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コラムカテゴリメディカルスキンケア

毛穴のトラブルに関する美容医療

2023/01/06
監修:三上 修

 

「開いた毛穴が気になる」「毛穴の黒ずみが目立つ」といった毛穴のトラブルでお悩みの方は多いと思います。

この記事では毛穴のトラブルが起こる原因と最新の美容医療、セルフケアの方法について解説していきます。

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毛穴が目立つ原因

毛穴のトラブルに対する治療を考える場合、原因によって治療の選択肢が異なるケースもあります。
適切な治療方法を選択する上で、毛穴のトラブルの原因を知っておくことは非常に重要です。

皮脂の過剰分泌

毛穴の奥には皮脂を分泌する皮脂腺が存在しています。毛穴の奥から過剰に分泌される皮脂により毛穴が押し広げられると毛穴が目立ってきます(「開き毛穴」)。また、皮脂と古い角質が混ざり合って毛穴に詰まり固まった角栓が原因で毛穴が目立ってくる場合もあります(「詰まり毛穴」)。角栓は最初は白いですが、空気に触れて酸化すると黒ずんできて、いちごのような鼻になることもあります。

顔には毛穴の数が多く、さらに顔の毛穴は皮脂を分泌する働きが強いため、顔の毛穴は他の部位に比較して目立つ傾向にあります。

加齢や乾燥による肌のたるみ

毛穴の形は本来丸い形をしていますが、乾燥や加齢に伴って角層の水分が不足し肌がたるんでしまうと、毛穴が縦に伸びて目立つようになります。

毛穴に対する治療

医療機器による治療

フラクショナルレーザー

フラクショナルレーザーによる治療では、炭酸ガスレーザーで皮膚に小さな点状の穴を開け、古く荒れた皮膚の剥離効果と真皮内に熱損傷を与えることにより皮膚の再生能力を活性化させることができます。皮膚内部の細胞分裂を活発化させ、皮膚の深部でコラーゲンの生成を促すことで毛穴の開きを改善します。
また、レーザー照射後に「成長因子」と呼ばれる細胞の増殖や分裂を促す成分を塗布して、皮膚の再生能力をさらに高めることも可能です。

痛みのある治療ですが、麻酔クリームなどで痛みを軽減することができます。治療は1クール5-10回の治療を、1-2ヶ月に一度程度のペースで行うことが一般的です。ダウンタイムは数日から1週間程度で皮膚の赤みが引いてきます。

ダーマペン

ダーマペンは髪の毛よりも微細な針で皮膚に高密度の穴を開けることのできる医療機器です。最新のダーマペン4では16本の細い針が高速振動することで、毎秒1,920個の穴を皮膚に開けることができます。フラクショナルレーザーと同様に皮膚の再生能力を活性化させることで、毛穴の開きを改善させます。
ダーマペンによる治療のあとにも、細胞の増殖を促す「成長因子」を塗布することで、皮膚の再生能力をさらに高めることができます。

ダーマペンによる治療も痛みのある治療ですが、麻酔クリームなどで痛みを軽減することができます。治療は1クール5-10回の治療を、2週間に一度程度のペースで行うことが一般的です。ダウンタイムは1-2日程度で、フラクショナルレーザと比較して短い期間で皮膚の赤みが引いてきます。

ポテンツァ

ポテンツァはダーマペンのように微細な針を用いる医療機器ですが、針を刺して皮膚に穴を開けるだけではなく針の先端から高周波RF(ラジオ波)を照射して、熱の作用で皮膚の真皮で皮膚の再生能力を高めることができます。さらに、針が抜けるときの陰圧を利用して薬剤を皮膚に効率よく導入することができることも特徴です。

治療前に麻酔クリームなどで痛みを軽減することができ、治療は1クール5回程度の治療を、1ヶ月に一度程度のペースで行うことが一般的です。ダウンタイムは1-2日程度で、ダーマペンと同様に短い期間で皮膚の赤みが引いてきます。

