性感染症の正しい予防方法について知ろう
最近、「性感染症」という言葉を耳にすることが増えた方も多いのではないでしょうか?普段はあまり気にしないけれど、もし自分に思い当たる症状が出た場合、どのように対処したらいいか考えたことはありますか?
ネットで調べてもいろいろな情報が出てくるけど、どれが正しい情報なのかわからないという方もいるかと思います。今回は性感染症について、主に予防という視点から掘り下げていきます。
DMMオンラインクリニックでは確かな情報を提供するため以下の取り組みを行っています。
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性感染症とは?
一般的に感染症には2段階の状態があります。まず、人に「感染」した状態。そして、感染した病気が「発症」した状態です。病気に「感染」してから、「発症」するまでの期間を「潜伏期間」と呼んでいます。感染症の中でも、強い症状で「発症」する病気は、発症すればすぐに気がつくことができます。そのため、すぐに病院へ行って治療を受けることができます。また、感染していることに気がついていれば、感染を広げないための予防を行うこともできます。
では、「潜伏期間」はどうでしょうか?「潜伏期間」が短ければ、すぐに症状が出て感染に気がつくことができます。しかし、潜伏期間が長いと症状が出ないので、気が付かないうちに、感染を広げてしまう可能性が高まります。性感染症と呼ばれる感染症は、感染や発症のタイミングが悪いと赤ちゃんに重い障害を残したり、発症してから長期間放置すれば、命に関わったり、不妊の原因になるものが多くあります。しかし、「潜伏期間」が長いものや「発症」して初めのうちはそこまで強い症状を出さないことも多いため、しっかりと知識をつけ、予防することがとても大切です。
主な性感染症の潜伏期間や症状、経過
それでは、主な性感染症について潜伏期間や症状を見ていきましょう。男女で症状が異なるものは、分けて記載しています。
クラミジア感染症
潜伏期間:1~3週間
男性:
多くは無症状ですが、頻尿や排尿時痛がでることがあります。放置すると不妊の原因になります。
女性:
おりものの増量を感じることがあります。これだけで感染の有無を判断することは難しく、多くは無症状です。放置すると、不妊や子宮外妊娠、腹痛の原因となります。
性器ヘルペス
潜伏期間:2~20日
男女とも:
性器や口唇の周囲に水泡ができます。激痛を伴うことがあり、排尿困難になることがあります。
女性:
妊婦の場合は、流産や未熟児分娩のリスクになります。また、経膣分娩(下からのいわゆる通常の出産)では、新生児に感染すると、脳炎などで死亡することがあるため、発病時期によっては帝王切開が必要になります。
トリコモナス
潜伏期間:1~数週間
男性:
ほとんど無症状です。
女性:
灰白色で泡沫状のおりものが出ます。かゆみなどの原因になることがあります。
マイコプラズマ/ウレアプラズマ
潜伏期間:1~5週間
男女共通:
かゆみや排尿時痛の原因になることがあります。
カンジダ
潜伏期間:1~2週間
男性:
ほとんどが無症状です。
女性:
無症状のこともありますが、酒粕のようなおりものが増え、強いかゆみの症状が出ることがあります。
淋菌
潜伏期間:2日~1週間
男性:
排尿時に膿のような分泌物がでて排尿時痛があります。男性不妊の原因になることがあります。
女性:
おりものが多くなるくらいで、ほとんど無症状のことが多いです。放置すると不妊や腹痛の原因になります。
梅毒
潜伏期間:3週間〜(個人差が大きい)
男女とも:
感染部位に赤みを帯びた痛みの“ない”腫れができます。放置すると心臓や脳に障害を起こし、死に至ることもあります。
女性:
妊婦が感染していると胎児に感染し、死亡や後遺症の原因になります。
HIV
潜伏期間:3ヶ月〜
男女とも:
症状はほとんどありません。感染初期には、リンパ節の腫れ、下痢や発熱などの症状が出ることがあります。その後、期間を空けて(時に7〜10年)、免疫機能が非常に弱くなり、日和見感染と呼ばれる通常は病気の原因にならないような感染力の弱い病原体にも感染するようになってしまい、命に関わる状態となります。専門病院での治療が必要になります。
性感染症の予防方法
