トラネキサム酸で変わる肌印象! 内服・スキンケアの違いとシミや肝斑への効果
トラネキサム酸(トランサミン)は、シミやくすみ、肝斑などの肌悩みに対して注目を集めている成分です。医薬品やスキンケア製品に使用されていますが、「飲むのと塗るので、効果はどう違うの?」「自分の肌にはどちらが合ってる?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トラネキサム酸を含む内服薬とスキンケア製品の違いや美容効果、選び方について詳しく解説します。自分に合ったケアを取り入れて、透明感のある肌を目指しましょう。
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トラネキサム酸とは
トラネキサム酸は、1965年に販売開始されたアミノ酸の一種です。血栓を溶かすタンパク質分解酵素・プラスミンの働きを抑える作用があり、医療分野では止血や炎症、アレルギーを抑える目的で使用されています。
現在では、シミや肝斑の原因となるメラニン生成を抑える働きが注目され、美容目的の使用、特に肝斑の治療の際によく用いられます。内服薬として肝斑や喉の炎症の緩和に、スキンケア製品としてはシミやくすみのケアに用いられ、広く活用されています。日常的に使用するスキンケア製品にも配合されており、幅広い年代の女性に注目されている成分です。以下に、内服薬とスキンケア製品の特徴をまとめました。
では、実際にトラネキサム酸が肌にどのように働くのか、具体的な美容効果について見ていきましょう。
トラネキサム酸の美容効果
トラネキサム酸は、シミ・くすみ・赤みなど年齢とともに増える肌悩みにアプローチできる成分として期待されています。美白効果や抗炎症作用に加えて、特にアジア人に多いとされる肝斑に対しても有効性が報告されています。この章では、トラネキサム酸が効果を発揮する仕組みや効果を見ていきましょう。
透明感のある肌へ! 美白効果の仕組み
紫外線などの刺激を受けると、肌内部でメラノサイトを活性化させる物質が分泌されます。メラノサイトは、皮膚内でメラニンと呼ばれる色素を生成する色素細胞です。メラニンが過剰に生成・蓄積されると、シミやくすみとしてあらわれます。このメラニンの過剰な生成を抑える成分として注目されているのが、トラネキサム酸です。
トラネキサム酸は、プラスミンの働きをブロックすることでメラニンの生成を抑え、シミやくすみを防ぐとされています。また、肝斑のように慢性的な刺激が関与する色素沈着に対して効果を発揮します。
抗炎症作用と肌トラブルの改善
トラネキサム酸には、肌の炎症を抑える抗炎症作用があり、赤みやヒリつきなどのトラブルの緩和に役立ちます。特に、酒さ(しゅさ)と呼ばれる慢性的な赤ら顔や紅斑、紅潮などの症状に対する改善効果も期待されています。美容医療においては内服薬で主に用いられますが、スキンケア用品にも幅広く用いられています。
肝斑への効果
肝斑はアジア人に多く見られる色素沈着の一種で、トラネキサム酸の内服による有効性が報告されています。561人を対象とした臨床研究では、内服開始から2ヶ月以内に約90%の人が症状の改善を実感したと報告されています。ただし、ごくまれに血栓症の副作用があらわれるため、服用の際は医師に相談することが推奨されています。
トラネキサム酸の飲み薬とスキンケア、どう違う?
トラネキサム酸は、内服薬やスキンケア製品に配合されており、それぞれに異なる特徴や使い方があります。それぞれの概要や、肌の悩みに応じた選び方について解説します。
内服薬のメリットと注意点
トラネキサム酸の内服薬に関するメリットと注意点は以下のとおりです。ご自身に合ったケアを選ぶ際の参考にしてみてください。
メリット
- 体の内側からメラニンの生成を抑えることで、肝斑やくすみの改善が期待できる
- シミやくすみの範囲が広い場合や、スキンケアでは改善しにくい中等度~重症の肝斑に適している
注意点
- 効果を実感するには、一定期間の継続服用が必要
- ごくまれに血栓症のリスクがある
スキンケア製品(医薬部外品)の特徴と使い方
トラネキサム酸が配合されたスキンケア製品は、角質層におけるプラスミンの活性を抑えることで、乾燥や紅斑(赤み)の改善、バリア機能の強化が期待できます。アトピー性皮膚炎の患者さんを対象とした臨床研究では、トラネキサム酸によって乾燥や赤みが軽減され、皮膚バリア機能が改善されたと報告されています。
朝晩の洗顔後のスキンケアルーティンに、トラネキサム酸を含む化粧水や美容液を取り入れるだけで、手軽に美白ケアが可能です。
「飲む」「塗る」、結局どちらを選ぶべき?
