女性も使えるミノキシジル。その効果と副作用

女性用ミノキシジルが米国で承認・発売されたのは1991年です。日本で女性用ミノキシジルが登場したのは、2005年のことでした。

ミノキシジルは、もともと高血圧の薬として開発され、その後、ミノキシジルを使った人の毛髪・体毛が増えることが分かったため、AGA治療薬として使われるようになりました。日本では、男性用のミノキシジル外用薬がダイレクトOTC※として1999年に発売されています。

※医療用医薬品（医師の管理下で使用できる薬）として未承認であった新規有効成分が、一般用医薬品（薬局で医師の診察なしに購入できる薬）として直接承認される薬のこと

女性用ミノキシジルは、海外では5％外用薬が発売されています。飲み薬は男性用と同じく、米国や日本ではAGA治療薬として承認、販売されていませんが、女性でも実績があり、医師の管理下で使用することができます。

髪の毛は太く伸びる成長期、成長が止まる退行期、抜け落ちる準備期である休止期を繰り返しながら、順番に生え替わっていきます。

AGAでは、成長期が短く、休止期が長くなっていきます。その結果、髪の量が少なくなり、また、一本一本の毛は細くなっていきます。

ミノキシジルは毛が生えてくる毛包に作用し、休止期にある毛包を活性化し、成長期に移行させます。また、頭皮の血のめぐりをよくすることにより、発毛に必要な栄養や酸素を送り込み、発毛を促します（成長期の延長作用があります）。

成長期が長くなり休止期が短くなると、毛包が大きくなって髪は太くなり、髪の量も増えてくるようになります。

一般的に日本で女性用として提供されているミノキシジルには以下の種類があります。

外用薬、飲み薬ともに、ミノキシジルの使用を始めてから3〜6カ月で効果を感じられることが多いです。6カ月以上使って効果が実感できない場合は、増量や薬剤変更で期待する効果が得られる可能性があるため医師に相談してみましょう。

効果の表れ方は人によって違いますが、指示通りに使用していないと副作用のリスクなどもあるため用法・用量を守ってきちんと使うようにしましょう。

ミノキシジルはやめてしまうと、治療前の元の状態に戻ってしまいます。効果が出ている人は、しっかり続けることも大切です。

薬を使うときに気になる副作用。どんな薬でも副作用のことを正しく理解しておくことが大切です。

外用薬でみられる一般的な副作用は、赤みやかゆみ、かぶれなど皮膚の副作用です。症状が現れた場合は使用を中止し、医師に相談しましょう。

過去にミノキシジルを使って発疹などが現れた人は、ミノキシジルを使用することはできません。ミノキシジルを使ったことがなくても、市販の育毛剤などを使って発疹やかぶれが出たことがある人は、事前に医師に申し出るようにしましょう。

外用薬の他の副作用は以下の通りです。

その他のミノキシジルの副作用には次のようなものがあります。

ミノキシジルを高血圧の治療薬として使用する場合の用量は、1日最大100mgまでとなっています。女性AGAの治療に用いる場合は5mgですので、処方されている薬を間違えて2錠飲んでも、問題になることは少ないと考えられます。

飲み忘れた場合は、以下のようにしましょう。

• 通常の薬と同じで気づいた時点で飲む
• 次に薬を飲む時間が近い場合は、忘れた分は1回スキップ。次の決められた時間から飲む

また、薬は子どもの手の届かないところに置くようにしましょう。