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トラネキサム酸は長期服用しても大丈夫?注意が必要な人・副作用・休薬の考え方

2025/12/25
監修:辛島 史憲

肝斑やシミの改善を目的に、トラネキサム酸を内服する「美容内服」が一般的になってきました。しかし一部では「長く飲み続けても大丈夫?」「血がドロドロになるって本当?」といった不安を抱く人もいます。

トラネキサム酸は、用法・用量を守り、医師の管理下で服用していれば、長期使用しても基本的には問題ありません。この記事では、トラネキサム酸の安全性や副作用、休薬の必要性、服用を続けるために知っておきたいポイントを解説します。

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トラネキサム酸は長期服用してもOK|安全性の根拠

トラネキサム酸は医療現場で長く使用されており、近年は美容目的でも使われています。ここでは、添付文書や公的情報をもとに、安全性や服用時の注意点について整理します。

添付文書およびPMDAの公的情報に基づく安全性評価

トラネキサム酸は、出血傾向のある疾患や咽頭炎、口内炎などの治療に用いられてきた成分です。医薬品としては、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の審査を受け、厚生労働大臣の承認を得ています。

添付文書の用法・用量を守って服用することが前提ですが、長期間の使用そのものを一律に否定する記載はありません。一方で、人工透析を受けている人では、稀にけいれんが報告されており、特定の背景を持つ場合には慎重な対応が求められます。

医師の管理下では長期使用が可能な理由

医師の管理下であれば、効果や副作用などを確認しながら治療を進められます。必要に応じて用量の調整や休薬を検討できるため、副作用のリスクを軽減しながら長期的な使用にも対応しやすくなります。

体質や持病、併用している薬によって注意点は異なります。自己判断での継続は避け、医師に相談しながら服用を続けるようにしてください。

服用を避けた方がよいケース

トラネキサム酸は広く使用されている薬ですが、体質や持病によっては注意が必要です。

◆服用が禁忌とされるケース

  • 出血治療などでトロンビンを投与中の場合(血栓形成を促す可能性があるため)

◆慎重な判断が求められるケース

  • 血栓症の既往がある方
  • 腎機能障害や腎不全がある方
  • 人工透析を受けている方
  • 妊娠中・授乳中の方
  • 高齢の方
  • ピル(経口避妊薬)を服用中の方

該当する場合は、服用前に必ず医師へ相談し、使用してもよいか確認しましょう。

オンライン診療での取り扱い

DMMオンラインクリニックでは、15歳未満、75歳以上の方は処方できません。予めご了承の程お願いいたします。

「休薬が必要」とされる理由

トラネキサム酸を主成分とする市販薬では、「2ヶ月服用した後、2ヶ月の休薬期間を設ける」使用方法が示されているものがあります。これは、長期間にわたる連続使用に関する十分なデータが限られていないことを踏まえ、安全性に配慮した設計です。

医療機関で処方される場合は、症状や体調、既往歴などを確認しながら判断されるため、同じように一律の休薬期間が求められるわけではありません。医師の管理下では、経過を見ながら長期の服用も可能です。

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トラネキサム酸とは?|シミ・肝斑への作用メカニズム

トラネキサム酸はもともと止血薬として開発された成分です。現在では美容目的でも用いられており、特に肝斑の治療で処方されるケースがあります。ここでは、成分の基本的な作用と、シミ・肝斑に対する働きを整理します。

医療用「トランサミン」に含まれる有効成分

医療用医薬品「トランサミン」の有効成分はトラネキサム酸です。アミノ酸の一種であるリジンに似た構造を持ち、体内で「プラスミン」と呼ばれる酵素の働きをブロックします。

プラスミンは血液を溶かす作用に加え、炎症反応を促進する働きを持ちます。トラネキサム酸はこのプラスミンの働きを抑制することで、止血や抗炎症の作用を発揮します。

抗プラスミン作用による炎症・色素沈着への影響

トラネキサム酸は「抗プラスミン作用」により、炎症に関わる物質の産生を抑制します。炎症は、肌の色素を作るメラノサイトを刺激し、メラニン産生を活発にする要因のひとつとされています。

