異なるため、単純に「どれが一番効く」とは言い切れません。

一般的には、抜け毛予防にはフィナステリドやデュタステリド、発毛促進にはミノキシジルが適していると考えられています。症状の進行度や目的に合わせて、薬を組み合わせて使用する治療が主流です。

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安全にフィナステリドを使うためのポイント

AGA治療薬を試してみたいと思ったとき、どこで購入すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。フィナステリドやデュタステリドは、医療機関で処方を受けるのが正解です。ここでは、入手経路の違いや注意すべきポイントについて解説します。

AGA治療薬を入手するには?

フィナステリドとデュタステリドを入手する方法は、大きく分けてネットでの購入(個人輸入)と医療機関での処方の2つがあります。

医薬品の個人輸入は、関係機関に申請など、煩雑な手続きが必要です。「手軽に購入できる」と宣伝している販売サイトの多くは、実際には違法販売であり、偽造薬が含まれているケースも少なくありません。安全性が確認できないルートでの購入は避けましょう。

また、フィナステリドやデュタステリドは「処方箋医薬品」という種類の薬です。処方箋医薬品に指定されている薬は、国内では医師の診察なしに購入することはできません。

一方、ミノキシジル外用薬には一般用医薬品(OTC)もあり、薬剤師のいるドラッグストアで購入できます。

クリニックでAGA治療を行うメリット

AGA治療薬を安全に使用するためには、医療機関での処方が最も安心です。定期的な診察で効果や副作用の有無を確認しながら治療を進められるため、体調の変化にも早く対応できます。

さらに、医療機関では海外のジェネリック医薬品も正規の手続きで輸入された製品のみを取り扱っているため、品質面でも信頼性が高いのが特徴です。市販では手に入らない高濃度のミノキシジル外用薬や、飲むタイプのミノキシジルも処方してもらえます。

忙しくて通院できないときは

「通院する時間がない」「人目が気になる」といった理由で受診をためらう人も少なくありません。そんな方には、オンライン診療という選択肢があります。

オンライン診療なら、都合のよい時間に受診できます。自宅や外出先からスマホで医師の診察を受けられ、薬も自宅に配送してもらえます。

DMMオンラインクリニックでは、24時間受付・最短即日発送に対応しており、忙しい方でも無理なく治療を続けやすい環境が整っています。詳しくは関連記事をご覧ください。
※医師の判断により処方できない場合があります。

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よくある質問|フィナステリドの発がん性

本文でも触れた内容を、もう一度分かりやすく整理しました。フィナステリドの安全性や服用時の注意点について、よくある質問をQ&A形式でまとめています。

Q.フィナステリドに発がん性はある?

A.フィナステリドの臨床試験で、男性乳がん・前立腺がんが報告されたことがありますが、いずれもフィナステリドとの因果関係はないと結論づけられています。

Q.フィナステリドでPSA値が下がるのはなぜ?

A.フィナステリドは前立腺の体積を小さくする作用があり、その影響でPSA値(前立腺がんの指標)が内服中(内服中止後数ヶ月)は低下します。そのため、前立腺がん検査の際は、服用していることを必ず医師に伝えるようにしましょう。

Q.フィンペシアは発がん性物質?

A.発がん性物質ではありません。かつてフィンペシアのコーティング剤に使われていた着色料「キノリンイエロー」が発がん性物質であると誤解されたことがありましたが、信頼できる科学的データはなく、誤情報です。現在は誤解を招くことがないよう、キノリンイエローフリーのフィンペシアが販売されています。

Q.プロペシアやフィンペシアは前立腺がんに効くの?

A.プロペシアやフィンペシアの有効成分であるフィナステリドに、前立腺がんの治療効果はありません。AGA(男性型脱毛症)の進行を抑える目的で使用される薬です。

Q.フィナステリドを1年飲むとどうなる?

A.効果が実感できており、副作用がないようであれば、継続した方がよいでしょう。6ヶ月以上飲み続けても効果が感じられない場合や、副作用が気になる場合は、医師に相談しましょう。

Q.海外製のフィナステリドは危険?

A.海外製でも、政府機関の許可を得て製造されたフィナステリドであれば問題ありません。ただし、処方箋不要でネット販売されている製品は偽物の可能性が高く、服用は避けるべきです。必ず医療機関を通じて正規品を入手しましょう。

フィナステリドの発がん性に関するまとめ

フィナステリドの発がん性に関する噂は、一部の誤解や旧情報によるものです。現在までの研究では、フィナステリドの発がんリスクを裏づける報告は確認されていません。

フィナステリドは、国内外で長年にわたり使用され、安全性と有効性が確立されたAGA治療薬です。不安になる情報を見かけたときは、公的機関の発表や医師の見解を参考に判断しましょう。

正しい情報に基づいて、医師の指導のもとで安全に服用を続けることが、AGA治療を成功させる近道です。気になることや不安がある場合は、治療実績が豊富なクリニックに相談してみてください。

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