生理前に太るのはホルモンのせい? 女性ホルモンとダイエットの関係
「頑張っても痩せない」「生理前になると太る」「ついイライラして食べ過ぎてしまう」。実はその原因、ホルモンバランスの変化が関係しているかもしれません。
女性の体は、生理周期によってホルモンバランスが大きく変動し、それが体重や食欲、むくみなどに影響を与えます。生理周期の中で起こる体の変化を正しく理解することで、ダイエットに対する不安や焦りを軽減することができます。「頑張っているのに成果が出ない」と感じている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
DMMオンラインクリニックでは確かな情報を提供するため以下の取り組みを行っています。
- 適正な監修プロセス
- 医療法人との提携
- コンテンツ作成基準の明確化
女性ホルモンとダイエットの関係|なぜ生理前に太るの?
生理周期によるホルモンの変化は、基礎代謝や食欲、体重などに少なからず影響を与えます。「なぜか体重が増える」「つい食べ過ぎてしまう」と感じるのは、あなたの意思が弱いからではなく、体の自然な反応かもしれません。まずはその仕組みを知ることが、無理のないダイエットの第一歩です。
女性ホルモンの役割と、生理周期による体の変化
生理周期は、「卵胞期」「排卵期」「黄体期」の3つに分かれており、それぞれの時期で分泌されるホルモンが異なります。卵胞期(生理後〜排卵まで)はエストロゲン(卵胞ホルモン)が増えることで代謝が高まり、気分も安定しやすい時期です。排卵期になると妊娠に向けた準備が始まり、ホルモンバランスが大きく変化します。黄体期(排卵後〜次の生理まで)はプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になり、体は妊娠に備えて水分や栄養分を溜め込みやすくなります。
こうした変化は、体の仕組みによって起こる自然な周期的反応です。自分の周期や体調の変化を理解し、無理のないダイエットや前向きな生活改善につなげましょう。
代謝・食欲・体重はどう変わる? 女性ホルモンの影響とは
生理周期にともなうホルモンの変動は、基礎代謝や食欲、体重にさまざまな影響を与えます。特に黄体期には交感神経が活性化し、血中ノルアドレナリン濃度が高まることで脂肪の分解が促進され、基礎代謝量もわずかに上昇するといわれています。
一方で、プロゲステロンの影響により食欲が増し、甘いものや脂っこいものを欲しやすくなる傾向もあります。また、体は妊娠に備えて水分や栄養を蓄えやすくなります。ある調査では、生理期間中に平均して約0.45kgの体重増加がみられ、原因は水分を溜め込んだことによる“むくみ”だと考えられています。こうした体の変化への理解を深めておくことで、ダイエット中に起こる一時的な体重の増減に振り回されることなく、冷静に対処できるようになります。
生理前の体重増加はなぜ起こる? そのメカニズムを解説
生理周期の中で、心や体にさまざまな変化があらわれます。「最近なかなか体重が落ちない」「むくみや便秘がつらい」などの悩みも、ホルモンバランスが関係している可能性があります。まずは、自分の生理周期にともなう体の変化に意識を向けてみましょう。変化の仕組みを知ることは、無理のないダイエットや前向きな体調管理にもつながります。
いつ太りやすく、いつ痩せやすい? 時期ごとの特徴
生理周期を味方につけることで、ダイエットをより効率的に進めることができます。例えば、生理後の卵胞期から排卵期にかけては、エストロゲンの分泌が増えて代謝が上がり、気分も安定しやすくなります。この時期は「痩せやすいタイミング」といえるでしょう。
一方で、排卵後の「黄体期」は、プロゲステロンの分泌が高まり、水分や脂肪を溜め込みやすくなります。加えて食欲も増しやすく「太りやすい時期」とされています。
このように、生理周期に合わせて体の状態を理解しながらダイエットに取り組むことで、無理なく体重と向き合えるようになります。
生理前のむくみ・便秘・食欲増加はこう対策する
黄体期には、プロゲステロンの作用によって水分を溜め込みやすくなり、むくみが起こりやすくなります。また、腸の動きが鈍くなることで便秘になりやすく、食欲も増す傾向があるのがこの時期の特徴です。
この時期に無理をしすぎず、心と体のバランスを保つことが大切です。例えば、塩分を控えた食事やこまめな水分補給を意識しましょう。さらに、軽めのストレッチやウォーキングなど、日常に取り入れやすい運動を行うのも効果的です。
PMS・ホルモンの乱れが原因かも?気になる症状をチェック
「むくみ」「食べ過ぎ」「気分の落ち込み」など、生理前になると、こうした心身の不調を感じる方は少なくありません。その原因として考えられるのが、ホルモンバランスの乱れや、月経前症候群(PMS)の影響です。この章ではセルフチェックできるリストに加え、どのような状態のときに医療機関の受診を検討すべきか、その目安についても紹介します。
