防已黄耆湯で痩せる人はどんなタイプ? 効果や使い方を一挙解説!
漢方薬の中でも「肥満に効果がある」といわれている、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)。「痩せた」という声もある一方で「効かなかった」という報告もあり、「本当に痩せるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は、肥満のタイプによって適した漢方薬や得られる効果が違ってきます。防已黄耆湯は、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)が効かないような肥満に効果があるとされる漢方薬です。今回は、防已黄耆湯が効く肥満のタイプや使い方について解説します。
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防已黄耆湯ってどんな薬?
漢方薬を扱う東洋医学では、肥満の体質を「胃熱(いねつ)」と「脾虚(ひきょ)」に分類します。防已黄耆湯は、脾虚による肥満に効果がある漢方薬です。このパートでは防已黄耆湯が効果的な肥満のタイプを中心に解説します。
漢方が考える肥満のタイプ
防已黄耆湯がどのような薬かを知るためには、まず漢方薬の基本的な考え方を知る必要があります。東洋医学では、一人ひとりの体力や体格、症状などに基づいて使用する漢方薬を決めます。そのため、同じ病名でも使用する漢方薬が異なるのが一般的です。
肥満も同様で、東洋医学では肥満を「胃熱(実証)」による肥満と「脾虚(虚証)」による肥満の2つのタイプに分類し、それぞれに応じた漢方薬を使います。
- 胃熱による肥満:食欲亢進や脂っこいものの食べ過ぎ
- 脾虚による肥満:食生活の乱れや過労によって代謝が悪くなる
防已黄耆湯は、脾虚による肥満に効果があるとされています。もう少し詳しくみていきましょう。
防已黄耆湯の効果が出やすい人はこんな人
それでは、脾虚による肥満とはどのようなタイプでしょうか。脾虚による肥満の人には、以下の特徴があります。
- 色白
- 疲れやすい
- 筋肉質ではない
- 汗をかきやすい
- むくんでいる
いわゆる「水太り状態」といわれるような人が脾虚による肥満と考えられます。
防已黄耆湯に含まれる成分と作用
防已黄耆湯には、ボウイ(防已)、オウギ(黄耆)、ビャクジュツ(白朮)またはソウジュツ(蒼朮)、タイソウ(大棗)、カンゾウ(甘草)、ショウキョウ(生姜)といった生薬が含まれています。
防已黄耆湯に含まれる生薬には、大きく分けて次の2つの作用があります。
- 体内の余分な水分を尿として排出し、むくみを減らす作用
- 代謝を促進して消化機能を高める作用
痩せる漢方「防風通聖散」との違いは?
痩せる漢方薬として知られているものには、防已黄耆湯のほかに防風通聖散があります。防風通聖散は胃熱による肥満、具体的には、「皮下脂肪が多い」「便秘傾向の人」に効果があるとされています。
防已黄耆湯で痩せるには? 飲み方と注意点をわかりやすく解説
防已黄耆湯は水太りタイプの肥満に効果が期待されますが、どのように飲めばいいのでしょうか。ここでは防已黄耆湯の正しい服用方法や、副作用、注意すべきポイントについて紹介します。
服用タイミングと飲み方のコツ
防已黄耆湯は1日3回、食前(食事の30分~1時間前)または食間(食後2時間ほど経過した空腹時)に服用します。
ここで気をつけたいのは「食間」という言葉の意味です。食間は「食事と食事の間」のことで、「食事中」という意味ではないため注意しましょう。
基本的に漢方薬は空腹時に飲む方が吸収がよいと考えられており、上記のような飲み方が推奨されています。飲み忘れた場合は、食後に飲んでも差し支えありません。ただし、次の服用時間が近いときは忘れた分をスキップし、次回から飲んでください。一般的な薬と同じく、水もしくはぬるま湯で飲みましょう。
防已黄耆湯の副作用と注意点
漢方薬は天然の成分でできているため「安全」と思われがちですが、副作用がまったくないわけではありません。防已黄耆湯でも、発疹、発赤(肌の赤み)、かゆみといった症状が報告されています。
