お腹の脂肪がつく原因と改善法
「ぽっこりしたお腹をどうにかしたい」「ダイエットしてもお腹が痩せない」――。
そんな悩みを抱えている人は少なくないでしょう。
ぽっこりと出たお腹の脂肪を〝なかったことにする〟のは至難の業だと思われがちですが、適切な痩せ方を身に付けさえすれば、不要な脂肪を落とすことは不可能ではありません。この記事ではお腹に脂肪がつく原因とその対策法を紹介します。
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なぜぽっこりする?お腹に脂肪がつく原因とは?
お腹に脂肪がつく原因は1つではありません。一般的にいわれている原因としては、筋肉量の低下や基礎代謝の低下など、以下の6つが挙げられます。
原因①筋肉量の低下
筋肉は体を支えたり、姿勢を維持したり、立つ・歩くといった日常動作をしたりするために欠かせない組織ですが、このほかに体を覆う〝よろい〟のような役割もしています。筋肉がしっかりと体を覆っていることで、脂肪や内臓が外に出ないようガードされています。
したがって、腹筋や背筋などお腹まわりの筋肉(インナーマッスル)の量が減って筋力が低下すると、脂肪や内臓を抑える力も低下してしまうため、お腹がぽっこりと出やすくなります。
原因②基礎代謝の低下
基礎代謝とは、「体温の維持や心拍や呼吸など、私たちが生きていくために必要最低限のエネルギー」のことを指します。日本人の基礎代謝基準値は、18~29歳の男性では1日1,520kcal、女性は1,110kcal、30~49歳の男性は1,530kcal、女性は1,150kcalです。
基礎代謝のなかでもっとも多くエネルギーを使うのは、筋肉です。つまり、筋肉の量が多いほど基礎代謝が上がって痩せやすい体になり、逆に筋肉が少ないと基礎代謝が下がって太りやすい体になります。
原因③ストレスによる暴飲暴食
ストレスが溜まると、無性に甘くてカロリーの高い物を食べたくなる人は多いのではないでしょうか。これは脳のメカニズムでそうさせているからです。
ストレスが溜まると脳からはドーパミンという脳内物質の分泌が増えます。このドーパミンには食欲をコントロールする摂食中枢を刺激して食欲を増進させる作用があるため、暴飲暴食につながりやすいです。また、ストレスを感じると食欲を抑える脳内物質のセロトニンが減少するため、食欲にブレーキが利かなくなり、食べ過ぎをもたらします。
さらに、ストレスで分泌されるコルチゾールというホルモンには、インスリンの分泌を促すこともわかっています。インスリンにはエネルギーとして使われなかったカロリーを脂肪として溜め込む作用があるため、それによってお腹に脂肪が溜まりやすくなります。
原因④産後
「産後太り」という言葉をよく聞きます。出産によって女性の体は大きな負担を強いられますし、出産によって体内の環境は大きく変化します。その結果、筋肉が落ちて基礎代謝が低下するため、脂肪が付きやすい状態になります。
また、妊娠や出産によって開いたりゆがんだりした骨盤がなかなか元に戻りにくい場合も、体形が崩れてお腹に脂肪が付きやすいといえます。これがいわゆる産後太りの原因です。
さらに、産後は育児ストレスを抱える人も少なくありません。ついつい食べ過ぎてしまうことでお腹がぽっこりしてしまうということも考えられます。
原因⑤閉経後の女性ホルモンの減少
女性ホルモンの一つエストロゲン(卵胞ホルモン)は、脂肪が体に溜まるのを防いだり、食欲を抑えたりする作用があります。そのため、このエストロゲンの分泌が減って止まる更年期以降は、それ以前に比べてお腹に脂肪が付きやすい状態と考えられます。
原因⑥お酒の飲み過ぎ
お酒は、栄養価が高くないのにカロリーだけは高い「エンプティカロリー」の代表的な飲み物です。しかも、アルコールは体内で酢酸へと変化し、この酢酸は体に蓄積できないことから、ほかの糖質や脂質よりも先に消費されます。このため、食事でとった脂質や糖質がエネルギーになりにくく、お腹ぽっこり状態につながります。さらにお酒を飲んだ後は空腹感を覚えやすく、かつ酔っ払うことで節制する力も低下しているため、深夜遅い時間に高カロリーのものを食べてしまいがちです。それもお腹太りの原因となります。
お腹の脂肪を解消する方法①食事療法
ぽっこりしたお腹をへこますためには、食事療法がおすすめです。摂り過ぎたカロリーや偏った栄養バランスを見直すことで、体に必要としている食事を取ることができます。当然ながら、摂取カロリーが減れば痩せやすい体になります。お腹ぽっこり対策に有効な食事療法のポイントを4つお伝えします。
①野菜中心の和食にする