内服薬は全身に作用し、肝斑の改善が見込める一方で、服用できない方や注意が必要な方もおり、まれに副作用の報告もあります。スキンケア製品は内服薬よりも効果は出にくいものの、副作用リスクが低く、日常的に使いやすいといえます。
どちらを選ぶかは、肌悩みの程度やライフスタイル、服薬に対する考え方などを踏まえ、総合的に判断するとよいでしょう。内服薬とスキンケア製品を併用することで、より高い効果が期待できます。
内服薬とスキンケアの特徴を整理したところで、次の章では実際に選ぶ際の基準について、詳しくご紹介します。
トラネキサム酸の効果的な使い方
トラネキサム酸を効果的に活用するためには、使い方とタイミングが重要です。内服薬とスキンケア製品、それぞれの特性を理解し、自身の肌質や悩みに合わせて使用しましょう。
正しい使用方法
トラネキサム酸は用法・用量を守って使用しましょう。内服薬は医師の指導に従い1日2〜3回、食後に服用します。
スキンケア製品は、化粧水や乳液、美容液などさまざまな使用感のものがあります。自分が使いやすい、継続しやすいものを選んでみてください。トラネキサム酸を使用していても、日光を浴び続けるとその効果が減弱するため、日焼け止めによる紫外線対策も忘れずに行いましょう。肌に合わない場合には使用を中止し、早めに医師に相談することが大切です。
肌質や目的に応じた適切な導入タイミング
トラネキサム酸は、紫外線量が増える春夏や、肝斑・くすみが気になり始めたタイミングで取り入れると効果的です。まずは、手軽に始められて副作用のリスクが比較的少ない、スキンケア製品から試してみるのも一つの方法です。乾燥肌や敏感肌の方は低刺激処方のものを選び、肌の様子を見ながら使いましょう。
慢性的な色素沈着に悩んでいる場合は、医師と相談しながら内服薬の使用を検討する方法もあります。肌の状態やライフスタイルに合わせて、自分に合ったペースで始めることが大切です。
注意点と副作用|安全に使うためのポイント
トラネキサム酸は、内服薬と外用剤で気をつけるべきポイントが異なります。体質や肌の状態に合っているかを確認し、副作用リスクにも十分注意を払う必要があります。
副作用と対処法
トラネキサム酸は比較的安全性の高い成分とされていますが、まれに以下のような副作用が報告されています。
【内服薬】食欲不振、吐き気(悪心)、下痢、胸焼け、かゆみ、発疹
重度の場合は血栓症(※非常にまれ)
【スキンケア製品】肌の赤み、かゆみ、ヒリつきなどの刺激症状
これらの症状があらわれた場合は使用を中止し、必要に応じて医師に相談してください。特に内服薬は自己判断での継続使用を避け、体調の変化には注意を払いましょう。
内服・スキンケアそれぞれの注意事項
トラネキサム酸の内服薬・外用剤それぞれの注意事項を以下の表にまとめました。
※DMMオンラインクリニックでは、15歳未満、75歳以上の方は処方できません。予めご了承の程お願いいたします。
安全に使用するためのポイント
トラネキサム酸を安全に使用するためには、用法・用量を守ることが大切です。早く効果を実感したいからといって、多く摂りすぎないようにしましょう。特に内服薬は、食欲不振や悪心、発疹などの副作用が起こるケースもあるため、注意が必要です。
服用中に体調の変化を感じたときは、早めに医師へ相談してください。スキンケア製品も、肌に合わないと感じたら使用を中止しましょう。
トラネキサム酸に関するよくある質問と回答
トラネキサム酸を使ってみたいと思っても、「本当に効果はあるの?」「毎日飲んで大丈夫?」といった疑問が次々に浮かんでくるものです。ここでは、トラネキサム酸に関するよくある質問について、わかりやすくお答えします。
Q.トラネキサム酸を肌に塗ると、どんな効果がある?