合併症のリスク

これらの医療機器を用いた治療については、小さいながらも皮膚に傷をつける治療法であるため、合併症のリスクがあります。施術の前にはしっかりと説明を聞いて理解してから治療に臨みましょう。

代表的なものとしては、色素沈着や痛み、皮膚の発赤、潰瘍などがあります。

外用薬による治療

トレチノイン外用

トレチノインはビタミンAの誘導体で、皮膚表面の細胞分裂を活性化し皮膚の再生を促したり、皮脂腺の働きを抑えて毛穴に詰まっている角栓を剥がれやすくすることで毛穴を引きしめ目立たなくする効果があります。

トレチノインは医薬品であるため、医師による処方が必要ですが、軟膏を塗布するのみなので自宅で行える治療です。

ゼオスキン

ゼオスキンは世界的皮膚科医であるゼイン・オパジ医師が開発したスキンケアプログラムで、医療機関でのみ販売されています。

ゼオスキンのスキンケアアイテムは皮膚の細胞分裂を促進するビタミンAやシミの原因となるメラニンの生成を抑えるハイドロキノンなどを含んでおり、目立つ毛穴に対する効果が期待できます。

さらに、ゼオスキンのスキンケアアイテムに上で説明したトレチノイン外用薬を併用するスキンケアプログラムもあり、より高いレベルで毛穴を引きしめて目立たなくすることができます。

トレチノインの副作用

トレチノインの作用で肌の細胞のターンオーバーが早くなり、肌の古い角質が剥がれ落ちることで、皮膚が赤くなったり、痒くなったりすることがあります。

スキンケア・生活習慣の改善

自宅でできるスキンケアでも、開いてしまった毛穴を目立たなくすることができます。また、生活習慣の乱れによって肌のハリが低下したり、肌が乾燥したりすることで毛穴が目立ってしまうので、規則正しい生活をすることが大切です。

クレンジング

過剰な皮脂の分泌や角栓により開いてしまった毛穴を改善させるには、まず毛穴に残った皮脂汚れやメイク汚れをしっかり落とすことが重要です。

保湿

加齢や乾燥肌による肌のたるみ、目立つ毛穴に対しては保湿を行うことが何より大切です。化粧水や乳液をバランスよく使ってしっかり保湿を行いましょう。

表情筋のエクササイズ

ここまで説明してきた医療機器・医薬品による治療やスキンケアは皮膚の表皮・真皮に働きかける方法ですが、その下の皮下組織のさらに下にある表情筋がやせてしまうと皮下脂肪が支えられずにたるみにつながります。

加齢や表情に変化が少ない人、スマホやパソコンを長時間使うことの多い人は表情筋が衰えやすいと言われています。表情筋のエクササイズを行って鍛えることで、肌にハリを与えながら表情を豊かにしていきましょう。

生活習慣の改善

睡眠不足や不規則な生活、喫煙、無理なダイエットなどはホルモンバランスを崩して肌が不安定になりやすく毛穴の開きが悪化する原因になります。また、日焼けによる紫外線も肌のハリを支えるコラーゲンに悪影響を及ぼし、たるみ毛穴の原因となります。

十分な睡眠、規則正しい生活・食事を心がけ、タバコを吸っている人は禁煙にチャレンジしましょう。紫外線は暑い時期だけでなく、季節を問わず降り注ぎ、知らないうちに浴びてしまっていることが多いので、日焼け止めは1年を通して利用しましょう。

まとめ

目立つ毛穴に対する治療には、フラクショナルレーザーやダーマペンなど最新の医療機器を用いる治療法、トレチノインといった医薬品を利用した治療など様々な方法があり、自身の肌に合った治療法を医師と相談しながら選択していく必要があります。

それ以外にも普段のスキンケアや生活習慣の改善を心がけることが毛穴のケアとして非常に大切です。

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