2026年1月版|AGA治療薬の最新情報:クラスコテロン・ピリルタミドなど新薬の現状と課題
フィナステリドやミノキシジルを続ける中で、治療をこのまま継続してよいのか、不安を抱くケースもあります。AGA治療薬は、多くの場合で進行抑制や改善が期待できますが、十分な効果を実感できない人がいるのも事実です。
近年、こうした課題を背景に、AGAに関する研究が大きく進展しています。欧米を中心に、従来薬とは異なる作用機序を持つ新しいAGA治療薬の開発が進められており、今後の研究結果が待たれています。今回は、クラスコテロンやピリルタミドなど、現在開発中のAGA治療薬について紹介します。
DMMオンラインクリニックでは確かな情報を提供するため以下の取り組みを行っています。
- 適正な監修プロセス
- 医療法人との提携
- コンテンツ作成基準の明確化
いま、新しいAGA治療薬が求められる理由とは?

現在、一般的に使われているAGA治療薬には、ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドなどがあります。これらの薬は、薄毛の進行を抑えたり、発毛を促したりする作用が確認されており、多くの人に使用されてきました。
一方で、AGA治療薬を使っても効果が出ない人や、副作用のために治療を中止しなければならない人もおり、新しい治療薬の登場は常に待ち望まれていました。特に、フィナステリドやデュタステリドでは頻度は高くないものの、性機能に関する変化が報告されています。
このような背景から、従来薬とは異なる作用機序を持ち、全身への影響を抑えた治療薬への関心が高まっています。近年は、分子生物学の進展や標的分子を絞った薬剤設計が進み、AGAに特化した新たな治療薬の開発が加速しています。
フィナステリドやデュタステリドによる抜け毛予防で十分な効果が得られない症例が一定存在する点も、新薬が求められる理由の一つです。こうした課題を踏まえ、現在は複数の新規AGA治療薬が臨床試験段階に進んでいます。
薄毛の原因物質をブロックする外用薬:クラスコテロン

クラスコテロンは、1日2回頭皮に塗るタイプのアンドロゲン受容体拮抗薬です。
AGAは薄毛の原因物質であるジヒドロテストステロン(DHT)が頭皮のアンドロゲン受容体に結合することで進行します。クラスコテロンは、アンドロゲン受容体へのテストステロン及びDHTの結合を阻害することで効果を発揮します。
クラスコテロンは作用後に速やかに代謝(別の物質に変換)されて、体外へ排出されます。外用薬であるため、臨床試験では全身への影響は限定的と報告されています。ただし、AGA適応における長期的な安全性や有効性については、引き続き検証が進められている段階です。
米国では2020年8月からニキビ治療薬「Winlevi」として承認・使用され、AGA治療薬としては2023年から臨床試験が開始されました。2026年1月現在は、男性型脱毛症を対象とした第III相臨床試験が進行中です。結果次第では、将来的に新たな選択肢となる可能性があります。
抜け毛を防ぐ新しいタイプの外用薬:ピリルタミド

ピリルタミドは、中国で開発が進められている塗るタイプのアンドロゲン受容体拮抗薬です。AGAのほか、円形脱毛症、ニキビの治療薬としても開発が進められています。
1日2回頭皮に塗布することで、アンドロゲン受容体にDHTが結合するのを阻害し、薄毛の進行を抑えます。継続的な使用でヘアサイクルを正常化する働きも示唆されています。
効果を発揮した後は、体内に影響がない物質に変換されるため、全身に関わる副作用は少ないと考えられています。しかし、長期使用時の安全性や、他の治療薬との併用に関する評価は今後の課題です。
ピリルタミドも第III相臨床試験段階にあり、有効性や安全性に関する評価が続けられています。
AGA治療に特化したミノキシジル内服薬:VDPHL01

フィナステリドやデュタステリドは効果が確認されているAGA治療薬ですが、女性は使用できません。ホルモンバランスの変化など健康への影響が懸念され、胎児の外性器発育異常を起こす可能性があるためです。女性の薄毛治療には、一般的にミノキシジルが使われます。
ミノキシジルは外用薬として使用されるのが一般的ですが、利便性やより高い効果を求めて内服薬が使用されることもあります。しかし、現在使用されている内服のミノキシジルは、高血圧治療の薬を薄毛治療に転用したものです。さらに、作用の持続性や心臓系の副作用の可能性もあるなど、課題も少なからず指摘されています。
そこで、これらの問題を解決するために、AGA治療に特化したミノキシジル内服薬として開発されているのが“VDPHL01”です。従来の内服薬とは異なるアプローチで、毛包に持続的に作用するとされています。
現在、VDPHL01は男性・女性の双方を対象とした第III相臨床試験段階にあり、有効性と安全性の検証が進められています。実際の治療選択肢となるかどうかは、今後の試験結果を踏まえた評価が必要です。
その他研究・開発中、AGA応用の可能性がある薬