A.トラネキサム酸を配合したスキンケア製品は、メラニンの生成を抑えて、肝斑やくすみの改善に役立ちます。さらに、乾燥や赤みの軽減、肌のバリア機能をサポートする作用も報告されています。
Q.トラネキサム酸で肌は白くなる?
A.トラネキサム酸には、シミの原因となるメラニンの過剰な生成を抑える作用があります。即効性はありませんが、継続して使用することで透明感のある明るい肌へと導きます。
Q.トラネキサム酸でシミや肝斑はいつ消える?
A.トラネキサム酸の効果のあらわれ方には年齢などにより個人差がありますが、一般的には1〜2ヶ月程度といわれています。継続して使用することで、徐々に肌の明るさやシミの薄れを感じる方が多いため、医師の指導に従って焦らずに使用しましょう。
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Q.トラネキサム酸とビタミンCを一緒に摂るとどうなる?
A.ビタミンCは、シミやそばかす、色素沈着の改善、美しい肌の維持を目的として美容内服で使用されています。トラネキサム酸との併用により、シミや肝斑、くすみをより効果的に改善できる可能性があります。
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Q.トラネキサム酸を毎日飲んでも大丈夫?
A.トラネキサム酸は用法・用量を守って正しく使用すれば、毎日服用しても基本的に問題ありません。ただし、自己判断で長期間服用することは避け、必ず医師の指示に従いましょう。また、トラネキサム酸には血栓症(血管内に血の塊ができる状態)のリスクがまれにあります。とくに以下に当てはまる方は注意が必要です。
- 血栓の既往がある方(脳梗塞、心筋梗塞、深部静脈血栓症など)
- ピル(経口避妊薬)を服用中の方
- 長時間寝たきりの方や術後で安静が続いている方
これらの条件に当てはまる方は、血栓症のリスクがより高まるため注意が必要です。これらの条件に当てはまる方は、血栓が安定化する恐れがあるとされています。体調の変化を感じた場合はすぐに服用を中止し、医師に相談してください。
Q.トラネキサム酸を飲むと白髪が増えるって本当?
A.トラネキサム酸の服用で白髪が増えるという科学的根拠はありません。SNSやインターネット上ではさまざまな噂が散見されますが、医学的な裏付けがない情報も多く含まれています。誤った情報に惑わされず、正確な情報に基づいて判断しましょう。
トラネキサム酸の効果を正しく理解して、自分に合った肌ケアを
トラネキサム酸は、シミ・肝斑の原因となるメラニン生成を抑制し、美しい肌に導くサポートをしてくれます。ただし、取り入れる方法により、働き方や効果のあらわれ方が異なるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。選択に迷った場合は、ビデオ通話で手軽に相談できるオンライン診療を活用するのも一つの方法です。
出典
トランサミン(トラネキサム酸)インタビューフォーム
トランサミン(トラネキサム酸)添付文書
トランシーノEX添付文書
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東 禹彦 皮膚の科学 Vol. 6, No. 6, pp. 694–652 (2007)
DMMオンラインクリニックのメディカルスキンケア薬
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療プラットフォームサービスです。診療は提携先医療機関が行います。
トラネキサム酸について
◆未承認医薬品等(異なる目的での使用)
本診療科目に用いるトラネキサム酸は、咽喉頭炎や扁桃炎の治療薬として厚生労働省に承認されています。美容皮膚目的での処方は国内で承認されていません。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックで処方するトラネキサム酸は、国内医薬品販売代理店経由で購入しています。
◆国内の承認医薬品等の有無
国内において美容皮膚を目的として承認されている同一成分の医薬品はありません。
◆諸外国における安全性等に係る情報
諸外国でも美容皮膚を目的とした使用は承認されていないため重大なリスクが明らかになってない可能性があります。
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