20代のEDは珍しくない! 主な原因と治療法とは
最近の調査では、20〜24歳の約4人に1人が「自分はEDである」と申告したことがわかっています。多くは心理的な原因によるものですが、深刻な病気が原因の可能性もありますので、医師への相談も含めた対策が必要です。この記事では、20代のEDの頻度、原因、対策について解説します。
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20代のEDはどのくらいいる?
2023年に行われた日本性機能学会の調査では、20〜24歳の男性のうち、約4人に1人が「自分はEDだ」と回答していました。思春期を過ぎたばかりの世代にもEDの悩みが広がっており、年齢に関係なく起こりうる問題だといえます。この章では、EDの定義と若い人に多いEDの特徴について紹介します。
そもそもED(勃起障害)って?
ED(勃起障害)は、日本性機能学会/日本泌尿器科学会の『ED診療ガイドライン[第3版]』によると「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。
もう少し簡単に説明すると、
- 性行為の際に勃起しない
- 勃起したときに十分な陰茎の硬さが得られない状態を繰り返す
のがEDです。お酒の飲み過ぎや緊張で、たまたま勃起できなかったケースなどは該当しません。
EDの原因は、高血圧やけがなど体の不調が原因の器質性、ストレスや緊張など心理面による心因性、そして、器質性と心因性の両方が原因となっている混合性の3つに分類されます。
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実は多い20代のED
「EDって、年を取ってからの話でしょ?」と思われがちですが、実は20代にも増えています。
2023年に20〜79歳の男性を対象として日本で実施されたオンライン調査の結果では、20〜24歳の26.6%が「自分はEDである」と申告したことが報告されました。これは50〜54歳と同じくらいの割合で、30代、40代より多くなっています。
また、「夜間勃起(いわゆる朝だちなど)がない」と回答した割合は、30代・40代よりも20代の方が高いという結果もありました。さらに「性欲を全く感じない」または「めったに感じない」と回答した割合も、20〜24歳が25〜39歳より多いことがわかっています。
大事なときに勃起しなくて困った経験のある人は、20代であってもEDを疑った方がいいかもしれません。
20代のEDの主な原因は?
20代のEDは原因がはっきりしないことも多いですが、近年の研究では主に心理的な要因や生活習慣の変化が関係していると考えられています。この章では、若い世代に多いEDの原因について解説します。
人間関係や心理的ストレスが影響
20代のEDの原因については、まだ十分に解明されていません。
18〜31歳を対象とした米国の調査では、未婚あるいはパートナーがいない人、抗うつ薬や精神安定剤を使用している人、不安症の人にEDが多いことが報告されています。
以前はうつ病や不安症が主な原因とされてきましたが、最近では新型コロナウイルス感染症をきっかけに起こるEDの可能性や、アダルトコンテンツの見過ぎによるEDも注目されています。
また、最近では若い世代でも糖尿病などの生活習慣病が増加傾向にあり、これらの病気が原因となる器質性EDも増加してきています。
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EDになりやすい性格傾向がある?
台湾で行われた調査では、EDになりやすい性格があると指摘されています。
20〜40歳を対象としたこの調査では、タイプD気質と呼ばれる性格の人がEDになりやすいことがわかりました。
タイプD気質は、以下のような特徴を持つ性格傾向を指します。
- ネガティブな感情を持ちやすい
- 他人の目を気にして、その感情を表に出せない
このような“内にため込みやすい”性格の人は、EDになりやすい傾向があるとされており、一般人口におけるタイプD気質の割合は13~32.5 %とされています。
若い人のEDは、心理的な原因をきっかけにして起こるケースが多いのが特徴です。しかし、40歳未満の男性526名を対象とした研究では、14.8%が病気を原因とする「器質性ED」と報告されています。他の深刻な病気が潜んでいる可能性もありますので、気になる場合は早めに医師へ相談するのが安心です。
EDの対処方法は?
EDの症状を緩和する方法には、生活習慣の見直しやED治療薬の使用があります。また、パートナーとよく話し合い、協力を得ることも大切です。この章では自分でできるED対策を含め、EDの治療法について紹介します。
生活習慣を見直してみよう
EDのセルフケアとしてまず取り組みやすいのが、日々の生活習慣を整えることです。健康的な生活を意識することで勃起機能が改善するケースもあります。
EDの原因となりやすい習慣には、喫煙・肥満・運動不足などが知られており、次のような改善策が効果的です。
- 禁煙:血管機能や血流の改善
- 適度な運動:血行促進やテストステロンの分泌促進、ストレス軽減
- 体重管理(ダイエット):ホルモンバランスや血管機能の改善
- 節酒・禁酒:アルコールによる一時的な勃起不全の予防+肥満対策
- バランスの取れた食生活:血管の健康を保つ
特にお酒の飲み過ぎは一時的な勃起障害の原因となります。また体重の増加にもつながりやすいことから、節酒・禁酒も効果的です。食生活の見直しも検討しましょう。
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アダルトコンテンツの見過ぎもEDの一因に?