性感染症の予防は、簡単なことではありません。基本的には、コンドームを正しく使用することが最も大切です。しかし、オーラスセックスや場合によってはキスでも感染してしまうことがあります。
ワクチンなどの開発が待たれますが、必ずしもワクチンで予防できるものばかりではありません。性感染症は誰でも罹ってしまうリスクがありますが、それを完全に予防することは個人のレベルでは難しい課題です。そのため、社会の中で感染を広げないようにする取り組みがとても大切です。
幸い、現在は多くの性感染症に有効な治療法があります。
性感染症のリスクが高くなる、10代20代に対する教育や啓蒙が重要と考えられています。必ずしも症状だけで感染しているかどうかを判断することが難しいため、少しでも不安を感じたら、気軽に保健所や医療機関で検査を受けられる環境づくりも大切です。また、最近では多くの公的機関が情報サイトなどのメディアを通じて性感染症についての正しい情報発信をしています。読者の皆さんも、少しでも不安を感じることがあれば、遠慮なく医療機関や保健所に相談してみてください。
性行為は人間の根源的な欲求の一つです。誰でも罹患するリスクは平等にあります。性感染症のことを心配して相談することは、決して恥ずかしいことではありません。
性感染症を疑ったら
性感染症を疑った場合には、検査を受けることがとても大切です。しかし、検査だけではなく治療までしっかりと受けなければ意味がありません。また、「ピンポン感染」といわれるように、カップルの片方だけが治療を受けても意味がありません。必ずパートナーと一緒に治療を受ける必要があります。はじめのうちは男性にしか症状が出なかったり、女性にしか症状が出ない性感染症もありますが、長期間放置すれば何かしらの健康被害が生じます。
市販の検査キットもあり、自宅で検査を行うこともできるようになっています。自分で正確に行うことは難しい場合もありますから、そのような場合は、医療機関の受診をためらわないようにしていただければと思います。医療機関であれば、仮に陽性の結果でも、そのまま治療を受けることが可能です。治療の際には、必ずパートナーも一緒に検査・治療を受けるようにしましょう。また、性感染症はいくつも種類があり、全ての検査を受けることは費用的にもかなりの負担になってしまいます。たとえば、産婦人科のクリニックでは、一番疑わしいものを検査してもらい、他の比較的めずらしいものは保健所などでの検査を利用する、ということも考えていただくと良いかもしれません。
DMMオンラインクリニックでの検査と治療
DMMオンラインクリニックで治療可能な性感染症(性病)一覧
- クラミジア
- 性器ヘルペス
- トリコモナス
- マイコプラズマ/ウレアプラズマ
- カンジダ
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療のプラットフォームサービスの名称です。診療は提携先医療機関が行います。
※尖圭コンジローマ、淋菌、梅毒、B型肝炎、C型肝炎、HIVの治療は行っておりません。お近くの医療機関にご相談ください。
1.自覚症状がある方・検査結果が陽性の方
診療予約ボタンより、ご予約ください。検査結果の画像の用意をお願いいたします。
※提携先医療機関では、基本的には検査結果をお持ちの方のみを対象に診療させていただきます。検査結果をお持ちでない場合も診療は可能ですが、適切な治療が行えない場合がございますのでご了承ください。
2.自覚症状のない方
性病検査キットの購入が可能です。また、検査結果が陽性の場合はオンライン診療を受診することが可能です。
まとめ
性感染症はコンドームなどの予防法はありますが、100%の予防策は残念ながらまだありません。不妊や赤ちゃんにも影響が出てしまったり、命に関わることもある病気ですから、社会全体で取り組んでいく必要があります。各個人が性感染症に感染してしまうこと自体は、仕方のないことです。しっかりと治療を受け、治癒したことを確認して、再度予防に気をつけて過ごしていただければと思います。
また、予防法の研究開発も日々行われていますから、情報をアップデートしていくこともとても大切です。健康リテラシーを社会全体で高めていきましょう。
出典
※1 日本性感染症学会 性感染症診断・治療ガイドライン 診断と治療社 2020
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