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コラムカテゴリ不眠症・睡眠障害

ボルズィはどんな睡眠薬?|効果・副作用とデエビゴとの違い、翌朝への影響を解説

公開日:2026/01/22
監修:辛島 史憲

ボルズィは、睡眠に関わる生体内物質オレキシンを標的とした新しいタイプの睡眠薬です。「なかなか寝付けない」「夜中に目が覚めてしまう」といった不眠症状に対し、覚醒を弱めて眠りに入りやすくします。

新しい薬のため、効果の実感や副作用の程度、翌朝への影響が気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、ボルズィの特徴や安全に使うための注意点を整理し、デエビゴやベルソムラ、クービビックとの違いも解説します。

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新しい睡眠薬ボルズィとは?

ボルズィはオレキシン受容体拮抗薬(ORA)という種類の睡眠薬です。オレキシンは、体内にある覚醒を引き起こす物質で、日本人によって発見されました。ORAは、このオレキシンの分泌を抑えて覚醒を低下させ、睡眠に導きます。

日本では、2014年に最初のORAであるベルソムラが発売されてから、デエビゴ、クービビックが発売され、ボルズィは4番目のORAとなります。ボルズィは、一般的な睡眠薬で懸念されやすい「服用後から翌朝にかけての眠気の持ち越し」を抑えることを目的に開発されました。

ボルズィはどんな不眠症に効くの?

臨床試験の結果から、入眠障害(なかなか寝付けない)、中途覚醒(途中で目が覚めてしまう)タイプの不眠に効果が確認されています。その結果、翌朝の眠気が残りにくく、日中の生活に影響しにくいと評価されています。

ORAは認知機能や運動機能に影響しないため、高齢の方でも比較的使いやすいとされています。ボルズィも高齢者に対する効果が安定していることが臨床試験で報告されており、これまでのORAと同様に使用しやすい睡眠薬です。

ボルズィは翌朝に眠気が残りにくい?効果の特徴

ボルズィは、翌朝に残りにくい(眠気を持ち越さない)睡眠薬を目指して設計されています。その理由は、体内での薬の動き方や、オレキシン受容体への作用の仕方にあります。ここでは、ボルズィの効果の特徴を3つの観点から整理します。

半減期が短く、体内に残りにくい

一般的に、薬の効果は体内にとどまっている間続きます。その目安として用いられる指標が半減期です。半減期は、体内にとどまっている薬の量が半分になる時間のことで、半減期が短い方が薬は残りにくくなります。

ORAの場合、他のORAの半減期が約6〜12時間であるのに対し、ボルズィは約2時間と短くなっています。よって、他のORAに比べると、翌朝まで残りにくくなっているのです。

吸収が速く、効き始めが早い

ボルズィは体内に吸収されるスピードも他のORAより速く、薬を飲むと眠くなるのが速いことが示されています。半減期の短さとあわせ、速く効いて効果が抜けやすいという睡眠薬にとって理想的な効果のあらわれ方と言えるでしょう。

オレキシン受容体への作用特性

ORAが作用するオレキシン受容体には「OX1」「OX2」の2種類があります。ボルズィは、両方の受容体にバランスよく作用します。

そのため、比較的少ない用量でも効果が得られやすく、体への負担を抑えやすいと考えられています。結果として、翌朝に眠気が残りにくいという特徴につながっています。

ボルズィの副作用にはどんなものがある?

一般的にORAは安全性が高いとされますが、ボルズィも同様に安全性が高く、これまでの臨床試験では重大な副作用は確認されていません。臨床試験で最も多くみられた副作用は傾眠(眠気)ですが、薬の量を減らすことで対処可能です。

副作用が出やすいケースと受診の目安

副作用のあらわれ方には個人差があります。倦怠感や眠気で日中の生活に支障が出る場合やひどい悪夢を見てしまう場合は、無理に使用を続けず、医師に相談してください。また、体調の変化や普段と異なる症状がみられた場合も、早めに受診して状況を共有しておくとよいでしょう。

気になる睡眠薬の依存性:ボルズィの場合は?