ホルモンバランスチェックリスト
生理周期にともなう不調には、ホルモンバランスの乱れや「月経前症候群(PMS)」が関係しているケースがあります。次のような症状が複数当てはまる場合、ホルモンバランスの変動による影響を受けている可能性があります。
■身体症状
- 乳房の張り・痛み
- 腹部の膨満感
- 頭痛
- 関節痛・筋肉痛
- 体重増加
- 手足のむくみ
■精神症状
- 抑うつ(気分の落ち込み)
- 怒りっぽくなる、イライラする
- 不安や緊張感が強まる
- 会社や学校に行きたくない、人に会いたくない
医療機関を受診する目安
もし生理前の不調が日常生活に支障をきたすほどつらい場合、月経前症候群(PMS)の中でも、特に精神的な不調が重い「月経前不快気分傷害(PMDD)」が背景にあるケースもみられます。気分の落ち込みや怒りっぽさが強くあらわれ、仕事や人間関係に影響を及ぼしているようなら、我慢せずに婦人科で相談してみましょう。
症状の緩和には、低用量ピルや漢方薬などが用いられることもあります。忙しい方や受診に抵抗がある方は、まずオンライン診療を活用するのも一つの方法です。
DMMオンラインクリニックでは、避妊効果に加え、生理不順やPMSの改善を目的とした低用量・超低用量・ミニピルをご用意しています。
https://clinic.dmm.com/menu/pill/low-dose/
※医師の判断により処方できない場合があります。
また、生理に関連する不調の中には、子宮内膜症や卵巣嚢腫など、他の婦人科疾患が隠れているケースもあります。これらはPMSやPMDDと似た症状を示すことがあるため、必要に応じて膣内エコーや内診などで確認することが大切です。
つらさを一人で抱え込まず、医師と一緒に自分に合った対策を見つけましょう。
生理周期に合わせたダイエット習慣の整え方
生理周期に合わせて生活習慣を見直すことは、心身のバランスを整えながら無理なくダイエットを進める上で大切なポイントになります。この章では、生理後に痩せやすくなる理由をはじめ、食欲やむくみへの対策、日常に取り入れやすい運動の工夫など、毎日を心地よく過ごすための具体的な方法を紹介します。
生理後に痩せやすい理由とおすすめアクション
生理が終わってから排卵までの「卵胞期」は、エストロゲンの分泌が増え、心と体のバランスが安定しやすくなる時期です。代謝も高まり、食欲も比較的落ち着くため、ダイエットを始めるには適したタイミングといえます。ジョギングなどの有酸素運動や軽めの筋トレを取り入れて、無理なく継続することが大切です。
食欲を抑える工夫、むくみ対策、無理のない運動習慣
生理前後の体調不良を乗り越えるには、無理のない範囲でできるセルフケアを意識しましょう。例えば食欲が抑えられなくなったときは、ナッツやゆで卵などの腹持ちのよい間食を選ぶと、満足感を得やすくなります。また、むくみが気になる場合は、カリウムを多く含むバナナやブロッコリー、ほうれん草を取り入れ、あわせて水分もこまめに補給しましょう。
体を動かす余裕がないときには、ストレッチや散歩、湯船に浸かるだけでもリフレッシュにつながります。心身をいたわりながら、できることから取り組んでいきましょう。
努力しても痩せないときは? 医師と進めるダイエットという選択
頑張ってもなかなかダイエットの成果がでないときは、自分一人で抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。ホルモンバランスの影響でダイエットが思うように進まない場合は、「メディカルダイエット」という医療的なアプローチが役立つこともあります。ここでは、医師のサポートを受けながら進める方法と、自己判断による薬の併用に潜むリスクについて解説します。
メディカルダイエットという選択肢もある
ホルモンの影響で体重がコントロールが難しい場合には、医師のサポートを受けながら進める「メディカルダイエット」という選択肢もあります。専門的な視点から体の状態を見極めてもらえるため、自分に合った無理のない方法で減量を目指すことができます。
自己判断での併用は避け、医師に相談を
ピルやダイエット薬を自己判断で使用したり、複数の薬を併用したりするのは避けましょう。副作用や薬同士の相互作用などのリスクがあり、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。安全かつ効果的に取り組むためには、医師の診察を受け、適切なアドバイスを受けながら進めることが大切です。
近年はオンライン診療でも相談できるため、通院のハードルが高い方でも気軽に専門的なサポートを受けられます。
\メディカルダイエットについて詳しく知りたい方はこちら/
女性ホルモンとダイエットのよくある質問
女性ホルモンとダイエットに関して、よくある質問を取り上げ、それぞれに回答します。これまでの記事内容と重複する部分もありますが、知識を整理する機会としてお役立てください。
Q.女性ホルモンが減ると痩せにくくなる?