ここまで紹介した3つのAGA治療薬は、それほど遠くない未来での登場が期待されており、他にも多くのAGA治療薬の研究・開発が進んでいます。以下に、研究・開発中の一部の治療薬をご紹介します。
外用タイプのアンドロゲン受容体分解薬:GT20029
GT20029は、塗るタイプのアンドロゲン受容体分解薬です。DHTがアンドロゲン受容体に結合するのを妨げず、アンドロゲン受容体そのものを破壊することでDHTの結合先をなくし、抜け毛を防ぐと考えられています。現在は臨床試験段階で評価が進められています。
毛周期を調整する可能性がある外用薬:ENERGI-F701
ENERGI-F701は、毛包細胞のエネルギー代謝に関与するAMP活性化経路に着目した外用薬です。毛周期の調整を通じて毛髪の成長を支える可能性が示唆されていますが、AGAに対する有効性については今後の研究結果を待つ必要があります。
その他研究段階の治療薬
アンドロゲン受容体や毛包の幹細胞を活性化させて髪の毛を作るスイッチ「Wnt/β-カテニン経路」を標的にした治療薬「2-deoxy-D-ribose(2dDR)」を用いた研究も報告されています。2dDRについては動物実験で発毛促進が示された段階であり、人を対象とした臨床評価は今後の課題です。
円形脱毛症の治療に使われるJAK阻害薬についても、炎症との関連からAGAへの応用が検討されています。現在臨床試験が進められており、今後のさらなる研究報告が待たれます。
従来薬(フィナステリド・デュタステリド・ミノキシジル)との違い

ここまで研究・開発中のAGA治療薬を紹介してきましたが、現在使われているAGA治療薬についてもおさらいしておきましょう。現在、AGA治療で広く用いられている薬には、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルがあります。
フィナステリド・デュタステリド
フィナステリド、デュタステリドは5α還元酵素を阻害し、薄毛の原因となるDHTの産生を抑制します。抜け毛予防を主目的とした治療薬であり、ミノキシジルとは異なる作用点を持ちます。両者は併用できませんが、ミノキシジルとの併用は一般的に行われています。また、頻度は高くないものの、性欲低下やEDなどの副作用がみられるという報告があります。
ミノキシジル
ミノキシジルはヘアサイクルを正常化し、頭皮の血流を増やして髪の成長を促す働きがあります。発毛を促す働きが期待できる反面、使用初期に一時的な抜け毛が増えるケースがあります。作用は外用薬・内服薬いずれも共通していますが、内服薬では全身への影響に配慮が必要です。
新規開発薬の特徴と位置付け
対して、クラスコテロンやピリルタミドなどの新規開発薬は、アンドロゲン受容体に対する局所的な作用を狙っています。この点が、内服の抗アンドロゲン薬(フィナステリド、デュタステリド)との大きな違いです。
全身への影響を抑えた治療が期待されていますが、現時点では治験段階にあり、長期的な有効性や安全性は検証途中です。
従来薬はエビデンスが蓄積されており、治療の基盤としての位置付けは変わりません。現段階では既存治療を踏まえた上で、新薬の研究・開発の動向を整理する視点が重要です。
DMMオンラインクリニックで取り扱いのあるAGA治療薬
DMMオンラインクリニックと提携する医療機関では、フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルといったAGA治療薬が取り扱われています。いずれも、これまでに多くの使用実績があり、AGA治療の基本となる薬剤です。
取り扱いのある主な治療薬は以下のとおりです。
- フィナステリド1mg
- 国内製フィナステリド1mg
- 国内製プロペシア1mg(フィナステリド先発品)
- デュタステリド0.6mg
- 国内製デュタステリド0.5mg
- 国内製ザガーロ0.5mg(デュタステリド先発品)
- ミノキシジルタブレット(2.5mg/5mg/10mg)
- ミノキシジルローション15%
これらの治療薬は、症状や体調に応じて医師が処方を判断します。各薬剤の効果と副作用の詳細については、以下の記事をご確認ください。
フィナステリドの副作用は? 発現率0.53%の内訳と効果の仕組み
デュタステリドとフィナステリド、選ぶならどっち? 効果と副作用
ミノキシジルの効果はいつから? 初期脱毛と発毛の流れを詳しく解説
※65歳以上の方は一部お薬の処方ができない場合がございます。予めご了承の程お願いいたします。
AGA治療薬に関するよくある質問