ボルズィに限らず、ORAは依存性が少ないといわれています。ORAが普及する前に使用されていた睡眠薬では、以下が問題になることがありました。

  • 薬がないと不安になり眠れない気がする“依存”
  • 薬に慣れてしまい量を増やさないと効かなくなる“耐性”
  • 薬をやめると眠れなくなってしまう“反跳性(はんちょうせい)不眠”

これらが睡眠薬=依存というイメージが定着した原因です。今後ORAの使用率が上がっていけば、「睡眠薬=依存性がある」というイメージは少なくなっていくと考えられます。

デエビゴ・クービビック・ベルソムラと何が違う?比較表で解説

ボルズィはオレキシン受容体拮抗薬(ORA)のひとつであり、同じ作用機序を持つ睡眠薬としてベルソムラ、デエビゴ、クービビックがあります。

いずれも「覚醒を抑える」という共通点を持つ一方で、体内での動き方や効果のあらわれ方には違いがあります。ここでは、成分や薬理学的特性をもとに、それぞれの特徴を整理します。

オレキシン受容体拮抗薬(ORA)4剤の作用特性と薬物動態の比較

※Tmax、t1/2の各数値は、医薬品インタビューフォーム記載の日本人健康成人データ(ボルズィ・ベルソムラは単回投与、デエビゴ・クービビックは反復投与)に基づく

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Tmax・t1/2の見方と比較時の注意点

Tmax(最大血中濃度到達時間)は、薬を飲んでから体内の薬の量が最大になるまでの時間です。一般的に短い方が薬の効き始めが早いといわれています。また、t1/2(血中濃度半減期)は、体内にとどまっている薬の量が半分になる時間です。半減期が長い方が薬の効果も長く続くといわれています。

この表からも、ボルズィはTmaxが0.5時間、t1/2が2.13時間と短く、他の睡眠薬よりも早く効いて抜けやすいことが分かります。

なお、デエビゴはt1/2が長いものの、オレキシン受容体への作用が持続し続けるわけではありません。朝になると覚醒を促すオレキシンが優位になるため、半減期の数値ほど長く効果が続くわけではないと考えられています。

医師と相談しながら、どのような薬が自分の症状やライフスタイルに合っているか考えましょう。

DMMオンラインクリニックで取り扱いのある睡眠薬

DMMオンラインクリニックと提携する医療機関では、不眠のタイプや体質に応じた治療が行われています。ベルソムラなどのオレキシン受容体拮抗薬を中心に、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬や漢方薬も取り扱っており、症状や既往歴、生活状況を踏まえた上で、医師が薬剤の選択や用量を判断します。

【取り扱い薬】

  • ボルズィ
  • クービビック
  • デエビゴ
  • ベルソムラ
  • エスゾピクロン(ルネスタジェネリック)
  • リスミー
  • ラメルテオン(ロゼレムジェネリック)
  • 加味帰脾湯(カミキヒトウ)
  • 酸棗仁湯(サンソウニントウ)
不眠症・睡眠障害はオンラインで相談
近隣に通いやすい医療機関がない、といった場合はオンライン診療をご提案します。生活習慣を見直し、症状にあわせたお薬を服用。自宅にいながら医師のサポートを受けられます。※医師の判断により処方できない場合があります。

ボルズィを安全に使うために知っておきたいポイント

ボルズィは安全性が高いとされていますが、全ての人が同じ条件で使用できるわけではありません。使用できないケースや、服用時に注意すべき点を事前に把握しておきましょう。

ボルズィを使えない人

ボルズィは安全性が高い薬ですが、ボルズィで過敏症があった人、重い肝臓病の人、特定の薬を投与されている人は使用できません。加えて、妊娠中や授乳中の方も慎重な検討が必要です。

※DMMオンラインクリニックの提携医療機関では、妊娠中やその可能性のある方(妊活中)・授乳中の方への処方はできかねます。予めご了承の程お願いいたします。

併用禁忌・注意が必要な薬

ボルズィは主に肝臓のCYP3Aという酵素で代謝されます。この酵素の働きを強く阻害する一部の薬では、一緒に飲むとボルズィの効果がより強く出る可能性があります。

◆併用が禁忌とされている主な薬剤

以下の薬を使用している場合、ボルズィは併用できません。

  • 抗真菌薬(イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール)
  • 抗菌薬(クラリスロマイシン、クラリスロマイシンを含むピロリ菌除菌治療薬)
  • 抗ウイルス薬・抗HIV薬(リトナビル含有製剤〈ノービア、カレトラ〉、コビシスタット含有製剤〈ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス〉)
  • 新型コロナウイルス感染症の治療薬 (ニルマトレルビル・リトナビル〈パキロビッド〉、エンシトレルビル〈ゾコーバ〉)
  • 抗がん薬(セリチニブ〈ジカディア〉)