炎症が抑えられることで、メラニンの過剰な産生を防ぎ、肝斑やシミの改善・予防につながると考えられています。

美容目的と医療目的での使用の違い

トラネキサム酸は、使用する目的によって用法・用量や服用期間が異なります。美容目的では、主に肝斑の改善を目的として使用されます。市販の内服薬では、1日あたりの成分量が抑えられており、連続使用期間に制限が設けられている場合があります。

医療目的では、外科手術後の異常出血や出血傾向のある疾患などに用いられています。医師の診察を受けて処方され、症状に応じて1日750〜2,000mgまで服用可能です。

このように、同じ成分であっても、使用目的や管理体制によって位置づけは異なります。

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トラネキサム酸の長期服用による副作用とリスク

トラネキサム酸を長期間にわたって服用する場合には注意が必要です。これまでに報告されている主な副作用や動物実験での報告、リスクを見ていきましょう。

主な副作用と重大な副作用

トラネキサム酸の服用で報告されている、主な副作用と注意が必要な副作用は以下の通りです。

◆主な副作用

  • 食欲不振
  • 吐き気(悪心)、嘔吐
  • 下痢
  • 胸やけ
  • かゆみ
  • 発疹
  • 眠気

◆注意が必要な副作用

  • けいれん

体質や体調により、消化器症状や発疹などがあらわれる場合があります。また、腎不全のある方では、腎機能の悪化やけいれんを引き起こす可能性もあります。血栓症の既往歴がある方も注意が必要です。

長期大量投与で報告された網膜変性(動物実験)

トラネキサム酸は、動物実験において高用量を長期間投与した際の「網膜変性」が報告されています。網膜変性とは、目の奥にある「網膜」と呼ばれる薄い膜の細胞がダメージを受けて視界がぼやけたり、光を感じにくくなったりする状態です。

この報告は、通常の用量を大きく上回る条件で行われた動物実験によるものです。人を対象とした臨床試験で同様の結果が示されたわけではないため、過度な心配は不要と考えられます。

「血液がドロドロになる」という誤解

「血液がドロドロになる」という噂がありますが、医学的な根拠は確認されていません。トラネキサム酸には、健康な方の血液を濃くする作用はありません。ただし、血栓がある方や、血栓リスクが高い場合、血栓が安定化する作用により注意が求められるケースがあります。

ピル併用時や高齢の場合の注意点

ピルを服用している方や高齢の方が服用する際は、慎重な検討が必要です。トラネキサム酸を使用する場合、血栓発生のリスク増が指摘されています。

さらに高齢の方は、腎機能の低下により薬が体内に残りやすくなる場合があります。服用を検討する際は、年齢や持病、服用中の薬を医師に伝えましょう。

市販のトラネキサム酸配合薬と処方薬の違いと注意点

市販薬と処方薬の大きな違いは、1日あたりの用法・用量です。市販薬は個人の判断で購入できる性質上、安全性を考慮した成分量に設定されています。

医療機関で処方される薬は、医師の診察を前提としています。症状や体調に応じて判断されるため、トラネキサム酸としての1日あたりの成分量が、市販薬より多くなる場合もあります。

いずれの場合も、指示された用法・用量を守ることが大切です。早く効果を得たいからといって過剰に服用しないようにしましょう。また、他の薬を服用している場合は、事前に医師に相談してください。

トラネキサム酸の正しい服用方法

トラネキサム酸の効果を得るには、症状や体質に合わせた適切な管理が欠かせません。医師の指導のもとで、定期的に検査をしながら治療を進めましょう。

医師の指導下で服薬期間・休薬期間を決める

トラネキサム酸は、使用する目的によって用法・用量や服用期間が異なります。医師の診察を受け、症状や体調に合わせて判断してもらうことが重要です。

医師は、血栓リスクや肝機能・腎機能の状態、併用薬の有無などを確認しながら、服用サイクルを判断します。自己判断で長期間服用を続けると、副作用の発現や体調変化の見落としにつながる可能性があります。