食事の際は、まずは食物繊維を多く含む野菜や豆類、海藻類から食べるといいでしょう。食物繊維は血糖値をゆるやかに上昇させることで、インスリンの過度な分泌を抑えてくれます。また食物繊維はお腹を満たしてくれるので、食べ過ぎも予防できます。和食なら油をさほど使わなくても、おいしく野菜が食べられます。
②揚げ物やスナック菓子などは控える
揚げ物は油を使う料理なのでカロリーが高めです。できれば蒸したり焼いたりする料理を選ぶようにしましょう。スナック菓子も多くは小麦やじゃがいも、とうもろこしなどの糖質を揚げたものが多いので、太りやすいといえます。おやつにするならナッツ類や乳製品、豆乳製品などを、お菓子を選ぶ場合も糖質が少なめのもの、機能性表示食品やトクホなどの食品にするといいでしょう。
③たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は筋肉の材料となる大切な栄養素です。摂る場合は、牛やぶた、鶏などの肉類もいいですが、そればかりでは栄養が偏るので、魚や大豆・大豆製品なども定期的に摂るようにしましょう。最近では、おやつに大豆を用いたバーなどが登場しているので、小腹が空いたときはそういうものを活用してみてはいかがでしょうか。
④お酒を飲むなら低糖質のものを
アルコールは百薬の長ともいわれていますが、お腹ぽっこりの大きな原因の一つです。できれば糖質が少ない、あるいは入っていない蒸留酒(焼酎やウイスキーなど)を選びましょう。また、最近では炭酸で割るハイボールがはやっていますが、その場合は無糖のものを選びましょう。
おつまみには焼き鳥や野菜(海藻)サラダ、冷や奴などたんぱく質と食物繊維が多いものを選びましょう。から揚げやポテトフライなど揚げものはNGです。血糖値が上がりやすいのは21時以降なので、それまでに切り上げると飲み過ぎも防げます。
お腹の脂肪を解消する方法②運動
ぽっこりしたお腹をへこませるためには、筋トレなどの無酸素運動より、ウォーキングなどの有酸素運動のほうが脂肪燃焼効果は高いとされています。特に有効とされている3つの運動を紹介しましょう。
①ウォーキング
運動が苦手な人、運動をこれまであまりしてこなかった人にピッタリの有酸素運動です。手軽に始められるというメリットもあります。まずは軽めのウォーキングから始めるとケガの心配もありません。姿勢を正して、大きく腕を振りながら30~60分を目安にウォーキングをしていきます。脱水予防のために水分はこまめに摂るようにしましょう。
②水泳
お腹ぽっこりの人のなかには腰を傷めていたり、膝や股関節に痛みがあったりする人もいると思います。そういう「体を動かすのが不安」という人にオススメなのが水泳です。水圧と浮力で体が支えられますので、重力の負荷がなく体を動かすことができます。クロールや平泳ぎを、途中休憩を挟みながら30分程度行います。泳ぎが苦手な人は水中ウォーキングを行ってください。陸上の普通のウォーキングよりも脂肪燃焼効果が高いといわれています。
③自転車
自転車というと買い物や通勤・通学に使う移動手段と思っている人は多いでしょう。しかし、実は自転車は脂肪燃焼を促すため、お腹のぽっこりを解消させるのにもおすすめです。自転車をこぐことで下半身が鍛えられます。周りの交通事情に気を付けながら30~60分間ほど乗りましょう。さわやかな風に吹かれるとストレス解消にもつながります。
お腹の脂肪を解消する方法③メディカルダイエット
食事制限が続かない、運動が続かないという悩みを抱えている人におすすめしたいのが、GLP-1 (ジーエルピーワン)などの医薬品を用いたメディカルダイエットです。
GLP-1はGlucagon-Like Peptide-1の略で、私たちの体内にもともとある小腸から分泌されるホルモンです。このホルモンには血糖値をコントロールする、胃の働きを抑えて消化を緩やかにする、食欲を抑えるといった作用があり、「痩せるホルモン」とも呼ばれています。
アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ、ヨーロッパの各国や韓国などで肥満症治療薬として承認を取得していて、日本では2020年に2型糖尿病の治療薬として承認されました。現在は抗肥満薬(肥満を抑える薬)として治験中で、ダイエット目的の場合は、国内では自由診療(適応外処方)となります。
GLP-1は今までは注射薬しかありませんでしたが、この度飲み薬が販売開始されたことで、より手軽に始められるようになりました。飲み始めは、嘔吐や吐き気、便秘、胸やけ、下痢、ガスなどの胃腸障害の他、倦怠感や頭痛などの副作用が生じることがありますが、多くは内服を継続するうちに緩和していきます。医師から副作用などについて正しい説明を受けた上で、安全にご使用ください。
参考
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