ここでは、AGA治療薬や現在開発中の新薬について、治療中の方が疑問に感じやすい点を整理します。
Q.AGA治療の最新薬の開発状況は?
A.クラスコテロン、ピリルタミドなどの塗るタイプのアンドロゲン受容体拮抗薬が開発段階にあります。2026年1月時点では、いずれも第III相臨床試験進行中であり、試験結果次第では将来的に使用できる可能性があります。ただし、承認時期や実用化は確定していません。
Q.フィナステリドをやめたらはげる?
A.フィナステリドに限らず、現在使用されているAGA治療薬は、使用を中断すると薄毛が再び進行します。フィナステリドの場合、中止すると数ヶ月から半年で元の状態に戻るとされています。副作用などの問題がなければ、継続使用が基本となります。
Q.ミノキシジルはやめた方がいい?
A.ミノキシジルも使用を中断すると効果が持続しません。副作用や体調面の理由で一時的に中止が必要となる場合もありますが、自己判断ではなく、医師と相談した上で判断しましょう。
Q.フィナステリドとミノキシジルはどちらがいい?
A.フィナステリドは抜け毛予防、ミノキシジルは発毛促進と、同じAGA治療薬でも効果が異なります。現在どちらかを使用していて効果に満足できない場合は、併用について医師に相談しましょう。
まとめ|AGA新薬の現状と今後の向き合い方

既存の治療薬に加えて、クラスコテロンやピリルタミドなどの塗るタイプのアンドロゲン受容体拮抗薬が登場することで、今後のAGA治療が大きく変わる可能性があります。
ただし、いずれの新薬も現時点では臨床試験段階にあり、有効性や安全性については引き続き検証が必要です。実際の治療選択肢として使用できるようになるまでには、一定の時間を要する見込みです。
薄毛が気になり始めた段階で、医師の指示に沿って治療を継続することで、毛根や髪の状態を維持しやすくなります。今後の研究動向を踏まえつつ、自身の状況に合った治療を検討しましょう。忙しくて受診する時間がない場合は、オンライン診療を活用する方法もあります。
出典
Kim J, Song SY, Sung JH. Recent Advances in Drug Development for Hair Loss. Int J Mol Sci. 2025 Apr 8;26(8):3461. doi: 10.3390/ijms26083461. PMID: 40331976; PMCID: PMC12026576.
Cosmo Pharmaceuticals NV:Cosmo Announces the Beginning of the Phase III Trials in Males for the Treatment of Androgenetic Alopecia
Kintor Pharmaceutical Limited:KX-826 Androgen receptor antagonist
Veradermics:About VDPHL01 – Our Pipeline
DMMオンラインクリニックのAGA治療薬
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療プラットフォームサービスです。診療は提携先医療機関が行います。
海外製フィナステリド、海外製デュタステリドについて
◆未承認医薬品等
本診療科目に用いる海外製フィナステリド、海外製デュタステリドは、国内未承認の医薬品です。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックが本治療に用いる海外製の医薬品・機器等は厚生局の正式なプロセスを経て、提携クリニック所属の医師の判断の下、個人輸入をしたものになります。
◆国内の承認医薬品等の有無
提携クリニックで処方する海外製フィナステリドには亜鉛が含まれているため、国内においてAGA治療薬として承認されている完全同一成分の医薬品はありません。海外製デュタステリドは国内においてAGA治療薬として承認されている同量かつ同一成分の医薬品はありません。
それぞれ同一成分を有する医薬品としては、フィナステリド、デュタステリドがあります。
なお、提携クリニックではAGA治療薬として承認されている国内製のフィナステリド、国内製デュタステリドの取り扱いもございます。
◆諸外国における安全性等に係る情報
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
ミノキシジル内服薬について
◆未承認医薬品等(異なる目的での使用)
本診療科目に用いるミノキシジルは、頭皮に塗布する一般用医薬品として国内で承認されています。内服薬としては未承認の医薬品のため、万が一副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックで処方するミノキシジルは国内医薬品販売代理店経由で購入しております。
◆国内の承認医薬品等の有無
内服薬としては国内で承認されているものはありません。
◆諸外国における安全性等に係る情報
内服薬としてはアメリカのFDAで高血圧治療薬として承認されています。
問題が解決しない場合は、
こちらからお問い合わせください。