A.女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少すると、基礎代謝が下がり、脂肪がつきやすくなります。筋肉の維持や栄養バランスの見直しによって、基礎代謝の低下を緩やかにすることが大切です。
Q.女性が一番痩せる時期はいつ?
A.生理終了後から排卵までの「卵胞期」です。卵胞期には、エストロゲンの分泌が増加することで代謝が上がり、気分も安定しやすくなります。また、食欲が落ち着く時期でもあるため、運動や食事管理の成果があらわれやすく、ダイエットに適したタイミングといえます。
Q.生理前に体重は何キロ増える?
A.個人差はありますが、生理前はホルモンの影響で水分や栄養を蓄えやすくなり、約0.5〜2.0kg程度の体重増加がみられることがあります。多くはむくみによる一時的な変化のため、過度に心配する必要はありません。
Q.生理後何日で体重が元に戻る?
A.体重増加の主な原因であるむくみは、生理が終わる頃から徐々に改善されます。一般的には生理終了から数日以内〜1週間程度で体重は自然に戻るとされています。
ギリシャで行われた2023年の研究では、生理期間中の体重は生理後1週目と比較して約0.45kg多く、その主因はむくみによるものでした。生理直後は体内の水分量が減少し、体重が最も軽くなる傾向があります。そのため、生理後数日で体重が戻るのは自然な流れであり、むくみによる一時的な増加であると理解すれば、過度に心配する必要はありません。
Q.更年期太りを解消するには?
A.更年期にはエストロゲンの減少により、内臓脂肪がつきやすくなります。筋肉量の維持や増加を目指す筋トレに加え、栄養バランスの整った食事や、定期的な運動を組み合わせながら、体型の変化に対応していきましょう。
Q.生理後に一番痩せる方法は?
A.代謝が高まりやすい生理後は、運動に取り組むのに最適なタイミングです。筋肉量を保つことは、基礎代謝を安定させ、消費エネルギーの維持にもつながります。このタイミングを活かし、運動を取り入れつつ、糖質は控えめにしながら、タンパク質や野菜を中心とした食事を心がけましょう。
Q.ピルを飲むと痩せるって本当?
A.ピルに直接的なダイエット効果(体重減少や代謝アップ)を示す明確な根拠はありません。しかし、ホルモンバランスが整うことでPMSによる過食や気分の波が落ち着き、間接的に生活習慣が安定するケースもあります。生理前後の不調が原因で生活が乱れやすい方にとっては、結果的に体重コントロールがしやすくなる可能性もあるといえるでしょう。
女性ホルモンを正しく知り、無理のないダイエットを
女性の体はホルモンバランスの変化により、体重や食欲、気分などが大きく左右されます。「頑張っているのに痩せない」と感じるときは、ホルモンの影響を疑ってみましょう。
生理周期に合わせた無理のないダイエット法を取り入れることで、心と体の負担を減らしながら、健康的なダイエットを続けやすくなります。もしダイエットに限界を感じたときは、無理をせずに専門家のサポートを受ける選択もあります。自宅から受診できるオンライン診療なども活用しながら、自分の体と丁寧に向き合っていきましょう。
出典
働く女性の心とからだの応援サイト 女性ホルモンとライフステージ
渋井 佳代 バイオメカニズム学会誌 Vol. 29, No. 4, pp 205-209 (2005)
公益財団法人 女性の健康とメノポーズ協会
L Dye et al, Human Reproduction, Volume 12, Issue 6, 1 June 1997, Pages 1142–1151
Paulina Oboza et al, Nutrients 2024, 16(12), 1911; https://doi.org/10.3390/nu16121911
Spyridon Kanellakis et al, Am J Hum Biol. 2023 Nov;35(11):e23951. doi: 10.1002/ajhb.23951.
Lisa Davidson et al, CEPP. Volume 12, Issue 5, 1985, Pages 489-493
A T Hulton et al, Eur J Appl Physiol. 2021 Nov;121(11):2993-3003
Melissa J Benton et al, PLoS One. 2020 Jul 13;15(7):e0236025. doi: 10.1371/journal.pone.0236025.
Lulu Hou et al, Stress. 2019 Nov;22(6):640-646.
I Blum et al, Neuropsychobiology. 2004;50(1):10-5.
厚生労働省 働く女性の健康課題とその対策
問題が解決しない場合は、
こちらからお問い合わせください。