フォシーガで本当に痩せる? ダイエット効果・副作用・安全な使い方まで徹底解説
フォシーガは「SGLT2阻害薬」と呼ばれるタイプの糖尿病治療薬です。近年では体重減少効果にも注目が集まっています。今回は、フォシーガのダイエット効果や副作用、安全な使い方について、医学的根拠に基づきわかりやすく解説します。
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フォシーガで痩せられる理由とは?
フォシーガは、尿とともに体内の糖を排泄する作用を持つSGLT2阻害薬「ダパグリフロジン」を有効成分とする薬です。糖尿病や慢性心不全、慢性腎臓病などさまざまな病気の治療薬として使われており、海外では肥満症治療薬の臨床試験も実施中です。ここでは、フォシーガの体重減少効果や作用メカニズムについて詳しく紹介します。
フォシーガは糖尿病治療薬|体重減少との関係
メディカルダイエットで使われるフォシーガの有効成分は、ダパグリフロジンです。ダパグリフロジンは、もともと2型糖尿病治療薬として開発されましたが、その後の研究により、1型糖尿病や慢性心不全、慢性腎臓病の治療薬としても使用されています。
糖尿病治療での使用実績から、フォシーガの体重減少効果が注目されるようになりました。現在は、肥満症治療薬として使用できるかどうかを検討する臨床試験も実施されています。
ダイエット薬としての臨床試験の結果はまだ出ていませんが、2型糖尿病の患者さんを対象とした複数の研究から、1日1回フォシーガ10mgを24週間使用した結果、体重が約2~3kg減少することが明らかになっています。
なぜフォシーガで痩せるの?体重が減るメカニズムを解説
それではなぜ、糖尿病治療薬であるフォシーガで体重が減るのでしょうか。私たちの血液は、腎臓のフィルター機能によって定期的に浄化されています。糖は体にとって貴重なエネルギー源であるため、SGLT2というタンパク質の働きによって腎臓で再吸収されます。
フォシーガをはじめとするSGLT2阻害薬は、このSGLT2の働きをブロックすることで、糖が再吸収されずに尿として排出されるようにします。つまり、体内から糖=カロリーを捨てる仕組みです。血液中の糖は体を動かすためのエネルギー源になりますが、エネルギーが足りない場合は脂肪を分解してエネルギーを作ります。。これにより、内臓脂肪や皮下脂肪が減少し、結果として体重も減っていきます。このように、フォシーガによる体重減少は「糖を排出する→脂肪が燃える」という流れで説明できます。
SGLT2阻害薬の効果について詳しく知りたい方はこちら
安全に使うには?フォシーガの副作用と注意点
フォシーガは1日1回1錠タイプの飲み薬で、自分の生活スタイルに合わせて服用タイミングを選べます。また副作用の多くは、日常生活の中の適切な対策で予防可能です。ここでしっかりポイントを押さえましょう。
フォシーガの使い方
フォシーガは1日1回1錠タイプの飲み薬です。通常は5mg錠から始め、効果が不十分で副作用などの問題がなければ、10mg錠に変更することもできます。
薬を飲むタイミングは、自分で決めることができます。ただし、毎日同じ時刻に飲む必要があります。朝食後や歯磨き前、起床時や就寝前など、忘れにくく習慣化しやすいタイミングを選ぶとよいでしょう。
フォシーガの副作用
フォシーガの副作用には、性器感染、尿路感染、脱水、便秘、喉の渇き、頻尿、尿量増加、陰部のかゆみがあります。これらの症状は、日常生活での適切な対策で避けることができます。例えば、こまめな水分補給や清潔の保持が有効です。
また、重大な副作用として、低血糖、腎盂腎炎(じんうじんえん)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(えしせいきんまくえん)、敗血症、脱水、ケトアシドーシスがあります。重大な副作用と考えられる主な自覚症状を表にまとめましたので、このような症状に気づいたら、すぐに医師に相談してください。
フォシーガ使用にあたっての注意点
副作用のリスクを下げ、安全に使用するためには、いくつかのポイントに気をつけることが大切です。
脱水を防ぐ
脱水は、フォシーガの作用メカニズムから起こりやすい副作用です。体内の糖は尿として排泄されるため、尿量が増え、脱水を起こしやすくなります。フォシーガの使用中はこまめに水分補給するようにしましょう。アルコールや糖分の多い清涼飲料水は水分補給になりません。
尿路感染症・性器感染症を防ぐ
同じく、作用メカニズムから尿路感染症や性器感染症も起こりやすい副作用です。トイレは我慢せず、用を済ませた後は清潔を保つようにしてください。また、トイレに行ったときは、痛みやかゆみ、におい、尿の色などに注意し、異常があれば速やかに医療機関に相談しましょう。
低血糖に備える
さらに、低血糖があらわれることがあります。低血糖の症状があらわれた場合は、すぐに糖分を摂取するようにしましょう。ただ甘いだけではなく、「ブドウ糖」と表示された商品など、十分な量のブドウ糖や砂糖が含まれるものを携帯することが大切です。
まれに意識を失うほどの低血糖になる可能性もあるため、症状が出たら速やかに対応しましょう。家族や周囲の人にも伝えておくと安心です。
よくある質問|フォシーガで痩せる?副作用は?
