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コラムカテゴリ不眠症・睡眠障害

睡眠導入剤で気を付けるべき副作用について

2023/03/15
監修:三上 修

あなたは睡眠に関する悩みはありませんか?「なかなか寝付けない」、「ついつい考えごとをしてしまい睡眠時間が十分でない」など、睡眠に関する悩みを抱えている方もいるでしょう。

インターネットで不眠症と調べると、睡眠薬や睡眠導入剤を飲むとよく眠れるなどの記事が多くありますが、「睡眠導入剤は何となく怖い、依存症になる」といったイメージの方もいます。

そこで、今回の記事では睡眠導入剤で気を付けるべき副作用、そして正しい副作用との付き合い方について解説します。この記事を読めば、睡眠導入剤の副作用を正しく理解することができ、睡眠導入剤とうまく付き合えるようになります。

睡眠導入剤とは?

皆さんは睡眠導入剤とは何かご存知でしょうか。睡眠導入剤は「夜眠れない」など不眠症の症状がある方に用いる薬です。特に、睡眠導入剤という名称は睡眠薬の中で作用時間が短いタイプの薬剤に用いられます。

睡眠導入剤には3つの作用があり、これらの症状が相まって睡眠の質を改善します。

抗不安作用:不安や心配を和らげる効果です。
鎮静・催眠作用:気持ちを落ち着かせ、眠気を引き起こします。
筋弛緩作用:筋肉の緊張をほぐします。

睡眠導入剤にはこれら3つの作用があり、その作用の強さは薬によって異なります。そのため、医師はこの作用のバランスと患者さんの状態を考えて薬を使い分けています。また、睡眠導入剤はだいたいどのお薬でも服用してから10-30分程度で眠気が生じます。しかし、その効果が持続する時間や副作用の程度などが薬の種類によって異なります。

睡眠導入剤と同じように使われる言葉に、睡眠薬や安定剤などがあります。これらを混同されている方も少なくありません。睡眠薬と睡眠導入剤に本質的な違いはなく、その作用時間の長さによって使い分けています。一方で、安定剤は不安や緊張を緩和する作用のあるベンゾジアゼピン系睡眠薬のことを言うことが多く、睡眠薬の代わりに使われることもあります。

睡眠導入剤の副作用は主に4つ

睡眠導入剤にはいくつか副作用があります。ここで主な副作用である、翌日の眠気、ふらつき、健忘(けんぼう)、依存性の4つの副作用について解説します。

翌日の眠気:睡眠導入剤の作用時間が適切でない、あるいはその内服量が多いなどの場合は、翌朝の目覚めが悪い、日中にも眠気があるなど、睡眠薬の効果が持続することがあります。

ふらつき:睡眠導入剤には筋弛緩作用があるため、筋肉の緊張をほぐします。そのため、足・腰の筋肉の緊張がほぐれ、ふらつきやすくなります。

健忘(けんぼう):睡眠導入剤を飲んだ後の行動を覚えていないことがあります。特に、高齢者ではせん妄という状態になることがあるため、その後の行動は注意する必要があります。新しく睡眠導入剤を開始する場合などは、家族の見守りがある方が望ましいでしょう。

依存性:睡眠導入剤をやめる際に、かえって眠れなくなるなどの離脱症状のため、やめることができないことがあります。

いずれの副作用も軽度であれば問題ないこともありますが、程度が強く、日常生活に支障がある場合は医師に相談するようにしましょう。

副作用への対処法を理解しよう

睡眠導入剤は、上に述べたようにいくつかの副作用があります。翌日の眠気やふらつきなど、副作用が強く出る場合は睡眠導入剤の適切な使用ができていないことがあります。

具体的には、

・睡眠導入剤の量が多い。
・睡眠導入剤の作用時間が睡眠時間と合っていない。
・睡眠導入剤の飲むタイミングが間違っている。

などが挙げられます。そして、この不適切な使用が原因で、結果として副作用が強く出ており、日常生活に支障が出る場合には主治医に相談するようにしましょう。

患者さんの中には、自己判断で睡眠導入剤を飲むのをやめる方がいます。睡眠導入剤の自己中断は絶対にやめてください。というのも、睡眠導入剤には依存性があるため、急な中断で逆に眠れなくなるなどの離脱症状が出ることがあるからです。医師の指示の下、ゆっくりと時間をかけて減らしていきましょう。

正しい睡眠導入剤の使い方

不眠症の程度が強ければ初期から睡眠導入剤を用います。しかし、不眠症があるから睡眠導入剤だけに頼るのは間違いと言えます。寝室の環境は睡眠に適しているか、寝る前にカフェインなど睡眠を妨げている物質を取っていないかなど、生活環境の中に睡眠を妨げている原因がないかを考える必要があります。

このような睡眠に関わる日常生活や環境などを睡眠衛生と言います。この睡眠衛生を整えることが不眠症改善には重要です。また、不眠症は不安障害や睡眠時無呼吸症候群など、様々な病気が原因で生じている場合もあります。よって、このような病気がないかどうかを精査することも重要になります。

睡眠衛生や病気などを調べ、睡眠を改善すると同時に、睡眠導入剤を用いるのが良いでしょう。睡眠導入剤も飲み始めたら、不眠症は改善しているか、副作用が強く出ていないかなどを定期的に評価し、適切な量と種類を決めていきます。不眠症が改善しない、副作用が強く出てしまうなど、睡眠導入剤のトラブルがあれば、その量や種類を変更することもあります。

もし睡眠導入剤が合わないと思っても、自己判断で決して中断しないようにしましょう。睡眠導入剤など睡眠薬はその依存性から離脱症状が強く出る場合があります。必ず主治医に相談してからゆっくりと調整しましょう。

睡眠薬の副作用が出やすい人はいるのか

年齢とともに睡眠薬を分解または排出する働きが弱くなります。睡眠薬が体の中に残りやすくなり、薬の効果が強く出る、副作用が出る場合があります。また、高齢でなくても肝臓の病気があったり、他の薬をいくつか飲んでいる場合には、肝臓での分解がうまく行かずに同じような状態になることがあります。

したがって、睡眠薬を飲んでいて、翌日に眠気があるなど副作用が強く出る場合には、種類や量を調整する必要が出てくることがあります。その場合には、必ず主治医に相談するようにしてください。

まとめ

睡眠は健康的な生活を送るために必要不可欠です。睡眠が障害されると、日常生活はおろか、生活習慣病につながる可能性すらあります。睡眠導入剤は不眠症を改善する方法の一つです。しかし、上手に付き合わなければ副作用が出て、かえって日常生活に支障が出てしまう場合もあります。

睡眠導入剤を使う際はどんな副作用が出やすいのか、その対処方法を知っておくことが必要です。この記事が正しく睡眠導入剤を理解する助けになればと思います。

参考文献

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