定期的な血液検査・肝腎機能の確認

トラネキサム酸を長期間服用する場合は、肝機能や腎機能などを確認することが推奨されます。肝臓や腎臓は薬の代謝や排泄に関わる臓器です。何らかの原因で機能が低下していると、薬が体内に蓄積し、副作用のリスクが高まります。特に基礎疾患のある方は、定期的に検査を受けながら経過を確認すると安心です。

持病や併用薬がある場合の注意点

高血圧や糖尿病などの基礎疾患がある場合や、ピルを服用している場合は、血栓に関するリスクを踏まえた判断が必要です。また、更年期に伴うホルモン変動がみられる場合も、体調や既往歴を医師に伝えた上で服用を検討しましょう。服用前に情報を共有しておくことで、適切な管理につながります。

オンライン診療を利用した相談

通院が難しい場合や、服用について不安や疑問がある場合は、オンライン診療で医師に相談する方法もあります。自宅に居ながら診察や薬の処方を受けられるため、忙しい方でも継続的な管理や相談の手段として活用しやすい選択肢です。

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トラネキサム酸の長期服用に関するよくある質問

トラネキサム酸の服用に関して、よくある疑問にお答えします。これまでの内容を振り返りながら、安心して使用を続けるためのポイントを確認しておきましょう。

Q.トラネキサム酸はずっと飲み続けても大丈夫?

A.医師の診察を受け、用法・用量を守っていれば、長期使用が可能なケースもあります。一方、市販薬は2ヶ月服用したら休薬期間を設けることが推奨されています。シミや肝斑の状態に加え、体調の変化を確認しながら継続するか判断しましょう。

Q.トラネキサム酸を長期間服用するとどうなる?

A.肝斑やシミの改善状態が安定し、効果を維持できる場合があります。ただし、体質や併用している薬によっては、副作用が発現する可能性もあります。継続するかどうかは、状況に応じて判断しましょう。

Q.トラネキサム酸は肝臓に悪い?

A.健康な人では、肝機能への影響は大きくないとされています。ただし、肝臓の持病がある場合や、肝機能が低下している場合は注意が必要です。継続して服用する際は、定期的に血液検査を受け、状態をチェックしましょう。

Q.トラネキサム酸は血液をドロドロにする?

A.トラネキサム酸そのものが血液を濃くしたり、流れを悪くしたりすることはありません。血栓リスクは体質や併用している薬の影響を受けるため、病気治療中の方やピルを服用している方は、事前に医師に相談しましょう。

Q.トラネキサム酸を飲み続けると白髪が増える?

A.長期服用と白髪発生の因果関係を調べた研究データは、現時点で見当たりません。SNSやインターネット上ではさまざまな噂が散見されますが、トラネキサム酸の服用で白髪が増えるという科学的根拠はありません。

Q.トラネキサム酸と他の美白成分を一緒に使ってもいい?

A.ビタミンC(シナール)やユベラ、L-シスチン等との併用が可能です。多角的にアプローチできるため、肌の悩みをより効率的にケアできます。

ただし、サプリメントや他の薬を併用する場合は、成分の過剰摂取につながる恐れがあるため、医師や薬剤師に確認しておきましょう。

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トラネキサム酸によるシミ治療を続けるために

トラネキサム酸は、医師の指示に従い正しく服用すれば、肝斑やシミへの効果が期待できます。しかし、使用状況によっては血栓や腎機能の低下を招く可能性もあります。

また、市販薬を服用する際は、休薬を考慮しなければなりません。ピルを併用している方や基礎疾患のある方は、服用前に医師へ相談することをおすすめします。

通院が難しい場合には、オンライン診療を利用して相談する方法もあります。医師の指導のもと、目的や体調に合わせた治療を受けられます。生活スタイルに合った形で医療のサポートを受けながら、理想の肌を目指しましょう。

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出典

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