インターネット上のアダルトコンテンツを過剰に視聴することで、EDを引き起こすリスクがあると報告されています。強い刺激に慣れてしまうと、現実の性的刺激に反応しづらくなることがあるためです。
また、若年層にEDが増えている背景には、デジタルコンテンツの多様化やソーシャルメディアの普及による影響も考えられます。
いつでも簡単にパーソナライズされた性的な情報にアクセスできる環境が、
- 刺激に対する感度の低下
- 理想と現実のギャップによるストレス
といった要因を生み、性機能に悪影響を及ぼす可能性もあります。
ただし、アダルトコンテンツの視聴がすべての人にEDを引き起こすとは限らず、その影響の度合いには個人差があります。気になる人は、視聴の頻度や内容を見直してみるのもいいかもしれません。
心因性EDにはパートナーの協力とED治療薬が効果的
心因性のEDは、ストレスやプレッシャーが原因になることが多いものです。一人で抱え込まず、パートナーと話し合ったり、必要に応じて治療薬を使ったりすることで改善につながります。
パートナーとの話し合いで気持ちのプレッシャーを軽くする
EDの原因が心理的なものの場合、まずはパートナーとのコミュニケーションを見直すことが大切です。実際、パートナーとの関係性や話し合いの有無がEDの改善に良い影響を与えることが、調査から明らかになっています。
とはいえ、「どう切り出せばいいのか」「相手にどう思われるか」と不安になる人も多いでしょう。そんなときは、以下のような話し方を意識してみてください。
- 「最近、少し緊張しやすくて……」など、自分の状態を伝える
- 「気持ちがないわけじゃない」と、相手への想いをしっかり伝える
- 「一緒に向き合ってくれると嬉しい」と、協力をお願いするスタンスを取る
- EDに関する知識を共有する
パートナーに話すことで心の負担が軽くなり、改善のきっかけになるかもしれません。
パートナーはどんな協力ができる?
EDの人は、パートナーとのキスやスキンシップなどを長期間行っていない、という報告があります。
勃起や挿入を意識するとプレッシャーになります。セックスまで行わなくても、手をつなぐ・ハグをする・軽くキスをするといったスキンシップを楽しむことが大切です。ただ隣でそっと寄り添ってくれるだけでも、本人にとっては大きな支えになります。
治療薬で自信を取り戻す選択肢も
パートナーと話しても改善がみられない場合、ED治療薬の使用を考えてみるのもおすすめです。ED治療薬は心因性EDに対しても効果があります。
心因性EDの場合は、心理的な原因が解消されれば、ED治療薬なしでも勃起できるようになります。一時的に薬の力を借りることで「自分は大丈夫」という安心感を得られ、それがさらに自然な勃起を助けることもあります。
自分のEDの原因が心因性かどうかを含め、一度医師に相談してみましょう。オンライン診療ならスキマ時間で相談できるほか、処方薬の配送も可能です。忙しい人でも治療を始めやすい環境が整っています。
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ED治療薬の特徴や選び方については、こちらの記事をご覧ください。
ED治療薬はどれがいい? シーン別選び方ガイド・効果比較
よくある質問|20代でEDかも?と思ったら
「これってEDなの?」と感じたときに、特に若い人が気になりやすい疑問についてまとめました。
Q. 20代で中折れするのはED?
A.初めての相手とのセックスで緊張していたり、お酒を飲み過ぎたりなど、一時的な原因での中折れはEDとは限りません。しかし、同じような場面で繰り返し起こる場合や、パターンに関係なく繰り返す場合は、EDの可能性があります。一度医師に相談してみることをおすすめします。
Q. 筋トレでEDは治る?
A.筋トレや有酸素運動は、EDを完全に治すものではありませんが、改善につながる可能性があるとされています。血流の改善やホルモンバランスの調整を通じて、勃起機能の向上につながるためです。運動不足や肥満が気になる人には、特におすすめの対策です。
Q. バイアグラは20代でも使える?
A.20代でもバイアグラはもちろん、他のED治療薬も使用可能です。ただし、心臓病の薬(ニトログリセリンなど)を服用している場合などは、使用できないことがあります。受診時に持病や使用している薬について、医師にしっかり伝えるようにしましょう。
20代のED、正しく知って正しく向き合おう
20代のEDは決して珍しいものではありません。多くは心因性のため、心理的要因を取り除けば改善は可能です。さらに、ED治療薬をうまく活用することで、前向きな変化を感じられる人も多くいます。
また、身体的な病気が原因となっている「器質性ED」の可能性もゼロではありません。もし長い間EDで悩んでいる場合は、一度医師に相談しましょう。
治療薬の検討とともに、生活習慣の見直しやパートナーとの対話・協力もED改善のためには欠かせません。何でもオープンに話し合える関係性があるだけで、焦らず向き合っていく気持ちを保ちやすくなります。
出典
日本性機能学会/日本泌尿器科学会編:ED診療ガイドライン[第3版],2018
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