秋は抜け毛の季節？ ３つの抜け毛対策とは

毛根を取り囲む毛包は、成長期・退行期・休止期から成る毛周期（ヘアサイクル）を形成しています。成長期には毛母細胞が細胞分裂によって増加し、毛が成長します。退行期には毛の成長が止まり、休止期から次の成長期にかけて古い毛が抜けていくのです。

そして、毛周期は季節によって変動します。成長期にあたる毛包の割合が最も多いのは3月で、その割合は90％を超え、逆に8月から9月に最も少なくなると報告されています。

つまり、8月から9月には退行期から休止期の毛包の割合が増え、抜け毛が多くなるのです。

AGAは、ジヒドロテストステロン（DHT）により成長期が短縮することで発症するとされています。DHTは、男性ホルモンであるテストステロンがさらに活性化した状態です。

テストステロン値は季節変動するといわれており、血漿ホルモンの概年リズムを調べた研究によると、テストステロン値のピークは10月でした。つまり、秋に増加したテストステロンが活性の高まったDHTとなり、成長期が短縮することで抜け毛が増えると想定できます。

紫外線は毛髪だけでなく、毛母細胞にもダメージを与えるとされています。紫外線には、波長の長い「UV-A」と波長の短い「UV-B」があります。主にUV-Aが毛母細胞まで到達し、毛髪の正常な成長を妨げ、抜け毛の一つの原因となると考えられています。

四季の中で夏は最も紫外線量が多い季節です。多量の紫外線を浴びることで、秋に抜け毛が増えてしまう可能性があります。

紫外線によって毛髪だけでなく、毛母細胞もダメージを受けることは前述の通りで、夏の紫外線から頭皮を守ることは抜け毛を予防する上で重要です。そのためには、帽子や日傘、日焼け止めを組み合わせて活用しましょう。

また、10時から14時は紫外線量が多くなるため、この時間帯はキャップを着用する、外出を控えるなど気を付けてもよいでしょう。

頭皮環境を保つためには、正しくシャンプーすることが大切です。手順は以下の通りです。

1. ブラッシングでほこりやフケを取り除く
2. お湯で汚れを落とす（予洗い）
3. シャンプー剤を両手で髪全体になじませ、よく泡立てる
4. 指の腹で生え際から頭頂部に向けて、頭皮をマッサージするように洗髪する
5. スタイリング剤が落ちていない場合や、汚れがひどい場合は2度洗いする
6. シャンプー後は十分にすすぐ

爪で頭皮を傷つけないように、またシャンプー後のすすぎが不十分にならないように注意しながら、手順に則って正しくシャンプーを行いましょう。

食生活は頭皮環境に大きな影響を及ぼします。毛髪成分の80〜90％はケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されており、栄養の偏りや栄養不足は抜け毛の原因の一つになるためです。

また、普段の食事から摂取した栄養素は血液を通じて毛母細胞に届けられ、細胞分裂を繰り返して毛髪が成長します。抜け毛を防ぐためには、栄養バランスの取れた食事をとることが重要であるといえます。

A.シャンプー中に抜け毛が増えるのは、紹介した通り、季節性の抜け毛かもしれません。特に秋には、AGAである・ないを問わず、抜け毛が増加するとされています。
一方で、極端に抜け毛が増加するとAGAの可能性も否定できません。排水溝に詰まる抜け毛の量が増えてきたなど、気になる場合は医師に相談することをお勧めします。

A.生活習慣の乱れや環境変化によるストレスの影響など、人によっては秋以外にも抜け毛が増える時期はあるでしょう。

ただし実際のところ、

• 成長期となる毛包が少なくなる
• テストステロン値がピークを迎える

など、1年間の生体リズムでは、秋に抜け毛の本数が多くなります。

もし秋以外に抜け毛の本数が急激に増えた場合は、AGAや他の病気が疑われる可能性がありますので、早めに医師に相談しましょう。