マンジャロ・オゼンピック後のリバウンド対策|体重維持の方法
マンジャロやオゼンピックを使ったメディカルダイエットは、体重減少の効果が高く、近年注目されています。一方で、他のダイエット法と同じように、目標達成した後にリバウンドすることがあります。実際に、使用を中止した後に体重が増えるケースが臨床試験で報告されています。しかし、薬をやめた後も生活習慣を整え、医師の指導のもとで段階的に移行すれば、リバウンドを防ぐことが可能です。
今回は、GLP-1ダイエットでリバウンドしてしまう理由と、体重を安定して維持するためのポイントを解説します。
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GLP-1をやめたあとに体重が戻るのはなぜ?

メディカルダイエットで使われるマンジャロやオゼンピックなどのGLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1)は、食欲を抑えたり、特にマンジャロなどのGIP/GLP-1作動薬は代謝を上げたりすることで体重を減らします。代謝は目に見えませんが、治療中に「食べなくても平気になった」と食欲低下を実感した方も多いのではないでしょうか。
食欲低下も代謝アップも、薬の使用中だけにみられる効果です。そのため、GLP-1を中止すると効果はなくなります。つまり、食欲も代謝も次第に元の状態に戻ってしまうのです。
実際に、肥満症の人を対象にした複数の臨床試験では、GLP-1の使用をやめた後に体重が増え、リバウンドが起こる傾向が確認されています。

※「Quarenghi M et al. J Clin Med. 2025;14(11):3791.」を参考に作成
これらの臨床試験でリバウンドが起こった原因は、2つあります。1つは、GLP-1を中止した後に食欲が戻り、摂取カロリーが増えることです。
もう1つは代謝の低下です。代謝が落ちると、以前と同じ摂取カロリーでも体重が増えやすくなります。
スリムな体型をキープするための生活習慣

GLP-1ダイエット後のリバウンドを防ぐ基本は、体重を増やさない食事と代謝をアップさせる運動です。つまり、ダイエットの基本と同じです。ここでは、一般的なダイエットの方法についておさらいします。
食事の量とバランスを整える
食事制限の方法はいろいろありますが、リバウンド防止の基本は、1日の摂取カロリーを消費カロリー以内に抑えることです。1日の消費カロリーは、年齢、性別、1日の活動レベル等で異なります。
自身の1日の消費カロリーを確認しておき、その範囲内で食事量を調整しましょう。コンビニやチェーン店などではカロリー表示があるため、食事前に確認する習慣をつけると無理なく続けやすくなります。
また、栄養バランスも意識してみましょう。こちらも年齢によって異なりますが、1日の摂取カロリーの目安は、炭水化物50〜65%、脂質20〜30%、たんぱく質13〜20%とされています。
筋肉をつけて代謝を上げる

体重を安定させるには、筋肉量を保つことがポイントになります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動も効果がありますが、筋トレで基礎代謝を維持することも有効です。
筋トレといえば、ジムでのマシントレーニングを思い浮かべて「ハードルが高い」と考えてしまうかもしれません。しかし、そこまで本格的なものでなく、腕立て伏せや腹筋などの、いわゆる自重トレーニングでも問題ありません。お尻や太ももなどの大きな筋肉を意識的に動かすと効率的です。これらの部位は全身の筋肉の中でも体積が大きく、鍛えることで基礎代謝が上がりやすくなります。
例えば、仰向けになってお尻を持ち上げるヒップリフトや、中腰でしゃがむスクワットなら比較的簡単です。1セット10回を3セット行うのが基本ですが、体力に合わせて無理のない範囲で始めてみましょう。
GLP-1中止後の維持フェーズ|体重を保つための選択肢

GLP-1をやめた後のリバウンド対策に関する研究は、現時点ではあまり多くありません。実際に効果があったとされる、GLP-1中止後のリバウンド対策を紹介していきます。
【1】少しずつ薬の量を減らす
GLP-1の量を少しずつ減らしていく方法です。欧州肥満学会で発表された研究では、生活習慣の改善と併用した場合、中止後26週間の体重が安定していた例が報告されています。量の調整が可能なタイプの製剤を使っている場合は、薬の量を少しずつ減らすことを医師と相談しましょう。
【2】少ない量を注射し続ける
GLP-1を少量だけ継続して使う方法です。これまでの研究では、GLP-1の治療を続けた人は体重を維持しやすく、途中でやめた人は再び体重が増える傾向があると報告されています。
ただし、「どの程度の量を維持すればよいか」といった具体的な基準は、まだはっきりしていません。効果の出方や副作用には個人差があるため、必ず医療機関で経過を見ながら調整しましょう。
【3】生活習慣を改善する
薬をやめた後は、生活習慣の改善がリバウンド防止の中心になります。食事摂取カロリーを意識したり運動を続けたりすることで、体重の安定に効果的であったと報告されています。先ほど紹介した食事と運動のポイントを参考に、自分のペースで取り組んでみましょう。
【4】他の薬に切り替える
状況によっては、GLP-1よりも作用が穏やかな薬に切り替える方法もあります。例えば、脂質が多い食事タイミングでオルリファスト(オルリスタット)を服用することで、食品中の脂肪吸収を抑える効果が期待できます。また、ルセフィやジャディアンスなどのSGLT2阻害薬は糖を尿として排出する作用を持ち、継続使用で体重が減少した報告があります。
どの方法が合うかは、体質やライフスタイルによって異なります。急に治療をやめるよりも、経過を観察しながら段階的に移行する方が、体の変化にも気付きやすいでしょう。体調や体重の変化を記録しながら、医師と一緒に自分に合った維持プランを探していくことが、リバウンド防止に繋がります。
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リバウンドを防ぐセルフチェックリスト