◆併用に注意が必要な薬

  • 他の睡眠薬や中枢神経に作用する薬
  • アルコール

これらと併用すると、眠気やふらつきが強まる可能性があります。また、一部の薬ではボルズィの効き方が強まったり弱まったりする場合があります。現在服用している薬だけでなく、最近使用した治療薬や飲酒習慣についても、診察時に医師へ伝えてください。

ボルズィを使うための注意点

ボルズィは、日常の使い方によって効果や安全性に影響が出ることがあります。服用方法や生活上の注意点を理解した上で使用しましょう。

用量と服用タイミング

医師から指示された用量を守って使用します。10mgを超えて飲まないようにしましょう。5mgで効果が弱いと感じられた場合も、自分の判断で2錠飲むようなことはせず、医師に相談しましょう。

ボルズィは薬の量を調節しやすいように通常量の5mgに加え、2.5mg、10mgの錠剤があり、5mgの錠剤には2.5mgに分割できるよう切れ込み(割線)が入っています。

効果発現が早いため、就寝の直前に飲みます。仮眠を取って仕事をする場合など、短時間で起きなければならないときの使用は避けましょう。

食事・アルコールとの関係

ボルズィは食事の影響を受けやすいことが確認されています。食事中または食後すぐに飲まないようにしましょう。効果が出にくくなる可能性があります。

加えて、アルコールやグレープフルーツジュースと一緒に飲むと効果が強くなるため、一緒に飲んではいけません。

日常生活での注意

ボルズィを使用している期間は、安全のため自動車の運転や機械の操作に十分注意しましょう。眠気が現れた場合は中止してください。

さらに、他の病気の診療のために医療機関を受診する際には、ボルズィを使用していることを医師や薬剤師に伝えておくと安心です。

ボルズィについてよくある質問

ここまで、ボルズィの効果や副作用、他の睡眠薬との違いについて解説してきました。最後に、服用を検討する際によく寄せられる疑問について簡潔にまとめます。

Q.ボルズィのメリット・デメリットは?

A.ボルズィのメリットは、安全性が高く、翌朝に眠気が残らないと評価されていることです。一方、デメリットとしては、一緒に使えない薬が多い、食事の影響を受けるため食生活が不規則な人は使いにくい、といったことが挙げられます。

Q.ボルズィの効果発現時間と持続時間はどのくらい?

A.ボルズィは服用後比較的早い時間帯に効果があらわれ、一晩の睡眠をサポートするよう設計されています。効き始めが早く、翌朝まで作用が残りにくい点が特徴です。

Q.ボルズィは翌朝に眠気が残りにくい?

A.眠気は残りにくいとされています。ボルズィは、翌朝に眠気が残らない睡眠薬を目指して開発されました。血中濃度半減期が1.96時間と短く、翌朝まで体内に薬が残らないため、眠気が残りにくいことが特徴です。

Q.ボルズィは依存性がある?

A.ボルズィに限らず、一般的にORAに依存性は低いとされています。

ボルズィを検討する際の考え方

ボルズィは、翌朝への影響を抑えつつ不眠症を改善したい方にとって、新たな選択肢となる睡眠薬です。効果の特徴や副作用の傾向などを踏まえた上で、自身の不眠症状や生活リズムに合うかを検討する視点が重要です。

処方を受ける際には、現在の体調や併用薬について医師に共有し、治療方針について確認しておくと安心です。状態に応じた対応を相談しながら、通院負担を抑えて治療を継続する方法もあります。オンライン診療を活用すれば、不眠によって外出が負担に感じられる場合でも、自宅から受診できます。

不眠症・睡眠障害はオンラインで相談
近隣に通いやすい医療機関がない、といった場合はオンライン診療をご提案します。生活習慣を見直し、症状にあわせたお薬を服用。自宅にいながら医師のサポートを受けられます。※医師の判断により処方できない場合があります。

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