ここでは、本文で紹介した内容も含めてよくある質問を改めて整理し、わかりやすくお答えします。気になるポイントを一つひとつ確認していきましょう。
Q.フォシーガは飲み始めてからどれくらいで痩せる?
A.2型糖尿病の患者さんを対象とした臨床試験で、1日1回フォシーガ2.5〜10mgを飲み始めてから、早い方では数週間以内に体重に変化がみられたという研究報告があります。2型糖尿病の患者さんを対象とした臨床試験では、服用開始から6ヶ月時点でのダイエット効果が確認されています。
ただし、効果の出方には個人差があります。フォシーガの効果を最大限に引き出すためには、食事管理や運動を併用するようにしましょう。
Q.フォシーガで何キロ痩せる?
A.元の体重によっても異なりますが、2型糖尿病の患者さんを対象とした複数の研究から、1日1回フォシーガ10mgを6ヶ月間使用した結果、約2~3kg体重が減少することが明らかになっています。
Q.フォシーガを飲んでも痩せなくなった。なぜ?
A.十分ダイエット効果が出たためと考えられます。フォシーガは糖を尿から排出することで体重を減らす薬ですが、その作用には限界があり、一定の体重減少を得たあとは停滞することがあります。さらに痩せたい場合は、他の薬についても検討しましょう。
また、2型糖尿病の患者さんにおける研究では、定期的な運動を行っている方は減量を達成できた、という結果が出ています。定期的に運動を組み入れることも大切です。
Q.フォシーガをやめるとどうなる?
A.フォシーガを中止すると、体重が元に戻る(リバウンドする)可能性があります。1型糖尿病の患者さんにおける調査では、フォシーガをやめた結果、体重が増加したことが報告されています。
ただし、これは糖尿病治療として使用していた例であり、ダイエット目的で使用した場合にどうなるかは人によって異なります。生活習慣や体質によって体重が維持できる方もいれば、リバウンドしやすい方もいます。いずれにしても、自己判断で中止するのではなく、必ず医師と相談した上で使用の継続・中止を決めるようにしましょう。
Q.ジャディアンスや他のSGLT2阻害薬とどう違うの?
A.フォシーガ(ダパグリフロジン)やジャディアンス(エンパグリフロジン)、ルセフィ(ルセオグリフロジン)は、いずれもSGLT2阻害薬に分類される薬です。基本的には糖尿病の治療において用いられますが、一部の薬では慢性心不全や慢性腎臓病の適応があります。
一方で、体重減少効果に関する違いについては、まだ明らかになっていません。なお、ジャディアンスの体重減少効果は、10〜25mg/日を24週間投与で2.2〜2.5kgと報告されています。どの薬が自分に合っているかは、体の状態や持病の有無などによって異なるため、使用を検討する際は必ず医師と相談するようにしましょう。
他のSGLT2阻害薬について詳しく知りたい方はこちら
Q. リベルサスとフォシーガでは、どちらが痩せやすい?
A.個人差はありますが、リベルサスの方が痩せやすいと考えられます。リベルサスはGLP-1受容体作動薬と呼ばれるタイプの糖尿病治療の飲み薬です。満腹感を高めて食欲を抑える作用があります。優れた体重減少効果が期待でき、注射タイプのウゴービは肥満症治療薬としても使用されています。
複数の研究を比較検討した結果では、フォシーガ(5mgまたは10mg/日)の体重減少効果は中程度(3.2〜5%)と報告されています。一方で、リベルサスと同じ有効成分(セマグルチド)を含む注射薬・オゼンピック(0.5mgまたは1mg/週)では、5%以上の高い効果がありました。
この結果から、有効成分セマグルチドを含むリベルサスやオゼンピックの方が、フォシーガより痩せやすいと考えられます。なお、吸収や作用の違いにより、一般的には注射薬のオゼンピックの方が体重減少効果は大きいとされています。
フォシーガでのダイエットを考えるなら、まずは医師に相談を
フォシーガは本来、糖尿病治療薬として使用されています。血糖値を下げる以外に尿から糖を排出する作用により、平均2〜3kgの体重減少が期待できることが報告されています。ただし、副作用や使用上の注意点もあり、誰にでも安全に使えるわけではありません。自己判断ではなく、医師と相談しながら使用を検討することが大切です。
ダイエット効果をより引き出すには、薬だけに頼るのではなく、食事や運動など生活習慣の見直しも欠かせません。オンライン診療であれば、自宅にいながら医師に相談し、自分の体に合ったメディカルダイエットを始められます。まずはお気軽にご相談ください。
出典
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DMMオンラインクリニックのメディカルダイエット薬
※DMMオンラインクリニックはオンライン診療プラットフォームサービスです。診療は提携先医療機関が行います。
海外製ダパグリフロジンについて
- ◆未承認医薬品等(異なる目的での使用)
本診療科目に用いる海外製ダパグリフロジン(フォシーガ同一有効成分薬)は、国内未承認の医薬品です。万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
◆入手経路等
提携クリニックが本治療に用いる海外製の医薬品・機器等は厚生局の正式なプロセスを経て、提携クリニック所属の医師の判断の下、個人輸入をしたものになります。
◆国内の承認医薬品等の有無
国内において肥満症治療薬として承認されている同一成分の医薬品はありません。
◆諸外国における安全性等に係る情報
諸外国で重篤な安全性情報の報告はありません。
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