「気を付けているつもり」でも、実際には習慣が戻ってしまっていることがあります。リバウンドを防ぐには、まず自分の生活を客観的に見直すことが大切です。思い当たるところがあれば、少しずつ改善していきましょう。
食事編
- 食べるスピードが速い
- 寝る前の2時間以内に夕食をとることが週3回以上ある
- 間食したり、甘い飲み物を飲んだりすることが多い
- 朝食を抜く日が週3回以上ある
- 食事の時間が日によってバラバラ
- 栄養バランスを意識せずに食べている
- 味付けが濃い料理をよく食べる
- 外食や惣菜、コンビニ弁当などを食べることが多い
運動編
- 週に2日以上、30分以上の運動(ウォーキングなど)をしていない
- 1日1時間以上歩くことが少ない
- 同年代と比べて歩くスピードが遅い
- エレベーターやエスカレーターをよく使う
- 1日の中で座っている時間が長い
※厚生労働省「健康的な体づくりのための生活習慣見直しノート(男性編) 運動習慣と食習慣を振り返ってみましょう」(https://kennet.mhlw.go.jp/tools/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-bmi-male.pdf)を参考に作成
よくある質問|GLP-1をやめた後の不安や疑問

GLP-1ダイエットを経験した方の多くが、「やめたら体重はどうなるの?」「どのくらい続けるべき?」といった不安を抱えています。これまで触れた内容も含め、リバウンドや治療の継続に関する疑問を改めて整理しました。気になる項目から確認してみてください。
Q.GLP-1をやめたら絶対にリバウンドする?
A.全ての人が必ずリバウンドするわけではありません。臨床試験の追跡調査では中止後に体重が戻るケースが報告されていますが、食事や運動などの生活習慣を整え、薬を段階的に減らしていくことで、体重の安定が保たれた例もあります。
Q.マンジャロやオゼンピックをやめた方がいいケースは?
A.副作用が起こった場合や、3〜4ヶ月使用しても効果があらわれなかった場合は中止した方がよいでしょう。ただし、自己判断でやめるのは避け、まずは医師に相談した上で判断するのが安全です。
Q.痩せた後もGLP-1を続ける必要はある?
A.どの程度続ければよいかは個人差があります。GLP-1を医療ダイエットに使用するようになってから、まだ十分な時間が経っていないこともあり、長期的な使用による影響はよく分かっていません。ただし、リバウンドが心配な場合は、医師と相談しながら量を減らすなどの方法で使用を続けてもよいでしょう。
Q.一度太ってしまったらもう戻せない?
A.GLP-1を中止した後に体重が増えても、再びダイエットをすれば体重は減ります。再びGLP-1ダイエットに挑戦することも可能です。
Q.マンジャロとオゼンピックのリバウンド率に違いはある?
A.現時点では、マンジャロとオゼンピックのリバウンド率を直接比較した研究はありません。どちらの薬でも、治療をやめた後に体重が戻る傾向がみられる点は共通しています。
Q.減った体重は何ヶ月キープできる?
A.GLP-1を中止してから他に何も対策をしないと、再び体重が増えていくことが臨床試験で明らかになっています。今のところ、完全に元に戻るまでを追跡した臨床試験はまだありません。現状では、生活習慣を整えることが最も確実な維持方法と考えられています。
Q.リバウンドが起こりやすい期間は?
A.臨床試験の結果から、GLP-1中止直後から徐々に体重が増加していくことが分かっています。なお、特定の時期にリバウンドが起こりやすいという傾向はないようです。治療を終えた後は、体重変化を定期的に確認しておくことをおすすめします。
まとめ|減量後の安定を保つために意識したいこと

痩せた瞬間がゴールではなく、新たに「どう維持するか」という課題が出てきます。GLP-1は優れたダイエット方法ですが、減らした体重をキープするためには、食事や運動と向き合うことも忘れないようにしましょう。
薬のやめ方や維持の方法は人によって異なります。急に中止するよりも、段階的に調整していく方が、体調を保ちやすく穏やかに続けられるケースもあります。もしリバウンドが心配なときは、医療機関のサポートを受けながら、無理のない維持プランを続けていくのもおすすめです。通院が難しい場合は、オンライン診療を利用して経過を相談することも可能です。
出典
Quarenghi M, Capelli S, Galligani G, Giana A, Preatoni G, Turri Quarenghi R. Weight Regain After Liraglutide, Semaglutide or Tirzepatide Interruption: A Narrative Review of Randomized Studies. J Clin Med. 2025 May 28;14(11):3791. doi: 10.3390/jcm14113791. PMID: 40507553; PMCID: PMC12155999.
Is coming off semaglutide slowly the key to preventing weight regain? European Association for the Study of Obesity (EASO).
厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版)スライド集
厚生労働省:健康的な体づくりのための生活習慣見直しノート(男性編)「運動習慣と食習慣を振り返ってみましょう」
DMMオンラインクリニックのメディカルダイエット薬
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療プラットフォームサービスです。診療は提携先医療機関が行います。
GLP-1 受容体作動薬(リベルサス・オゼンピック)について
◆未承認医薬品等(異なる目的での使用)
本診療科目に用いるリベルサス・オゼンピックは、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省に承認されています。肥満治療目的での処方は国内で承認されていません。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックで処方するリベルサス・オゼンピックは、国内医薬品販売代理店経由で購入しています。
◆国内の承認医薬品等の有無
リベルサス・オゼンピックと同成分(セマグルチド)の注射製剤が、肥満症の治療薬として国内で承認されています。
◆諸外国における安全性等に係る情報
アメリカ食品医薬品局(FDA)において2型糖尿病治療薬として承認されています。
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