また、以下のような症状が出た場合は、重大な副作用の可能性があります。すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。
さらに、他の漢方薬や西洋薬(一般的な医薬品)との飲み合わせによって、思わぬ副作用があらわれることが報告されています。特に注意が必要なのは以下のような例です。
カンゾウ(甘草)を含む他の漢方薬と併用
偽アルドステロン症のリスクが上がることがあります。カンゾウは多くの漢方薬に含まれるため、複数の処方を受けている場合は成分が重複していないか確認が必要です。
利尿薬と併用
利尿薬と併用することで、低カリウム血症(血中のカリウムが減少する状態)を引き起こす可能性があります。現在服用している薬がある場合や、他の漢方薬を併用している場合は、必ず診察時に医師に申し出てください。
防已黄耆湯が効かない場合
防已黄耆湯は、水太りやむくみに効果が期待される漢方薬ですが、体質に合わないと十分な効果が得られないこともあります。「なかなか効果を感じにくい」「もっと早く体重を落としたい」という場合は、GLP-1受容体作動薬などのメディカルダイエット薬を選ぶ方も少なくありません。
GLP-1受容体作動薬について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
\他の医療ダイエットを詳しく知りたい方はこちら/
防已黄耆湯で「痩せた」は本当?|効果や注意点のよくある質問
防已黄耆湯に関して、よくある疑問や不安にお答えします。
Q.いつ頃から効果が出るの?
A.およそ2週間〜1ヶ月で、むくみの軽減や排尿量の増加などの変化があらわれるといわれています。ただし、漢方薬は体質に合わせて処方されるため、効き方には個人差があります。1ヶ月以上経過して効果が出ない場合は、体質に合っていない可能性があるため、医師に相談しましょう。
Q.ドラッグストアで買えばいい?
A.市販の防已黄耆湯と、医療機関で処方されるものは基本的に成分は同じです。そのため、薬そのものの「中身」に大きな違いがあるわけではありません。
ただし、漢方薬は体質によって効果の出方に差が出やすく、誰にでも同じように効くわけではありません。体質や症状によっては、防已黄耆湯ではなく、他の漢方薬やメディカルダイエット薬の方が効果を発揮しやすいケースもあります。特に初めて防已黄耆湯を使う方や持病のある方は、医師への相談をおすすめします。
Q.水太りと脂肪太りはどう見分ける?
A.自分で判断する目安としては、水太りの人は「むくみやすい」「汗をかきやすい」「体が重だるい」といった特徴がみられます。一方、脂肪太りの人は「皮下脂肪が多い」「便秘がち」「食欲旺盛」などが目安です。
ただし、自己判断では難しい場合もあるため、正確に体質を見極めたい方は医療機関を受診しましょう。
Q.「海外の漢方で痩せた」とSNSで見たけど安全?
A.漢方薬に限らず、SNSなどインターネットで販売されている海外製の薬の中には、偽造品や品質が保証されていないものが存在します。健康被害も報告されているため、安易な個人輸入やネット購入は避けましょう。
安心して使用するためには、医師の診察・処方を受けることが大切です。オンライン診療なら、来院不要で手軽に相談・購入が可能です。※医師の判断により処方できない場合があります。
Q.防已黄耆湯で痩せない場合は?
A.防已黄耆湯が体質に合っていない可能性があります。その場合は、他にもさまざまなメディカルダイエット薬が選択肢として検討可能です。
たとえば、GLP-1受容体作動薬などは、食欲抑制や血糖コントロールによって、より早く明確な体重減少を期待できる薬剤です。体質や目的に応じて最適な方法を選ぶためにも、医師と相談しながら進めていくのが安心です。
防已黄耆湯で痩せるために
防已黄耆湯は、「むくみ太り」「水太り」タイプの方に効果が期待できる漢方薬です。特に、体の水分代謝が滞っている方や、冷えやすい・疲れやすい体質の方に向いています。
漢方薬の効果を実感するには、体質の見極めと継続的な使用が大切です。服用にあたって不安なことがある場合は、医師に相談しながら自分に合った方法をみつけましょう。
出典
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